第56話 子どもと関わるのって、社交性関係なくない?
「やっぱ子どもってすごいんだねー」
「すごかったね」
2歳児って皆、あんなに元気なの?
はじめて妹と対面した。
自分の妹という実感は、そこまで湧かなかった。
知らない子どもを見てる気分っていうか。
「でも君、ちょっと懐かれてたじゃん」
「ほんとにちょっとだけだったけどね」
「だれ?」と聞かれて名前を伝えたら、自分の名前を呼んでくれたりした。
ちなみに、彼女は全く懐かれていなかった。
まあ彼女、子どもに好かれそうな雰囲気してないし。
溜め息を吐いてから、彼女は続ける。
「あーあ、私も少しくらい仲良くしたかったんだけど」
「仲良くしたいなんて、珍しく社交的だね」
「子どもと関わるのって、社交性関係なくない?」
でも子どもも人間だし。
社交性がないと難しいと思う。
飲み物に口を付けてから、さっきのことを思い出して口を開いた。
「個人的には、2歳児でも会話ができるってことに驚いたかな」
短い言葉ではあるけれど、ちゃんとコミュニケーションをとることはできていた。
自分もあれくらいの時期に、大人と会話ができていたのかな。
「あれも個人差があると思うけどね」
彼女によると、妹は少し早めに会話をすることができているみたいだ。
「やっぱ遺伝ってヤツじゃない?」
「何の遺伝?」
「コミュニケーション能力の高さ的な」
関係あるかな? と呟いて彼女は腕を組む。
「遺伝ってことはさ、君もあれくらい会話ができてたってわけだよね?」
「まあそうなるかな」
「じゃあ、君が子どものときの話を聞いて確かめてみよっか」
「……まあ、別に良いけど」
「ふーん」
「こういうの、君は嫌がると思った」と呟く彼女。
嫌ではあるけど、いつか話は来ると思ってたからね。
深呼吸をして、両親が戻るのを待った。




