第26話 私、君の鎖骨が大好きなんだけど
「今日のオフショル、めっちゃ似合ってるね」
「そう?」
ありがと、と応える彼女。
「こういう感じのが好きなんだ?」
「好きだね」
正直に応える。
「アレだもんね、ショート動画でもそう言う感じのに高評価してたもんね」
「そうだったっけ?」
一応ごまかした。
もうバレてるんだけど。
「その、君的にはどうなの?」
「似合ってるよ?」
「いや、そうじゃなくってさ」
なんていうのかな、彼氏的にはどうなのかなって、と呟いた。
「まあ高校生のときだったら、ちょっと不安になってたかも」
他の男に彼女の姿を見せたくない、的な。
「今は?」
「めっちゃ似合ってるね、しかないかな」
「感性退化した?」
むしろ成長したと思ってるんだけど。
「実際さ、オフショルって結構見られるのね」
「そうなんだ」
やっぱり露出が多いと視線が集まりやすいって言うか、と補足する。
「それを踏まえてどう?」
「どうって?」
「不安になったりする?」
「うーん・・・」
ちゃんと考えてみよう。
「まあちょっとくらいなるかな」
でも、自分がコーデに口出しするのはできないし、と付け加える。
「やっぱ高校生のころから感性退化してるね」
いってみれば鈍感みたいなものでしょ? と彼女。
「なに、不安になってほしい感じ?」
「別に?」
まあなったら面白いかも、くらいには思ってたけど、と呟いた。
彼女のコーデに対する彼氏のリアクションってエンタメなんだ。
「ていうか、どちらかと言えば君がオフショルしなよ」
「え、流石にきついって」
私、君の鎖骨が大好きなんだけど、と彼女。
「それは、周りから見られても構わないの?」
「普通にイヤ」
でも、それより鎖骨を見たい欲求の方が強いから、とはっきり言われた。
それは感性の退化に入らないの?




