叔父様とのわかれ
黄金の絹事件が一段落して3か月すると、叔父様は手配して、黄金の繭の研究室を私の領土に移動させ、私に譲渡とする財産の手続きをすべてすませた。
マリアンと一緒に来たマリアンのお父様は病が癒され元気になってきたが、叔父様の容態はだんだん悪くなり立っているのもやっとの状態になっていった。
私もロイにお願いして、出来る限り叔父につきそうことにした。
叔父様とはお母様のことなど、もっともっとたくさんの話をしたかった。
マリアンも叔父様に付き添い、手厚い介護をしてくれた。
叔父様は私に譲渡する財産の一部で、マリアンが私の領のどこか静かな恋人と住む邸宅を買うことを希望した。
そして、王家に早めの今年の税金を納め、王に自分病がすでに死を迎える直前で、侯爵領、領館、今までの事業の返還を願い出た。
事業の中で、グレイス公爵家と合同で行っている繊維業の権利はすべてグレイス侯爵家に買って貰うことに事前に決めたといった。
王もこれには、異論を唱えなかった。
王は公爵領の一等地に小さな館を彼のために建て、ここで養生してくれと、彼に頼んだ。
王へのお目どうり、これが最後の彼の仕事になった。
それから2か月がすぎ、レオナール叔父様は、マリアンにマリアンヌに依頼して作ったグレイス侯爵領にある家と今いる土地と邸宅を売ったお金を慰謝料にすると言い、離縁状を彼女に渡した。
彼女は叔父に今まで、自分たちをたくさん助けてくれて、慰謝料など貰うわけにはいかないと、言ったが、これが自分の意思だと言って、彼女を説得させた。
そして、私とロイに最後の頼みがあると、枕元に私達を呼んだ。
叔父様はロワールに渡す手紙を書いていて、これを私の死後、彼に送ってくれといった。
そして、自分の遺体は、恋人の眠る教会に運び、彼女の墓のとなりに埋めてほしいと私達に頼んだ。
これが叔父様の最後の願いで、私たちが交わした最後の会話となった。
その後、叔父様は静かに眠るように目をとじ、永遠の眠りについた。
葬儀は2日後に彼の館で行われたが、私は忙しくて、悲しいのに泣く暇がなかった。
私は叔父様の最後の頼みを裏ギルドに相談して、遺体を、どこかですり替えてほしいと依頼した。
私は叔父様と王家の確執の話をして、王家の墓には入りたくないと言う叔父様の意向を伝え、ギルドの皆に難しいお願いをした。
王は棺を運ぶ前に、恒例で彼の顔を確認するだろう。
遺体を王家に運ぶ際にも王家からたくさんの護衛がつくので、護衛途中のすり替えはむずかしい。 結局叔父様にそっくりな精巧な蝋人形の遺体を作ることにした。
出来上がった蝋人形は上手くできていたが、叔父様の顔が異様に歪み、怨念のこもった顔をしていた。
蝋人形は年月が経つと、風化するように出来ていた。
私は、ギルドの人達がこの人形を作ってた意図を感じ、その蝋人形を棺の中に入れた。
重々しい、国王を迎えた葬儀の途中、叔父様の遺体は、たくさんの叔父様の好きだった薄紫の薔薇の花に囲まれ、静かに恋人のもとに運ばれた。
棺の出棺の前、国王が彼の顔を確かめる儀式の時の王の顔といったら、、、私はたぶんあの世で叔父様は王のあの顔を見て、笑っていると思った。
私とロイエンタールとの結婚にも猛反対して、侯爵家の子息と強く婚姻をすすめた王、レオナール叔父様は、自分の恋人の死を王に訴え、私達の結婚を必死に応援してくれた。
王はまだ平民との結婚より格下の伯爵家の結婚ならましだと思い、国民の応援をあり、しぶしぶ私たちの結婚を認めてくれた。
王は蝋人形の顔を見て、慌てて扉を閉め、何事もなかったかのように、出棺を命令した。
こうして叔父様の葬式は終わり、私は思いっきり、ロイの胸で叔父様を忍びたくさん泣いた。
その2人の様子を部屋に飾られた、たくさんの薄紫の薔薇の花だけが見ていた。




