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黒いドレス

私は寝たふりで、3日間彼の行動を確認した。  彼は早朝、私の顔色をうかがいそしてリラに命じて栄養剤の注射を打たせる。  その後、庭で義妹のキャロラインと馬車でのりこの屋敷を去っていく。

馬車に乗る前、庭師たちが、屋敷から絵画や置物などが運ばれ、馬車に乗せることが、あった。  

彼は、屋敷の物を私が倒れて以降少しづつ、持ち出しているのだろう。

昼食はこの屋敷で食べることなく、夕食時に再びこの屋敷に戻るという日々を過ごしている。


私が倒れてからも、3日ほどは屋敷にいたが、そのあとの日々は、今と同じような毎日を繰り返しているということを、メイドの仲間の情報でリラは報告してくれた。


私はさっそく行動を開始することにした。  ロイが私の様子見をして部屋を去った後、馬車で屋敷を去ったことを見届け、リラのメイド服を借り、隠し部屋から秘密の通路を通り、9時になりメイドが屋敷に来る前に食堂に行き、パンと昨日の残りのスープを飲み、フルーツを食べた。  屋敷の主が残り物を食べるのは、どうかと思うが、点滴だけでは力がでない。  ここのメイドは、住み込みは私付きのリラだけで、メイド長は舞踏会がある日だけは屋敷に前日から何日か泊まり込みだが、普通の日は朝は少し皆より早い時間、夜は少し遅い時間に屋敷にかよっている。    後は、執事が常時屋敷におり、打ち合わせのある時だけ、家令が屋敷に寝泊まりしている。  泊まりの使用人が少ないのは、私達が、なるべく夜は2人っきりで、結婚の時決めたからだ。

私は食堂を出て、広い大広間を通った。

人の気配のまるでない宮殿のような広い屋敷は、鼓動の止まった廃墟のような虚しさだった。

大広間にあった、高価な絵画、置物など、やはり消えた物もあった。

大広間から私の部屋に行ったが、やはり調度品などが、消えていた。

宝石箱の中も空に近く、古びた母の形見のブローチだけが、残っていた。

ワードロープの中には、黒いドレスが数点残ってるだけであった。

黒いドレス、今の私にぴったりのドレス、 愛する夫に裏切られ、かって義理の妹だった女に再び何もかも奪われようとしてる。  私は黒いドレスの中でも一番上等なドレスに着替え、リラのエプロンを付け自分の部屋を出て、夫の執務室にいった。   執務室は机の上に書類が散らばり、部屋の中は酷い状態だった。  隣の執事の控え室も同じような有様であった。   

やはり、あの秘密の部屋にある書類をさがしているのだ。  私は黒いドレスを身に着け、来た道を引き返し、作戦を練ろうと再び秘密の部屋に戻った。



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