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第14話 じゃあ、あのカーディガンって誰の?

「君さ、あんまり洋服とか買わないって言ってなかったっけ?」

「言ったね」


少し前にそんな話をした記憶がある。


「最近、洋服買った?」

「どうして?」


とりあえず、私の質問に答えてくれない? と言って腕を組む。


「最近は洋服買ってないね」


少なくとも3か月は買ってないかも、と付け加える。


「じゃあ、あのカーディガンって誰の?」


そういって彼女はソファに置いてあるカーディガンを指さした。


「…ちょっと待ってね?」


スマホを確認する。


「多分、友達が家に来た時に置いていっちゃったヤツかも」

「男友達?」


そうだよ、と頷く。

昨日友達が家に来たからその時に忘れたのでは?


「でもこのカーディガン、画像検索したらレディースって出てきたんだけど」

「…マジ?」


彼女のスマホを見る。


確かに、目の前にあるカーディガンと酷似した洋服にはわかりやすく『レディース』と表記されていた。


「いや、これマジで男友達のヤツだから」

「誰?」


彼の名前を伝える。


「あー、たまに話に出てくる人ね」

「そうそう」


本当に違うから、と繰り返し否定した。


「じゃあその人に電話して確認してくれない?」

「もちろん」


彼に電話した。


…電話に出ない。

いつもすぐに返してくれるのに今日に限って電話に出ないんだけど。


「…電話、出ないですね」

「ふーん」


彼女の機嫌がどんどん悪くなっているような気がする。


「スマホ置いて、一旦こっちに来てくれる?」


カーディガンは机の上に置いて、彼女はソファに手招きした。

ソファに座る。


「本当にアレ、女の子のじゃないんだよね?」

「友達のです」

「ちゃんと目を見て答えてくれない?」


彼女の目、マジで怖いんだけど。


「男友達、で合ってる?」

「…合ってます」


目を見ながら何度も頷いた。

そっか、と彼女は呟いた。


「…まぁカーディガンってレディースとメンズあるけど、そんなはっきりした境界って他の洋服と違ってないし」


別に君の友達がレディースのカーディガンを着てるからってそこまで違和感はないんだけど、と付け加える。


そうなんだ。

めっちゃ焦った。


「少なくとも、君がそう言うんならそうなんだろうね」


だって君さ、と言って続ける直前、通知音が鳴る。


「あ、やっぱり友達が忘れてたって!」


彼女にスマホを見せる。

『カーディガン忘れたから、今度持ってきて』という内容だった。


はぁ、と彼女が息を吐いてから続ける。


「…良くも悪くもって感じだね」

「何が?」

「君が」


ちらっとこっちを見てから、彼女はもう一度溜め息を吐いた。

特別なあなたへ。

ご覧いただきありがとうございます。

リアクションや感想、本当に嬉しいです。

これからもよろしくお願いします。


夏野恵

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