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34話 達観気味な弟

◆◆◆アルベルトside◆◆◆


今日はこちらに来てから初めて3人だけで行動してるね。


この国の(あるじ)になってから、僕は主に『闘技場(コロシアム)』で近衛の皆んなと斬り合ったり、腕に覚えがある人が手合わせ名目で挑んで来るのを倒したりしてたから、結構楽しかったよ。勉強にもなったし身体を動かすの好きだし。


お風呂に入ってしばらくすると兄上が、

「あれからもう1ヶ月は経ったけど、どう?無理してない?」

と訊いてきたのでそう答えた。


(無理をしてるのは姉上と兄上も同じだしね。

姉上さっき微妙に笑顔に陰りがあったから、また色々考えているのだろうなぁ…)


まあ、これから戦争だしね…人間族じゃないけど同じく喜怒哀楽があり、営みも大して変わらない『人』もたくさん殺さないといけない。

「ねえ兄上、これから戦争だけど、やっぱり人を殺すのは嫌だよね?」


「…それはもちろん、殺さないで済むならそれに越した事はないけど、今回は武威を示さないと周辺国から狙われるのは目に見えてるから避けられない。

…アル、立場上白兵戦で相手を殺すのは避けられないけど、魔法の方は僕1人でも撃てるから本当に無理に参加しなくてもいいんだぞ?

魔法文字(ルーン)魔法の威力だと、戦いというより虐殺になるからね…」

真剣な顔で僕を見つめながら、兄上は噛んで含める様に言ってきた。


でも僕も譲る気はないので、

「それは駄目だよ。兄上だけにそんな重いモノを背負わせられないし。

姉上もそう思っているから必ず3人で撃つよ。

構成を3分割できるから、発動までの時間も早くなるしね」

一応、最もらしい理由をつけて宣言した。


兄上はなおしばらく僕の目を見ていたが、

「そうか………分かったよ。

じゃあ、そろそろ上がろうか。あまり長く入ってると姉上が不審に思うかも知れないからね」


「そうだね。上がって姉上にももう一度話した方がいいと思うし」

湯船から出て身体を拭きながら僕がそう言うと、


「そうだね、そうしよう。…ありがとう」

兄上は笑みを浮かべて僕の頭を撫でた。

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