第2話 ご飯食べてるときにスマホ見るとかマジでないから
「え、なんで今スマホ見たの?」
「通知鳴ったから…」
実際、スマホを確認したのはほんの数秒。
「いま食事中だってわかってるよね?」
「…もちろん」
いつもそういうこと言わないんだけど。
なんか機嫌が悪そうだな。
「ちょっと確認するけど、この料理を作ったのは私だよね?」
「うん」
今日は珍しく料理を作ってくれた。
「これ作るのにまず1時間半かかったでしょ?」
「うん」
「で、献立とか考えたり、料理動画みたりする前段階で3時間かかってるわけ」
事前調査の方が調理時間より長いんだ。
「少なくとも4時間半は君のために色々してるんだよね」
買い物とかも含めたらもっとだよ、と付け加える。
「それで君は何かした?」
「したって言うか、これからしようっていうか…」
皿洗いぐらいはしようかなって思ってる。
「どうせ皿洗いくらいすれば、一緒に参加しました、みたいな顔するつもりじゃん」
「そこまでは思ってないけど」
罪滅ぼし的な気持ちではあった。
「それはまぁいいや」
なんか許してもらえた。
いや本当にさ、と言って彼女は続ける。
「食事中にスマホ見るのとかマジでないから」
『マジで』の箇所を強調して言った。
「外食したりお惣菜を買ってきたときにスマホ見る分にはまだいいよ?」
それはいいんだ。
「でも私が作った料理を食べてる最中にスマホを見るってどういう気持ちなわけ?」
そう言ってこちらを見てくる。
ヤバい、なんか言わないといけないヤツだぞコレ。
基本的に何を言っても怒られるんだけど。
「これから気を付けるから」
「今の話してるんだけど」
話逸らさないで?と言って腕を組む。
彼女の目、完全に狩人。
「ごめん、その時は何も考えてなかった」
「何も考えないことある?私が料理作ったのに?」
「通知が鳴った瞬間はたまたま何も考えてなかった、かな」
溜め息を吐いて彼女は続ける。
「私は何時間もかけて料理作ったのに、食べるちょっとの時間くらいは私のこと、ちゃんと考えて欲しいんだけど」
言い方はアレだけど、マジで正論すぎる。
「冷めないうちに食べて」と言われたので、僕は「ありがとうございます」と呟いてから食事を再開した。
特別なあなたへ。
ご覧いただきありがとうございます。
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これからもよろしくお願いします。
夏野恵




