第18話 君が他の子を見るから、できるだけ外に出ないようにしてるってわけ
「ハンバーガー久しぶりに食べた」
「私も」
高校生の頃はもっと勢いよく食べることができてたんだけど。
まぁ、あの頃は部活帰りだったし、そんなものだよね。
さっきから言おうと思ってたんだけどさ、と言って彼女は続ける。
「なんで向こうばっか見てるわけ?」
僕の視線の先にいるのは女子高校生のグループ。
「ずっと女子高生たち見てるじゃん」
私、ここにいるんだけど、と付け加える。
「なんとなくだよ」
「なんとなくで視線がそっちに向くことある?」
君の目にマグネットでもついてるの? と尋ねられた。
「ほら言うじゃん、狩りをしていた時代から男性は動きに反応しやすいって」
「あの子たち、そんなに動いてないけど」
ポニーテールは揺らしてるけどね。
ポニーに視線を奪われるってことは、やっぱり狩猟採集民族?
「でもさ、制服を着てる人が電車とかにいたら、ちょっと視線がそっちにいかない?」
「いかないけど」
はっきり否定されてしまった。
「よく言うんだよね、デートしてるときに彼氏が別の女の子見てると、彼女はイヤな気持ちになるって」
今まさにそういう気分、と呟く。
「それはごめん」
「何にたいして謝ってるわけ?」
「自分が狩猟採集民族だったことに対して、かな」
謝る気ゼロじゃん、と彼女。
溜め息をついてから、彼女は続ける。
「実際、これがあるから外に出かけること少ないんだからね?」
これまで言ってなかったけど、と付け加える。
「どういうこと?」
「君が他の子を見るから、できるだけ外に出ないようにしてるってわけ」
いつのまにか監禁されてた?
「まぁ、家の中で過ごすのも悪くないし」
「それ言うと思った」
何を言っても開き直るから、言う意味ないんだよね、と彼女。
「え、じゃあ目隠しして外に出た方が良い?」
「隣にいる私がヤバい人に見られちゃうじゃん」
それは無理、と応える。
「それならどうしようもないね」
「いや、私だけ見るようにしてれば何とかなるでしょ」
自分で言ってて恥ずかしい、と言って彼女は飲み物に口を付けた。




