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35話 決意と進軍再開

僕達が浴室から出ると、姉上は窓際のテーブルの椅子に座りボードゲーム盤を眺めていた。

僕達に気づいてこちらを振り返り、

「あっ、上がったの。ちょっと遅かったね」

そう言って微笑んだ。


「ちょっと2人で今度使う魔法について話していたんだ」

椅子に座って姉上に言うと、一転して真剣な顔になった。

「そう…それでどうなったの?」


「やっぱり3人で撃とうと思うので、姉上も参加お願いします」

僕がそう言うと、姉上は口元を綻ばせ、

「分かったわ、任せて」

力強く頷いた。


◆ ◆


その後、夕方までのんびりしてから僕達はバイユークに帰還し、再び会食をしてから1日を終えた。


翌日、英気を養った兵達と共にバイユークを出発すると、昨日会った『宵闇の白刃』が観衆に混じってこちらを見ていたので軽く手を振る。

すると彼らは「本当に王だったんだ…」

「兄さん、失礼な事してないよね⁉︎」

「王姉をじっと見詰めてた…」

などと小声で言い合っていたが、進むにつれてさすがに魔法で補助しても聴き取れなくなった。


南下を再開してしばらくするとカルサア渓谷に到着し、トンネル入り口と王都から始めた【ペーブメント】による舗装が繋がった。


「またこれは見事なトンネルですな。幅も広くて天井も高い…トロール族でも少し(かが)めば通れそうですな」

先頭まで来たグレンディルが、上を見ながら僕に話しかけてきた。


「そうだね、あまり余裕がないとこれだけ大人数で通ると空気が悪くなりそうだからね」

と応じると、

「確かに鉱山では時々、窒息して亡くなる者もいますからその予防にもなりますな。

…ところで、昨日は結局盗賊共を捕らえておられましたが、少しは息抜きになりましたでしょうか?」

少し心配そうに尋ねてきた。


それに対して僕は微笑みを浮かべ、

「はい。温泉にもゆっくり浸かったし、いい1日でしたよ」

と答えた。

少しの間僕の目を見ていたグレンディルだったが、やがて納得したのか、

「それはようございました」

にこやかに笑って頷いた。

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