第24話 ちょっと逆張りしたくなるっていうか
「最近読んだ漫画で面白かったヤツとかないの?」
何気なく尋ねられた。
彼女はときどき面白かった漫画を聞くことがある。
そこで何作品かおすすめして気になったヤツを読むという感じ。
「どういう作品が読みたい感じ?」
「んー気分的にはコメディかな」
最近ちゃんと笑ってないから、と付け加える。
でもさっき、角に小指をぶつけた姿を見てめっちゃ笑ってたよな。
あれは笑ったうちに入らないの?
「じゃあコレとかどう?」
おすすめしたのはそれなりに有名な作品。
ドラッグストアでバイトをする高校生ふたりの話だ。
「ドラッグストアっていうのがちょっと・・・」
そこでフィルターがかかるの?
彼女はドラッグストアでバイトをしていたらしい。
で、結構大変だったとか。
「でもドラッグストア特有の話とかほとんど出てこないよ?」
全くないわけではないけど。
「ほかの作品は?」
「うーん・・・」
自分の履歴からコメディタッチの作品を探す。
「四コマ漫画の学園系の作品はどう?」
これもかなり有名な作品。
何度も読み返している。
「それって高校?」
「うん」
「えー高校かぁ・・・」
高校ってだけでフィルターかかるの?
ていうか、さっきの作品も高校だったけど。
ドラッグストアの方がはじくかどうかの選択で先に来るらしい。
「大学が舞台のコメディ作品ならどう?」
「でも大学ってドラッグストアでアルバイトしてたからなぁ・・・」
やっぱり出てくるドラッグストア。
「そんな舞台設定に引っ張られることある?」
「少なくとも私は引っ張られるかな」
自分はどうだったかなって思い出すときにちょっと嫌な気持ちになるというか、と呟く。
「じゃあこれまではどうしてたの?」
「嫌な記憶を思い出しつつも面白いなって思ってた」
せっかくおすすめしてくれたわけだし、と補足する。
そんな複雑な気持ちで読んでたの?
なんかごめん。
「なら異世界系がいいんじゃない?」
「面白いのある?」
あるんだったら読もうかな、と彼女。
「コレとか最近話題だよ」
コメディとはちょっとずれるかもだけど、と言いながらスマホで見せる。
「あーそれ友達にもおすすめされたんだよね」
めっちゃ面白いから見て! と言われたとか。
「でも『最近話題』って宣伝文句を見ると、ちょっと逆張りしたくなるっていうか」
もう少し後になってから読もうって思うんだよね、と呟いた。
「じゃあ・・・?」
「後で読むかな」
他には? と再び尋ねられた。




