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重めの彼女とお話するだけ  作者: 夏野恵


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第60話 えー私もそんなに作りたくないんだけど

「なんで普通に成功しちゃってるわけ?」


完成した料理を見ながら、彼女は腕を組む。


「それはまあ、クッキングビギナーでもできる料理しか選んでないし」


それを忠実に従って作っただけだ。

簡単レシピというのは本当に簡単らしい。


「じゃあいただきます」

「どうぞどうぞ」


手を合わせたのち、メインの鶏肉の大根おろし乗せから箸をつける。


「まあ、普通に美味しいね」


彼女に倣って、自分も鶏肉から食べてみることにした。

さっぱりした味で、普通に美味しい。


「あんなわかりやすいフラグ立ててたのに、何事もなく成功するってどうなの?」

「え、料理に面白さ求める?」


「そうじゃないけど……」と何か言いたげな様子で、彼女はこちらを見てくる。


「だって失敗したらさ、食べられるもの無くなっちゃうじゃん」

「一応、カップラーメンとかも帰りに買ってきてたんだけどね」


最初から失敗する前提で彼女は動いていたらしい。

なんか複雑な気分なんだけど。


「でもまあ、君は料理ができるってことがわかってよかったよ」

「できるけど、するとは言ってないからね?」


何か別のニュアンスを感じたので、先回りして応える。


「いや、でも作れるわけだしさ……」


そう呟き、彼女はフリーズドライの味噌汁を飲む。


今後、料理を作らせられるのとか困るんだけど。


「ほら言うじゃん、料理できる彼氏はかっこいいって」

「うーん、初耳だね」


『料理できる男はモテる』みたいなのは聞いたことあるけど。


でも推定調理時間10分のものを『料理ができる』って言うのはどうなの?


「交代で作るとかならまだマシかな」

「えー私もそんなに作りたくないんだけど」


「めんどいし」と正直に応える彼女。


結局、どちらか料理をしたいときにすればいいということになった。


自分も彼女も、普通に妥協した。

だって料理するの大変だし。

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