第1話 私が重いんじゃなくって他の子が軽すぎるだけ
「私って別にそんな重い感じじゃないでしょ?」
「・・・まぁ、そうなんじゃない?」
これはアレだ。
否定したら長くなるヤツ。
「その間なに?」
「いや別に・・・」
「いやって言うかさ、本当のこと言って欲しいんだけど」
マジで怒らないから、と言ってこちらを見る。
「ちょっと重いかなとは思って、」
「え、私くらいが普通でしょ」
言い切る前に否定された。
やっぱり怒ってるじゃん。
「なんか誤解されやすいんだよね」
私って、と呟く。
「・・・そうなんだ」
とりあえず話を促す。
どうせ怒るんだったら、最小限に怒らせよう。
彼女と関わる中で得た知恵の1つだ。
「普通さ、人のこと好きになったら他の女の子に目移りして欲しくないでしょ?」
「・・・まぁ」
「でしょ?それを重いっていうのはちょっとナシっていうか・・・」
否定するのはちょっと違うよね?とこっちに確認してきた。
とりあえず頷く。
「元カノの名前ってだったっけ?」
「今、それ関係ある?」
「え、なんで話変えようとするの?」
関係あるから教えて?と聞かれた。
「とりあえず、なんで関係あるかだけ教えてくれない?」
「いや、まずは名前教えてよ」
なまえ、と繰り返し呟く
「あー、高山さんだったかな?」
「名前は?」
「めぐみ」
あーそうだった、と言ってスマホに何か入力しながら呟く。
「その子と私を比べて重い、みたいな話してない?」
「比べてるわけじゃないよ」
「じゃあ誰と比べてるの?」
「別に比べてなくって」
世間一般的に見たら重いんじゃないかなって思っただけで、と補足する。
これ、何の話してるんだっけ?
「じゃあ他の子は軽すぎるってことだね」
「え?」
「だってそうでしょ、君から見て私が重いってことは、世間一般の女の子たちは軽いってことでしょ?」
私に比べて、と付け足す。
「そうなのかも・・・」
「でしょ?てことは君のこと一番好きなのはどう頑張っても私にしかならないわけ」
言ってる意味わかるよね?と言ってこっちに視線を向けてきた。
少なくとも、今僕のことを一番好きなのは目の前の彼女だろう。
「だから私が重いんじゃないの」
私が普通で他の子が軽すぎるだけだから、と呟いた。
普通ってどういう意味だったっけ?
特別なあなたへ。
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夏野恵




