3話 作戦会議
仕事に戻る伯父上に、出兵の予算準備をお願いして仕事を増やしてしまいつつ、執務室に行くと、姉と弟とサタニアンと竜人(形態になっている竜)が待っていた。
「財務卿に出兵予算を頼んでいたら、遅くなってしまってすみません」
席についてまずは遅参を詫びる。
「今日集まってもらったのは、明日の夜にラムケ公爵が引き込んだ『夜と月の王国』からの刺客が私達を襲撃して来る事が判明したからなのです」
僕がそう言うと、30代半ばに見えるサタニアンの男性が、
「明日は満月だから、お誂え向きの日だな。
誰が来るのか判っているのかな?」
「オットー・スコルツという名前だそうです」
「あの男か…何度か会った事があるが、何度も修羅場を潜っているかなりの猛者だな。
満月の夜は宮殿の警戒を特に厳重にするが…そういう話ではなさそうだな」
僕は微笑み、
「はい、普段通りの警備でお願いします…スコルツという人は僕達姉弟3人で歓迎しますね。
それで彼を返り討ちにした後、この出来事を理由に『夜と月の王国』に侵攻します。
そうすれば多分ラムケ公爵と第一王子が共に迎撃するでしょうから、その間にヴァレシルさんが第二師団とラムケ公爵領を警戒している第四師団の2万の兵を率いてラムケ公爵領を接収、その後王国領へ侵攻をお願いします。」
その話にサタニアンの男性…ヴァレシルはニヤリと笑い、
「なかなか良い案と思うが…良いのか?その兵を以て王に返り咲きを狙うやも知れぬぞ」
それに対して僕は、
「この国の人間族の普通の暮らしを保証してくれるのでしたら、それでもいいですが…とりあえず今回の件が片付いてからお願いします」
と返すと、ヴァレシルは面食らったのか、
「むっ、そこは冗談を…とかで返すのではないのか…周りの視線が痛いのだが…そう睨むなグレンディル、冗談だ」
グレンディルと呼ばれた竜人形態の竜は、
「昔からヴァレシル様は、冗談なのか本気なのか分からない事を言うから誤解されるのですよ」
と、ため息を吐きながら(多分効果ないなぁと思いながら)諫言した。




