表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死者の目覚め  作者: モモンガ太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/38

第十八章 送信機の限界

一月。


篠原は送信機を24時間稼働させようとした。だが、現実は残酷だった。


太陽光パネル一枚では、日中六時間が限界。曇りの日は四時間。夜間はゼロ。つまり一日の大半は、島は無防備だった。


「送信しとらん間に誰かが死んだら、蘇る。それはこれまでと変わらん」


篠原は全員を集めて、正直に伝えた。


「送信を24時間続けるには、安定した電源が要る。ディーゼル発電機。それも、できれば二台。燃料も」


「それだけでよかと?」中村が聞いた。


篠原は首を振った。


「もう一つ。今の送信機は出力が弱すぎる。カバーできる範囲は島の周囲数百メートルがせいぜい。もし本当に蘇生を阻害できるなら、もっと広い範囲をカバーしたか。そのためには――高出力の増幅装置が要る」


「どこにあると?」


「福岡タワー」


篠原はノートパソコンに福岡市の地図を表示した。もうインターネットは繋がらなかったが、オフラインで保存していた地図データがあった。


「福岡タワーは地上波デジタル放送の送信拠点やった。Ku帯に近い高周波の増幅装置がある。あれを改修すれば、14.7ギガヘルツの大出力送信が可能になる。理論上は、福岡市全域をカバーできるかもしれん」


中村は地図を見つめた。


「博多港から福岡タワーまで、直線で約四キロ」


「うん」


「四キロ。ゾンビだらけの街の真ん中を、四キロ」


中村は目を閉じた。半年前、博多港まで二キロを走って三人を失った。四キロは、その倍だった。


「行くしかなかろう」


声を上げたのは、美咲だった。


全員が美咲を見た。


「送信を止めたら、また誰かが死んだ時に蘇る。鶴田さんが教えてくれたことを、無駄にしたくなか」


中村は美咲を見た。半年前、地下街の隅で膝を抱えていた少女の面影は、もうなかった。


「……遠征隊を出す」中村は言った。「少数精鋭。五人。足が速くて、判断ができる奴」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ