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黒いドレスの女  作者: 雪風花


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港の花屋で、、、ロワール

母が心配そうに顔を覗きこんでいる時、ロワールは公爵領の港にある花屋で目を覚ました。

沢山の花々のある大きな花屋である。   

机の上には花の仕入れ場所が丁寧に記されてある、手帳があった。   

ロワールは母との再会を喜び、久しぶりで母の手料理を食べた。

不思議なことに私は、強く頭を打ってしまったようで、2年ほどの記憶がとんでいる。  

それが原因でここ3日ほど床についていたそうだ。   

バラの花を見ると何か思い出しそうな気もするが、やはりなにも思い出さない。

私が行方不明になっている間に、彼女の父親が病気になり、恋人のマリアンは彼女の伯爵家を管理している侯爵と結婚したそうだ。   

私が記憶をなくしてる間に何があったかは、わからないが、彼女には幸せになってほしい。   

母の話で私の実家の子爵家は、兄の不祥事で取り潰しになったそうだ。   

兄はその罪で遠いところに働きに行き、もう2度と帰れない、兄は母や私にもう危害を加えることもできない、兄とは良い思い出がないが、その思い出も遠く彼方に行ってしまった。   


私の花屋のお得意先は、ここの侯爵様で、屋敷で食事会や舞踏会を開催するときは、私の花屋に注文が入るようだ。   

おかしな話だが、私は母と以前は元恋人の伯爵領で花屋の店員として働いていた記憶があるが、どうしてグレイス侯爵領の港でこんな大きな花屋の主人をやっているのか?   まるで記憶がない。    

母も北の修道院からここの侯爵邸に迎えられメイドをやっていたが、最近私が花屋をやっているとの知らせをうけ、半信半疑で、ここに来たようだ。   

侯爵家と私は何か関係があるのだろうか?   その辺も頭に靄がかかり、不明だ。    

不思議なことに、大きな花屋ではあるが、ここの店の借金はなく、貯金もある。   

それは、母と2人で生活するにはすでに十分な金額であった。  

私はこの花屋で母と静かに暮らしていこう、ロワールはそう思った。






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