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第六章 問い
科学者たちは最後まで「なぜ」を問い続けた。
京都大学の免疫学者・山際は、陥落する研究所の中で最後の音声記録を残している。
#「我々はあらゆる仮説を検証した。ウイルス、プリオン、真菌、寄生虫、環境毒素、電磁波、
# 宇宙線――全てが陰性だ。死者の組織に、生前と異なる点は何一つ見つからない。つまり、これは……
# 原因がないのだ。原因のない現象。我々の科学は、この事象を記述する言語すら持っていない。
# もし神がいるならば、神は理由なく、死者に歩くことを許した。我々には――」
録音はそこで途切れている。




