叔父様の遺産、いつもの午後、そしてロイエンタールの幸せ
その日の午後、マリアンヌとロイエンタールは、午後のお茶の時間、コーヒーを飲んでいた。
いつものようにロイはお茶を飲みながら本を読んでいた。
昨日の黄金の絹工場の偵察に行ったロイは、テーブルに本を静かに置き、彼女に「そろそろ金の絹の生地が出荷できそうだ」と言った。
叔父から譲り受けた研究室のとなりに厳重警備の黄金のシルク工場を建てた。
「このシルクは特別なので、今までの、繊維倉庫の隣に小さな専用倉庫を建てます。
この倉庫の管理とシルクの船での運搬は、アントニオの頼もうと思います。
彼にとって、良い結婚祝いになります」とマリアンヌが言うとロイは頷いた。
「彼が公職家の商品を扱うとなれば、彼の船にも伯が付くだろう」ロイはマリアンヌに言った。
それから、、、とマリアンヌはロイに言った。
テーブルの上の薄紫の薔薇を見て、この花の権利をロワールに譲りたいと思います。
彼は最近、花の栽培のため温室を作り、薔薇の研究室を作っているそうです。
叔父様が好きだった薄紫の薔薇、この薔薇の八重咲の花が彼の研究室で出来ると、素敵だと思います。
この色の薔薇の花は叔父様の侯爵家の温室で密かに育てていたもので、ここに移してきたものですが、最近我が公爵家の庭で私が育てることに成功しました。 この色の薔薇は何処の領でも栽培してないし、私たちの館で楽しむだけで、まだ世に出ていません、とマリアンヌが言うと、ロイエンタールは「いい男達には、お前は過保護だな」と微笑んだ。
私にとっていい男はあなただけですわ、とマリアンヌも微笑み返した。
叔父様が好きだった薄紫の薔薇の花、私も大好き、マリアンヌはバラの花に顔を近づけ、花びらに口づけした。
今度、薄紫の薔薇の花と黄金のドレスのお披露目会を我が館でしましょう。
もちろん私はあまり目立たぬよう黒いドレスで参加します。
その前にアントニオ夫妻とロナール夫妻を呼んで、打ち合わせを兼ねてお茶会でも、とマリアンヌが言うと、その言葉にロイエンタールは「おい、おい、それはギルドマスターが怒ると思うぞ」とロイはかなり焦ったように彼女に言った。
大丈夫、マスターは私の友達ですもの、それにあの忘却の薬はマスターの保証付きですもの。
また2人とは新しい関係を築けばよいんですわ、とマリアンヌはお茶目に笑った。
新しい関係といえば、執事のラルフとロイドが最近親子のようで、二人を見ていて微笑ましいですわ。 ラルフには、たくさんの退職金を用意しましたが、あのぶんなら、もうすこしここで働いてくれそうです。
ロイドには、アントニオとロワールはもう彼らは昔のことは忘れてしまったと話しておきますね。 だだのお兄さん達として、これからは接してほしい、と言っておきます。
ロイドにとってもあまりあそこは良い思い出ではないでしょうから、、、、それから、叔父様が残してくれた遺産は、これから貧しい修道院とか教会にたくさん寄付したいと思います。
明日さっそく、アントニオとロワール夫妻を呼んで、小さなティーパーティーを開きましょう。
楽しそうに言うマリアンヌの顔はいたずらそうに輝いていたが、それを見たロイエンタールは、改めて彼女を愛しい人だと思い、自分は幸せだと思った。




