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重めの彼女とお話するだけ  作者: 夏野恵


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第59話 君、めっちゃフラグ立ててない?

「ていうか、君は何を作るの?」

「メインは鶏肉の大根おろし乗せってヤツだね」


レシピを彼女に見せる。

推定調理時間は約10分。


料理ってそんな簡単にできるの?


久しぶりに彼女の部屋に来た。

やっぱり、自分の部屋と少し雰囲気が違う。


上手く表現できないけど、空気感がゆったりしている気がした。


「私が何かすることはある?」

「特にないかな」

「いや、せっかくだから何かするよ」


マジで、何かない? と彼女は聞いていた。


「できた料理を運ぶだけでいいよ」

「そんなの、手伝ったうちに入らないって」


こちらの目をまじまじと見つめて、彼女は口にする。


「じゃあ、後片付けの皿荒いもお願いしようかな」

「そんなの四捨五入したらゼロだって」

「……え、この状況で責められることある?」

「私、手伝うよって言ってるだけだよ?」


いや、どう考えても日ごろの怠慢を責められてるでしょ。


「冗談だって」と彼女は呟いてから続けた。


「しなくていいんだったら、今日は君に頼もうかな」


「できることがあったら教えて」と言って、彼女はソファに腰を下ろす。


「この程度の料理、自分ひとりで十分だからね」


片手で足りると言っても過言ではない。


「今の君、めっちゃフラグ立ててない?」

「まさかまさか」


推定調理時間10分でたった4工程の料理に、自分が失敗するとは思えない。

クッキングビギナーとして、完璧な初陣になることだろう。


そんなことを考えながら、調理の準備を始めた。


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