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黒いドレスの女  作者: 雪風花


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グレイス(侯爵家)コネクション

「ほんとうにあの伯爵領の港の店にいくのか?」ロイエンタールは心配そうにマリアンヌに尋ねた。

アントニオの事件は私達の侯爵領とは直接関係はないが、公爵領も子爵領も私たちの子飼いの領土です。

私が伯爵領に行っても、安全だと思います。

伯爵のサミュエルさんに今回の店の訪問を、伝えても良いけど、こっそり行きたいので、ギルドから、我が館に来た、リチャードを同行させたいと思います。   

今回問題の子爵領は、今度領土を継いだ息子が同じく子爵領の令嬢と婚約の話が出て正式に婚約式を行うと、伝達が侯爵家にも来ています。   

我が侯爵家の子飼いの子爵家同士の婚約なので、それを理由に私が伯爵領のあの店でお祝い品を架空注文を出して、アントニオの後押しをしますわ。

子爵領の防衛団でそんな不正が行われるなんて、監督不行き届きも良いところですわ。

防衛団はもともと港の不正を取り締まるためのものなのに不正の温床になるなんて、あってはならないことですわ。

    

ロイは子爵領の港にアントニオの船が着いた時の防衛団の動きを監視するよう、彼に危険が及ばぬよう子爵領の公安隊に命令してくれた。  

また船が到着すれば、港の防衛団も皆港に集結すると思うので、そのどさくさに紛れ、裏ギルドが倉庫に入る予定なので、そのあとの防衛団の始末を公安隊にお願いすることになっている。   

ギルドからの報告によると、子爵領の港の防衛団は、港で様々な不正を行い、彼らの倉庫には船から奪った品が沢山保管されてるとアントニオの情報活動ですでにわかったいる。   

まあ、この事件で両子爵領との婚約話は解消になると思うし、港のある子爵領の領主は、前子爵より、無能と言う話もチラホラ出ているので、監督不行き届きの責任を取ってもらい穏便な話し合いで亡くなった父親の弟が領土を継ぐ手続きをしたいと思います。

この港の防衛団は、4年ほど前出来たそうですが、子爵領で一番、稼ぎの良い港でこんな不正が起きるなんて、結婚どころではありませんわ。  

侯爵領の船もこの領の港を使わせてもらうこともあるし、、、これ以上ハイエナのような彼らをのさばらせるわけにはいきません。   マリアンヌはロイに強い口調で話した。     

あの倉庫にある品物はたくさんの船主を騙した、血と涙の品です。  

防衛団を捕まえたら、すべてを被害者に換金はできなくても、以前に勤めていたものも洗い出し、防衛団での悪事の度合いにより彼らの労働と財産で償ってもらうし、足らない分は子爵家から出してもらうつもりです、と私はロイに言った。


アントニオの話だと、船に積み込まれた後、次の日に出発ということで、その時、商品はすり替えられたとのことです。   

今回は私達がその反対のことをします。

運び出す時と船の中で、ギルドマスターに手配して、品をすり替えます。   

我が侯爵家の注文となれば、店主も品物すり替え工作するとは思えないけど、荷運びの際、こっそり金銀の品は裏ギルドの方に運びます。   

子爵家の防衛団が捕まれば、伯爵領の店の関係もわかり、店主の言い分は闇に沈みます。

「それは、ギルドマスターの提案か?」ロイはマリアンヌに聞いた。

ギルド長は私の友人のようなものですわ。  

彼にもアントニオにも、あの時あなたもお世話になりました。   

私達はいわゆる秘密を共有する同士ですわ。   彼には早く幸せになってもらいたい。

「オイ、オイ、そんな物騒な男と友人になるなよ」ロイは苦々しく私に笑った。


次の日、裏ギルドのマスターと打ち合わせして、私はリラを伴い、リチャードが馭者を務める家紋入りの馬車に乗り目立たぬよう、黒いドレスを着て例の店にいった。   

朝からリラは私が風呂にはいり、肌の手入れをしてくれている時から、今日の冒険に興奮ぎみだ。

私は伯爵領にある店の店主に会い、今回の依頼をあらためて頼んだ。

店主は侯爵家に今回の注文を問いただしている最中だったので、領主の妻の私の訪問に驚いていたが、完全に今度は信頼してくれたようだ。   

今回のお結わいの品は多量で大切な物なので、品物を運び出し船に乗せるまではこちらで手配し、無事子爵領の港に着いた時は、支払代金を全部支払うと、約束を交わし手付金として僅かな金額を渡し、店を引き上げていった。

「奥様、なんだか、胸がドキドキしました」 リラは店を出て、ホッとしたような安堵の表情を浮かべた。  

私もなんだか、ドキドキしたわ。 でも、この黒いドレスが私のドキドキを沈めてくれた。   

これから3人でどこか美味しいお店で、食事をしてから帰りましょう、

私は馭者のリチャードに言うと、彼はこの付近で一番高級な店に馬車を止めた。   

無口で実直な彼だけど、こんな時は割合、ちゃっかりしてるのよね。  

その日の夜、私はロイと入念な打ち合わせをして、これから起きる子爵領の港での段取りを、慎重に相談しながら、進めていった。

   






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