裏ギルドでのロワールの情報活動
私は社交界に顔を出し、ご婦人達からいろいろな情報をとる仕事をしている。
様々な情報がはいるが、アントニオほど大きな仕事はできない。
それでも少しづつではあるが、小さな花屋をやるお金が貯まってきた。
最近、アントニオが裏ギルドを卒業していった。
私は彼の安らかに眠る体を最後の別れにと、侯爵領の侯爵専用の船が停泊している港にある新しい船に、彼を運んでベッドに寝かせた。 ここなら波止場に見張りもあるので、安全であろう。
彼がギルドで貯めた金は彼のベッドの傍らに置いた。
これだけあれば、5年ほどは仕事があまり入らなくてもやっていけるだろう。
新しい船もあるし、人付き合いの上手な精力的な彼のことだから、仕事も徐々に入ってくるだろう。
しかし、やはり友が去ると言うことは、寂しいものだ。
あの館では嫌な思い出が多いが、彼は私の心の支えになってくれた友人である。
でも彼の幸せを祈り、彼のことは静かに忘れようと思う。
僕もいずれあの薬を飲むことになりそうだ。
私は眠るアントニオに別れを告げ、船を去った。
私は身分を偽り社交界で活動しているが、最近、自分の実家のことと、恋人のマリアンのことで、心配な話を耳にした。
実家の子爵家は兄の事業がますます悪くなり、母は古く汚い修道院に押し込まれたらしい。
私は早くギルドを卒業して母を迎えにいきたいが、もう一つ、恋人の伯爵家のマリアンの父親が病気になって事業の運転資金が不足して従弟である子爵家の男にその資金を借りたが、返済が不能となり、彼女は、返済に苦労して、最近その男との縁談の話があるらしい。
父親の病気や事業のこと、私はその話を聞き、焦っているが、どうやらその話には裏があるらしいので、なんとかギルドにいる間に調べて、彼女のために何とかしたい。
私がこんなことになり、彼女との縁はもう切れてしまったようだが、借金のかたに結婚を迫るような男とは、結婚してほしくない。 彼女には幸せな結婚をしてほしい。
私は彼女の伯爵家の事業のことを調べるべく、今日も社交界で仮の笑顔を婦人たちに向けるのだった。




