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教育者×フライパンスキルで、ゆるっと領地再生します!?  作者: 宙子
行商の道を拓く

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スペシャル作戦(?)

 

 予行演習の通り、全員で集まった。


 私とカタリーナさんがそれぞれにフライパン・よく磨かれていて赤みのある木製の杖。

 そしてリオネルさまの利き手らしい、白い手袋をした左手にしっかりと握られた杖を、重ね合わせる。


 リオネル様の杖を初めてみた。グレーがかった木製のようで、若干のうねり。

 持ち手は格子状に深緑色の本革で編み上げられ、重厚さを感じる。



 すぐに、共鳴なのか砂粒のようなきらめきと、心地いいかすかな響きが周囲に広がった。



「……それでは皆さま、どうぞこちらへ」


 カタリーナさんが促すと、他のメンバーが集まってきて、手にした武器や手を差し出し、重ねていく。円陣を組んでゆく感じだ。



 身体が温かくなり、恐怖心の代わりに勇気が湧いてくる。

 それに……この感覚。リオネル様の力なのだろうか。

 優しくて、温かい。大切なものを守る強い意思、大いなる力をはっきりと感じた。


 王都から派遣されてきた白装束の方たちや、ほとんどのメンバーが目を丸くし静かな驚きをあらわしている。この感覚、皆も感じているんだ。



「改めてになりますが、新月の現象はスキルの力を高めます。ケーコさんの浄化とカタリーナさんの強化。私の光の力が皆さんの武器に宿り、いつも以上に力をだせるはずです」


 リオネル様の言葉。集まった全員の目に炎の揺らめきを見た。


「……ただし、力の制御は難しくなりますよ。ムリせず、引き際も見定めてください。何より大きなケガなく無事に帰ることが、一番大事です。もちろん全員で」


 マレオンさんや元Tさん達、それにドワーフさん達がうおー!みたいな声をあげたので、私も合わせてお、おー、と言っておいた。片手を軽く上にあげてグッ、しながら。


「ケーコ……フライパンの色が、前と違うね」


 リオネル様に聞かれた。そう、今日のフライパンは、銀色に輝いている。


「ええ、フライパンをいくつか重ねあわせてみたんです。火の魔法で熱を加えながら。ですので少し、強くなっているはずです」

「なるほど!そんなことができるんだ、それはいい」


 ()()()()()()()を知っているアイリーは、少し離れたところからニカッと笑いかけてくる。



「よーっし、やるか!」


 アイリーさんとドワーフさんが、同じ方向へと走り出した。

 ……楽しそう。だけどあれって多分、さっきの的あてのテンションだ。ケガしないといいけど!


 勢いで向かっていった2人はさておき、リオネル王子がそれぞれに、立ち位置の采配をしてくれている。



「ケーコは、メルさんやドワーフさんと一緒に、北の方角を担当してください」


「ザリウスさんは、アイリーさん達にご同行願います」


 なるほど、数名が組むことで対応しやすさがグッとあがる気がする。



 上空に白くて丸い光が浮かび、辺りを照らしだす。

 王都から派遣された男性の魔法使いが杖を掲げていた。おかげで、暗闇で戦わずに済む。




 円に踏み入った魔物から、順に相手していく。


 スキルを発動する掛け声が、あちらこちらであがる。


「アイアン・スプラッシュ」


 ひときわ大きいスライム状の魔物の下部を狙い、私は銀色のフライパンを振るった。

 ぐにゃりと変形した魔物。あれ、全力でいったんだけどまだまだ元気そう。


「ルーメン・ソード!」


 次の瞬間、光る刃が飛んできて、スライムが霧散した。

 やや離れた中央付近から、急所をつく的確な軌道だった。


 リオネル様だ。あの様子だと、実戦経験もかなりのものって感じが……。



 巨大な蛾のような魔物と戦うアイリーに気づいた。

 小刀は何本か命中しているけど、落下せず飛行している。


 私はサポートしようと火の魔法を放った。


 矢のような炎が、魔物の翅の付け根をかすめ、落ちてきた魔物を待ち構えていたドワーフさんが斧を振り下ろす。


「ちょ……オイシイとこ持ってくなぁ?」

「ハッハッハ」


 アイリーは高らかに笑うドワーフさんに対して顔をしかめたけれど、私のほうに向き直り


「助かったー!またヨロシク」


 と言ってきて、嬉しくなった。




 おっと、カタリーナさんはどこかな?


「ナガメさん!1体そちらへ行きました」


 探す間もなく、カタリーナさんから声がかかった。


「はい、任せてくださーい」



 今度はとびきり大きながまカエルみたいなヤツだ。威嚇するような鳴き声。

 申し訳ないなという気がしながら、私はフライパンを振るった。



「……むう、キリがないな。数が多い」


 マレオンさんが言う。前衛的なポジションをつとめてくれていて、腕などに傷がつき血が流れている。それに、だいぶ息が切れている感じがする。


「マレオン様、こちらを……」


 セラフィさんが、ポーションの瓶をマレオンさんに使った。

 ミルヴァンさんの特製だけあって、傷の治りが早い。マレオンさんの表情に元の調子が戻ってきた感じがする。 



 でも、辺りを見回した私は、さらにマズそうなことに気づいた。



 ___黒い影が、円の中に侵入してきている。続々と。

 どの影もフラフラしていて、おぼつかない足取り。

 ゆらゆらとした輪郭で、よく見ると人の形にも見える。


 あの気配、魔物とは違うような……!?でも、私の気のせい?

 

 すでにいち早く気づいて偵察中のメルさんや、フェルナの様子からも何かおかしいことが伝わってきた。



「カタリーナさん!ちょっと聞いてもらえますか」

「はい、何でしょうか」


 少し説明すると、カタリーナさんはすぐに察知してくれた。



「鑑定できる方を、呼んでまいりますね!」



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