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どうすることのできない過去の悪夢

今回はサバイバルマッチまで行きませんでしたー、すいません。

とりあえずどうぞー

 その日の夜。


「なあアイン、どうする?連携とか考える?だとしたらどこで練習しようか」


 アインが部屋の床に大の字で寝転がっている隣でパジャマに着替えたミーナが明日のことをどうするか聞いていた。

 当の本人は、ただ寝転がっている。

 反応から見るに聞いているのかさえ怪しい。

 あまりに反応がなかったためミーナが痺れを切らした。


「アインー、聞いてるー?」


「聞いてなーい」


 聞いているようだった。

 アインはため息をつきながら、寝転ぶのをやめ、胡座をかいてミーナの前に座った。

 そして、面倒くさそうに口を開く。


「連携って言っても俺とミーナは会ったばかりだから難しいと思う。まあ、他の奴らも同じもんだと予想するね。でも個々の力は全く未知数だから注意にこした事はないさ」


 まあねー、と猫みたいな口をして笑う。アインはまた、大の字になって寝転ぶ。

 内心アインは、ワクワクが止まらないでいた、なぜなら、アインはアインの父親としか戦ったことがなかったので、外の人たちの力量というものを知りたがっていたからだ。

 アインレーダーによるとこの学園の学長は化け物レベル、父親も化け物レベルだが中といった所で、ミーナは自分と同じくらい、メーアとフィアは魔法面なら自分より上と出ており、ついでにあの貴族のお坊ちゃんはミジンコらしい。

 ミジンコだったならここの学園に受からないことも納得だ。

 突然、ミーナが話を振ってきた。


「ねぇー、アインってさ、好きな子とかいるの?」


「何故そんなことを?」


「ん?なんでってあたしがアインのことを好きだからに決まってるじゃん」


「……」


 突然の告白に固まるアイン。

 それを見て、アインを指差して大笑いするミーナ。

 アインの思考回路はものすごい速度で回っているのだが、その思考回路すらついて行くことができず結局のところ、ショートしてしまい冷静を取り戻すのに五秒かかった。


「あ、あのな。俺はそういうのに全然慣れてなくて、好きっていう感情を産まれてから一度も知らないから……その……なんだ。答えは出せない」


 やっとのことで言葉を紡ぎ、口に出す。あまりにもぎこちない。


「冗談だよー」


そう言い放ちまたアインは、呆然としてまた思考がオーバーヒート。アインはもう疲れたとベッドに入り込み、意識を闇へと落とした。


「お母さん、なんで怖い顔してるの?」

「アインは隠れてなさい!早くっ‼」


 幼きアインは何がなんだかわからなかった。唯一わかることと言えば、今は普通じゃないこと。

 あんなに笑顔を絶やさなかった母親がものすごい剣幕でドアの向こうを睨んでいる。

 アインは言われるままに、物陰に隠れた。

 アインが隠れた瞬間にドアが吹き飛び、母親も机に叩きつけられた。

 ドアから入ってきたのは黒い法衣を着た顔の見えない人間。


「あの王国七魔道士の長アイリ・マクマホン・セブルスがこんなに呆気ないなんて、正直残念だよ」


 黒い法衣を着た男の声は意外にも高かった。しかし、聞いているだけで気持ちが淀みそうになる。

 法衣の裾からレイピアが見え隠れする。

 どうやらとどめを刺そうとしているようだ。

 しかし、男はとどめを刺さない。


「あんたね、私を舐めてない?私を舐めてたら死ぬよ?雷劫火らいごうか・ファルセルガ!」


 詠唱短縮並びに魔法陣高速展開し魔法を出そうとするが一足遅かった。


 魔法が発動しないのだ。


「ふふふ……!あなたは今魔法使えないんですよ。私の禁忌魔法でねぇ……、ああどれだけこの魔法を習得するのに時間がかかったことか」


 母親は、どうすることもできずにいた。

 アインは何がなんだかわからず、頭が真っ白になって、ただ目の前の光景を目に焼き付けていた。


「今回の任務は、ほんとに運が良かったですねぇ、アイリさん。息子さんは殺しの対象にはなってません。だからあなたが死ぬ光景を目に焼き付けさせてあげますね」


 そう言って男は、レイピアで母親を何度も刺した、まずは眼球、次に両手両足、わき腹と致命傷をすぐには与えず、苦しませていた。


「ああ、楽しいですよ。ほんとに楽しい。魔法さえ使えないならあなたはただのメスにすぎない。今の魔法使いは体術も使えないといけないのですよ?」


 男はもう、声も、眼球も、鼓動も何もかもが機能しなくなった母親をレイピアで何度も刺していた。


「や、やめてよ。やめてよぉ!」


 そう言ってアインはクローゼットの中から手を伸ばした。

拙い文でごめんなさい、もっと俺に力が有れば!

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