Interlude 36.5
本日2話投稿してます。この話の前に36話があります。
失敗した。あまりにも端的に伝えすぎた。作戦行動中ではなかったのだから、順を追って柔らかく伝えるべきだったのだ。
ティーナは可哀想なほど狼狽している。なんとかしないと、誤解している。
〈ティーナ、落ち着いて。カナン様は怒ったりなんかしていないわ。私の伝え方が悪かったの〉
(でも、でも、わたしとんでもないことしようとして、どうしよう。どうすれば良いの)
〈ティーナ、ひとつずつ片付けましょう。まずは今夜の約束を謝って断ることをしましょう〉
(でもわたし、マサトくんの連絡先を知らないから、そ、そうだ。彼は中央のホテルに)
駄目だ。彼女の思考はパニックを起こしている。
〈ティーナ!サリアを見なさい〉
あえて強く干渉する。
サリアが視覚に入る。こちらも青ざめている。それはそうなるか。狼狽するティーナなんか見たことないはず。
〈ティーナ、サリアにこう言いなさい。マサトくんに連絡とって。今夜の食事はキャンセルする。それだけでいいから口にして〉
ティーナはゆっくりと言葉を口にする。
『サリア……マサトくんに連絡とって。今夜の食事はキャンセルする』
サリアが即行動を始める。端末からマサトへの連絡を試している。
〈うん。ティーナ、これでカナン様の望みは達成された。だから焦らないでいいわ。あと今のあなたの心配は間違っている。私が悪かったの。ゆっくり説明するから、落ち着いて聞いてくれる?〉
(説明?説明って?私カナン様に説明しなきゃ!お願いオルフィア、私カナン様の御心に逆らうつもりなんかなかったの!伝えて!カナン様にごめんなさいって!)
ああ、私ってば本当に馬鹿なんだから。子供みたいに泣きじゃくるティーナ。やらかした代償は大きい。私こそカナン様に怒られる。たとえカナン様が赦してくださっても、監査庁は許してくれない。絶対に始末書だ。
過去の先輩方のやらかしは叩き込まれていたはずなのに。
ふぅ。小さくため息をつく。
とにかく今はティーナだ。彼女の心にひと欠片も傷なんか残すわけには行かない。悪いのは全て私だ。
ELC監査官としてではない。大切な友人を傷つけた、間抜けなオルフィアとして完遂しなきゃ。
よし、始めよう。
〈ごめんね、ティーナ。聞いてね。私が悪いの〉
ティーナが疲れないよう、ゆっくり干渉しよう。




