第28話 いや、結婚の話ではなかったじゃん
「さっき重い彼女の特徴を調べてみたのね」
「うん」
ついにそこまで手を出したか。
自分の首を絞めるような行為だと思うけど。
「でも私、一つも当てはまってなかったわけ」
「・・・うん?」
「なに、うん? って」
「いや、別に・・・」
そうなんだね、と応えた。
一つも当てはまらないことある?
「その特徴、いくつか教えてよ」
もちろん、と言って彼女はスマホを操作する。
「まず1つ目の特徴、『彼氏が他の女の子と話をしていたら嫉妬する』」
これはまず当てはまってないよね? と確認された。
そう聞かれたら頷くしかない。
とりあえず今回は頷くことにした。
「2つ目、『常に彼氏のことを監視している』、これも当てはまってないと思うんだけど」
「監視って具体的にはどういう感じなの?」
「この記事で書かれているのは、返信が遅れたらすぐ電話してくるって感じ」
「それはないね」
かなり頻繁に長電話できないか聞くのは、監視のうちに入らないらしい。
あと、SNSでフォローしているアカウントについて「なんでこの人のことフォローしてるの?」と尋ねるのも入らないらしい。
とりあえず次だ。
「感情の起伏が激しい」
「激しいよね」
「いや、そんなことないでしょ」
じゃあ私のどこが感情の起伏が激しいか言ってみて、と彼女。
それそれ、まさにそれ。
でも正直、いきなり怒るというよりも長い間温めてから溜め息を吐いて話始めることの方が多い。
感情の起伏が激しい、という表現は当てはまっていないかも。
次の特徴を聞こう。
「次が4つ目かな?」
「だね」
「4つ目は『信じすぎる』」
「それはないね」
「いや、そんなことないでしょ」
おっと、これはトラップだったみたいだ。
否定するのが正解のヤツ。
こういうのが出てくると困る。
「でもさ、信じすぎるって感じじゃなくない?」
「ちゃんと信じてるって」
少なくとも今は、と呟く。
それが信じすぎてるわけじゃないってことでは?
「で、次が最後なんだけど・・・」
これは私も見てて重いなって思った、と呟いてから続ける。
「結婚の話をする」
「あれ、前にしなかった?」
子どもの話がどうこう、みたいな、と付け加える。
「いや、結婚の話ではなかったじゃん」
あれはノーカンだから、と彼女。
ともかく、すべての特徴に当てはまらない彼女は正真正銘重い彼女ではない、という結論を付けたようだ。
「じゃあなに、重い彼女じゃないってことは軽い彼女ってこと?」
「ものすごく引っ掛かる表現だね」
マジでやめて、と真顔で返された。




