《コンボ》攻撃を放て!
リィズの予想通り、カイトとスカル・リーパーの向かった先は湿地帯だった。
「カイト、ここは別名《ドラゴン封じの湿地》。大昔にとあるドラゴンが老衰で亡くなった時、データ分解の際に『バグ』が起きて特殊な液体が絶えず溜まるようになってしまった。そして、それはまるでウイルスのように……ゴホッ、ドラゴンを苦しめ……ウウッ」
リィズが膝を折り苦悶する。
「リィズ、大丈夫か!?今、助ける……」
リィズに駆け寄ろうとするカイトにスカル・リーパーの大鎌が迫る。
「よそ見していテいいのカ?」
バシュッ
間一髪でその攻撃をかわしたが、やはりスカル・リーパーを倒さない限りは逃げきれない様子だ。
「ちいっ、ユナイト・ドラゴンは召喚できない。ごめんよリィズ。お前の忠告を無視しなければ……」
「ぐ……カ……イト」
目からは涙を流し口からは唾液をあふれさせ……
リィズのひどく苦しむ様子にカイトは自責の念に駆られた。
「グハハハ。ここに来れば自身がどうなるカ、それを知りながらやってくるとはナ。オロカ、『愚か』ナ」
「骸骨野郎、リィズは……」
カイトに助言するため危険を顧みず追ってきたリィズをけなされ、頭に血がのぼっていくのを全身で感じるようだった。
早急に目の前のスカル・リーパーに対処しなければならない。
自身の隣で羽ばたくアーマード・ファルコンに目をやりデッキケースから二枚のカード引き、スカル・リーパーを睨みつける。
「お前と遊んでいる暇はない、一撃で終わらせるぞ! 石の化け物と戦った時はファルコンがやられて使えなかったが俺にはまだ『アレ』がある」
「ほう、やれるものならバ……やってみロオオオ」
再び、不気味なオーラをまとった大鎌がカイトとアーマード・ファルコンに振り上げられスカル・リーパーが走り出そうとするが……まずその体に異変が起きた。
生物的な骨の数か所が瞬く間に鋼の質感をおび材質そのものが合金と化したのだ。
「ガガッ、これハどうしたというのダ……」
カイトが一枚のカードをスカル・リーパーに向けていた。
「スペルカード《同調変異》」
〈同調変異:次の戦闘終了まで相手のモンスターを自分のモンスターと同じ種類・型に変更する〉
「このカードの効力でお前はアンデッド型モンスターではなくアーマード・ファルコンと同じ機械型モンスターとなる」
「グゴゴ、小細工ヲ。このままそのザコを引き裂いてくれル」
スカル・リーパーはためらいなくアーマード・ファルコンに向かい大鎌を振り下ろした。
カイトがそれとほぼ同時に攻撃命令を出す。
「迎え撃て! ファルコン!」
大鎌とアーマード・ファルコンが接触した刹那、二体のモンスターは激しい電撃に包まれた。
アーマード・ファルコンが電力のバリアをまとった体当たり攻撃を浴びせ、スカル・リーパーに致命的なほどのダメージを与えたのである。
「ががガガガがが……バ……バカな」
「さらにスペルカード《エレクトリック・ショック・クリティカル》を発動したのさ」
〈エレクトリック・ショック・クリティカル:機械型モンスターの戦闘の際、そのモンスターAPは2ポイントアップする。相手モンスターが機械型モンスターであればさらに8ポイントアップする〉
「つまりだ、同調変異により機械型モンスターとなったお前と戦闘を行えばファルコンは一時的だがAPが計10ポイント跳ね上がる!」
アーマード・ファルコンAP15→25
スカル・リーパーはデータ分解され消滅していった。
「これが複数枚のカードを組み合わせて強力な力に変える戦術『コンボ』だ! 自分に有利な場所に誘い込んだだけで慢心したお前の負けだ」




