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黒いドレスの女  作者: 雪風花


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アントニオと赤い薔薇の花束

「あなた、明日、アントニオのギルド脱退の儀式があります」

2人でお茶を飲んでいた、マリアンヌは夫のロイエンタールに言った。

その言葉に夫のロイエンタールはコーヒーを前に本を読んでいたが、本を置いた。

「やはり家紋入りの、金のコーヒーポットで飲むコーヒーは美味いな」

ロイは意味深気な微笑みを浮かべながらコーヒーを飲んだ。


嫌ですわ。あなた。  これらの物は、ちゃんと店に前払いでお金を払っています。

決して盗んだものではありませんわ。  マリアンヌはロイに微笑み返した。

それで、アントニオには、この間の船をプレゼントしようと思います。

彼もそれなりに6か月間、船を買うため金を貯めていたようですが、船を買うまでは貯まらないかったようです。   

今回ギルドでも、あの件で大変儲かったようなので、ギルド長があの船の代金の半分は出してくれるそうです。   

今回、アントニオの他の被害にあった船主も探し出し防衛団が所有してる家、財産などを差押され、被害にあってた船主に賠償させますとの報告が子爵領、伯爵領主から報告があり、防衛団の者たちも罪の重さによりそれぞれ刑を言い渡され、最初からいた者は、我が領の一番刑が重い森の施設で働いてもらうことになった。   


マリアンヌは伯爵領の店主、子爵領の防衛団の頭は一生そこで働いてもらうようになるので、彼らの賃金はすべて、被害にあった人達に渡すことに両領主に話した。


マリアンヌはロイエンタールに子爵領にも金額的にある程度責任を持ってもらおうとおもいましたが、領主が変わるので、お金がいるので今回は請求しなことにすると話した。

その代わりにギルドから防衛団の倉庫にあったシルクの布商品、金銀の置物などを換金したものを侯爵家に渡されたのでそれを被害にあった人達に渡す手配をします、と話した。   

今までの彼女の話を静かに聞いていたロイエンタールは、「それで奥様、明日は黒いドレスでギルドに行くのかい?」 と聞いてきた。

もちろんですわ。彼との別れの儀式ですもの。  

あなたも黒い服を用意してあります、と答えた。

「彼は、ギルドの記憶だけではなく、娼館での記憶も消すのか?」 との彼の問いに、少し寂しい気がしますが、そのほうが彼にとっては良いことだと思います、とマリアンヌは答えた。 

「彼の恋人のカトリーヌはどうしているのか?」 ロイが聞いたので、その件も相変わらず従弟の男は彼女につきまとっていたようですが、彼女は彼の帰りを健気にまだ待っているようだと、リーダーに聞きました。   

従弟の男は、うっとうしいので、ギルドの仲間の一人が薬を飲ませたので、彼は今は家から出られない状態になっているようです。   

ロイはその言葉にギルドに対し恐ろしさを感じたが、どんな薬かは、聞かなかった。

多分マリアンヌも詳しいことは知らないであろう。   

これでアントニオは恋人のことで、なにも障害を持たないだろう。  

ロイとマリアンヌは次の日、黒い服でアントニオの別れの儀式に参加した。

彼は2人にお礼を言い、ロワールと抱き合い、リーダー、ギルドの仲間と別れの挨拶をかわし、何のためらいもなく、一気に薬の入ったワインを飲んだ。   


彼は2日間船の上で眠り、眠りから覚めると、恋人の待つ港に船で乗り付けた。

そして花屋で買った大きな赤い薔薇の花束を抱え、伯爵領の港町カトリーヌの待つ家に彼女を迎えに行った。

それは、3年ぶりの再会であった。   2人は熱い抱擁とともに大粒の涙を流した。  

頬から流れる涙が海の輝きのようにキラキラと光った。   



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