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黒いドレスの女  作者: 雪風花


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12/15

アントニオとロワール、少年ロイド

花の娼館で働いていたアントニオは元船乗りだった。

彼は若く、たいそう見た目の良い男だったので、女性には、大変もてたが、彼はいつかは自分の船を持ちたいと、わき目も降らず働き、たくさんのお金を稼いだ。

彼は、自分の船を持ち、美しい恋人もいた。

しかし、この恋人には、腹黒い親戚の男がいた。

親戚の男は彼等の恋を応援するといいながら、悪だくみを組んだのだ。

傾きかけた商店と組み、彼に店の荷をある港に運ばせた。

その荷とは2足3文のガラクタであったが、彼は街の防衛団に捕まり、さらに連絡を受けた店は、中身は金銀の品物だったと訴えた。  彼は途中で荷をすり変えたと言う嫌疑をかけられ、莫大な賠償金を支払う命令を下された。   彼女のいとこの男も、店の店主も防衛団も皆ぐるであった。 彼は船を売ったが、莫大な借金の支払いに追われていた。   恋人の手紙でおびき出され、彼は訳もわららず、この娼館に連れてこられた。   

恋人は私の無実を信じてくれて、まさか親戚の男が商人と繋がっているとは思わず、私たちを応援してると言ってたいとこの彼に手紙を託したのだった。   私は恋人に合わせると言って馬車で迎えに来た男に騙されたのだ。


どんなに女を抱こうと、恋人のことは忘れていない。   店のオーナーは借金が返済されれば、私を自由にすると言っていたが、借金はまるで減らなかった。  反対にベッドの中での秘密を知っている私は、監視されていて、どこにも逃げ場がないと、脅された。  それでも何度も逃げようとしたが、捕まり、ひどい目に会わされ、3年間、半ば、逃げることを諦めた状態であった、今度の話は雲をつかむような話であったが、相手は身分の高い貴族らしい。

恋人に一目だけでも会えるチャンスが私に残されているなら、騙され、殺されても良いので、このチャンスにかけようと思った。


私の名はロワール、貧乏子爵の2男として生まれた。  子供の頃、父と母は私を美しい子供と可愛がってくれたが、兄は両親が留守にしているとき私に意地悪をたびたびしてきた。

私の容姿が女性のようだと、ドレスを無理に着せたり、私を裸にして冷水を浴びせたりして、私が泣くのを楽しんでいた。    私は16歳の時、父が病で亡くなり、19歳の兄が子爵領の領主になった。

兄はますます横暴になり、私に暴力を振るうようになった。  母は、そのたび庇ってくれたが、兄はそれが面白くなかったのか、ますます私につらく当たるようになった。  私は17歳になった時、母と家を出ようと決心して、街の花屋で母と一緒に働いたが、その時伯爵令嬢と知り合った。

彼女は伯爵の一人娘で私の話を聞き、私を婿にしてくれると将来を誓い合った。

私が19歳の時、兄は事業に失敗して私を探し出し、母を人質にとり、私を借金のかたに、この娼館に売り飛ばしたのだ。   私にはこの娼館から逃げられても行き場がない。

それは、アントニオに誘われ、ここを逃げ出したが、なんども、連れ戻され良くわかった。

また、私より若い男の子が、娼館に売られてきた。  彼も貴族らしいが、やはりお金のため、売られたらしい。   私たちは彼を庇ってあげたいが、2人とも借金があり、彼に優しく接すること以外できなかった。   

私もアントニオと同じで、2年も女性に体で奉仕する屈辱的な仕事をしているのに、私の借金は、まるで減らなかった。

もう2年もここにいて,ここから逃げることを諦めていたが、娼館でご主人に寄り添う高貴な夫人を見て、私にも勇気がでた。  ここを飛び出し、なんとかあの悪魔のような兄から母を救いたい。


私もアントニオもロイド少年も、今回のことに、生涯をかけているのだ。


ロイドの父は子爵領の領主だが、私が10歳の時、母が死に、父は新たに妻を迎え、男の子が生まれると、母が露骨に私を邪魔者扱いにした。   継母は自分の子供だけを可愛がり、彼が5歳になり木の枝で怪我をしたとき、継母は私が義弟を害したと、検討違いの怒りを私にぶつけてきた。    継母は金遣いが荒く、もともと貧しかった子爵家の財産は破産状態になってしまった。

父と母は私が16歳になった時、大金欲しさに私を娼館に売ったのだ。   私は実の父に捨てられた。

娼館というものが、どんなところだかわからなかったが、うすうす、ここにいる2人を見てわかったが、

自分がそれをしなければならないことに絶望をしていた。  

初めての客に私はなにも出来なかったので、背中を鞭で打たれた。

2人は慌てて飛んできてくれ、私を助けてくれて、女性の相手をしてくれたが、私はあの時、こんなことをするなら、死んだほうがましだと思っていた。

今回また指名を受けたが、今度の女性は、美しく優しそうで、私は覚悟を決めていたが、彼女は夫を探しにここまで来た、私達もここから助け出すといってくれた。


私は家にはもう帰らない。  これからどうなるかわからないが、アントニオさんとロワールさんと一緒に、彼女のご主人を助けようと思う。



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