表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死者の目覚め  作者: モモンガ太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/38

終章 それでも夜は明ける

五月一日。


博多駅の地下街に残った二十四人は、北へ向かうことを決めた。


海だ。島に渡れば、少なくとも地続きの脅威からは逃れられる。志賀島。博多湾の北に浮かぶ小さな島。死者は泳げない。それだけが確認された数少ない「法則」だった。


美咲の母は、四月二十三日の夜に息を引き取った。


美咲は泣きながら、自分の手で、ルールに従った。


そして今、美咲は生き残った者たちの先頭近くを歩いていた。背中のリュックには、母の写真が一枚入っていた。


朝焼けが、廃墟と化した天神の街を赤く染めていた。


通りには無数の影がうごめいていた。かつて人だったものたち。理由もなく死に、理由もなく蘇り、理由もなく生者を追う者たち。


中村が先頭で手を挙げ、全員を止めた。




「よう聞け。ここから博多港まで約二キロ。奴らの密度が一番薄いんは、夜明け直後の三十分。今がその時間たい」


彼は全員の顔を見回した。


「走れ。止まるな。振り返るな。生きろ」


二十四人が走り出した。


朝日に向かって。


理由のない死が支配する世界で、理由もなく、それでも生きようとする人間たちが、走っていた。



――原因は、最後まで見つからなかった。


――そう、思われていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ