第13話 彼氏の裏垢見つけたときの彼女ってヤバいからね
「これってさ、君の裏垢じゃない?」
そういって彼女はSNSを見せてくる。
「まぁ裏っていうか、いつも使ってるアカウントとは分けてるって感じかな」
よく見つけたね、と応える。
「そもそも君って他の人をそこまでフォローしてないじゃん」
「しないね」
深い理由はないんだけど。
「それで生年月日が同じアカウントをフォローしてるんだったら、君の裏垢なんじゃないかって考えると思うけど」
非公開でもプロフィールは結構見れるらしい。
それは盲点だった。
とはいっても正直、裏垢の割にはそこまで裏ではない。
動画投稿者に感想を書くのが8割で、残り2割は雑談程度。
だから彼女にバレてもほとんどダメージはなかった。
「そういうのさ、私にもちゃんと言って欲しいんだけど」
「SNSでアカウント作るたびに報告するの?」
「そもそもそんな頻繁にアカウントを作ることってなくない?」
作ったときは教えて、と言われた。
流石に彼女に『裏垢作った!』とは言いにくい。
「とりあえずさ、私のアカウントも承認してくれない?」
今から送るから、と言って彼女はスマホを操作した。
「ごめん、あのアカウント、基本的にパソコンで操作してるから今は無理かも」
「今のアカウントをログアウトして入り直せばいいじゃん」
「パスワードのオートフィルで入ってる感じだから・・・」
自分のパスワード、正確に覚えてないんだよね、と応える。
「ネットリテラシーとか大丈夫?」
最近、サイバー犯罪とか結構聞くけど、と補足する。
「大丈夫、いざというときは現代技術が守ってくれるから」
「その現代技術が危ないんだって・・・」
ちゃんと自分で管理したほうが良いよ、と助言された。
「彼氏の裏垢見つけたときの彼女ってヤバいからね」
投稿内容もそうだけど、誰と相互になってるかとかめっちゃ細かく確認するから、と付け加える。
そこまで言われるとちょっと怖い。
あのアカウント、変な人と相互になってないよね?
「裏垢きっかけで別れる人とかもいるから、マジで気を付けた方が良いよ」
彼女に裏垢について諭される日が来るとは思わなかった。
とりあえず、わかったと言って頷いた。
特別なあなたへ。
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これからもよろしくお願いします。
夏野恵




