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教育者×フライパンスキルで、ゆるっと領地再生します!?  作者: 宙子
王都にて

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後日談

 

 現王妃マルグリッドについては、後日談がある。


「あー、ウワサはウワサでしかなかったみたいよ?」


 とアイリー。今度は城下町の旅芸人の舞台から、新情報を仕入れてきたみたい。


 旅芸人は、足や人脈を使い、得た情報を演目に反映させるという。

 ……とはいえ怪しい情報だけど、ないよりはいい。


 結論、いじめのように見えていたのは、義母としてリオネル王子や国の将来のことを心配するがゆえの言動、というだけだった。


 家柄は高貴ながら、容姿以外が凡庸なマルグリッド王妃。魔力をほとんど持ち合わせていないことだけでも、彼女にとっては相当なコンプレックスだった。


 文字通りの超天才だけれど、第一王子としては不可解な行動が多すぎるリオネル様を1ミリも理解できず、じつはストレスMAX!!の日々をお過ごしだった。


 それが原因でも、行き過ぎた言動があったのは事実だけれど。

 

 どうも私たちが知り得なかった、けっこうヘビーないきさつがあるようだ。


 ◇当時4歳の弟リオン王子から、お兄様がいま読んでる本(※闇の魔術に関する禁書オブ禁書)を読んでほしい!とせがまれ、言うとおりにした。

 (※幸い、難しすぎて弟王子には意味がまるで分からなかった。しかし当面の間、2人だけにしないよう監視が付いた)

 

 ◇暖炉に火を入れた召使を王宮から追い出したことがあり、しかもうっすら目が赤く光っていた。

(温かいお茶を給仕する者がいなかったのは、これが原因かも……)

 

 ◇漆黒の鳥が何羽も王子を取り囲み、意思の疎通(?)をしていることがわりとある。

 (もはや暗黙の了解で、今や誰も近づかない。近づくとしたら、国王くらい)

  ……などなど。


「う、うーん……なるほどなあ」


 ……何だか、マルグリッド王妃が少し気の毒にすら思えてくる。

 私の考えすぎだといいけど、このぶんでは北の洞窟での『アイリー乗っ取り騒動』にも、リオネル王子様が関係していたりするかも?


 ただ、王様がさすがに王妃とリオネル様の現状を案じ、それぞれと話をする機会を設けたらしい。

 (セラフィさんから聞いた話)



 リオネル王子は、王妃についてこう言ったそうだ。


「気持ちは、分かっているのです。僕はまあ好きですよ、卒直な言い方をする女性。分かりやすいですから。それに、何かと世話を焼いてくださいますよね。……性質が違うので、接点は少ないですけど。


 何より僕は16年間、十分に育てていただきました。

 父上が誰を想い、側におくのかは自由ですし、尊重します」


 言い方はわりと他人行儀だけど、マルグリッド王妃や第2王子に対しての敵対心など、はじめからここに至るまで、ゼロなのだった。


 ああ見えて無敵キャラのリオネル王子、器のほうも大きかったってところかな。

 人は見かけによらないっていうけど、今回は学んだかも。


 _____________


 お屋敷への帰路につく飛行艇の上で、風をいっぱいに受けながらアイリーが言う。


「将来、リオネル様がどんな王になるか、今から楽しみじゃないか?」

「うん、そうだね……肖像画が見たいかな」

「それは気が早すぎ!」

「確かに。それにしても、リオネル王子様ってようは……引きこもりぎみだったってことだよね」

「ヒキコモ……また知らない言葉出してきたな!」


 アイリーが私の脇腹を小突く。ウッ、けっこう痛い!


「ゴメンゴメン、うっかりしてた」

「もう慣れた。ところで、第2王子のレオンさまもアタシは好きかも」

「ふーん。体術に、長けていらっしゃるみたいよ」

「へぇ、爽やかでかっこいいじゃん!」


 ナガメ達を乗せた飛空艇を、塔の上からリオネル王子が見ている。


「光と、王位を継ぐ者としての目的を思い出させてくれて感謝する。パンドゥール領の者たち……!

 とくに、ケーコ・ナガメ。発展途上ではあるが、美しい浄化の炎と可能性に満ちたアイアンスキルを所持する人。

 実力のほどは量らせてもらった。また、いずれ会おう」


 王子は微笑んでいるが、その目は、かすかに赤い光をたたえていた。


 ___________

 

 数日後、手紙が届いた。


 リッドさんが少し慌てた様子で手渡してくれた。

 誰からかと思えば、リオネル王子様からだ。


 国王様や王妃様、義弟との関係が良くなった、とか目標にしたいことなど、嬉しくなるようなことが書いてある。この世界には、筆マメな人が多いのかも知れない。


 ただ、手紙を届けてくれたのは、(とび)みたいに少しボロッとした姿の、大きな漆黒の鳥だった。


 見に行ったら、鳴き声もガーガー!ギャ、ギャーギャー!

 ……とにかくうるさくって、ブキミ。


 色々と用意したのに、干した魔物肉や血のソーセージにしか反応しなかったし……偏食……。漆黒は闇魔法をイメージしちゃうけど、それも王子の一部というか、持ち味だもんね。


『はは、あの炎には参ったよ。でも、僕だってこうしてケーコを驚かせたぞ』


 リオネル様が、笑っている気がする。


 光と漆黒をまとい、ひたすら前へ進もうとするリオネル様。

 いずれは、王になるお姿……。あれ?私の想像力が足りてないから?

 いまいちイメージできないんだけど……!


 私は新作料理を作ろうと、厨房へ足を向ける。

 まだまだ足りない定番メニュー、メイドさん達を笑顔にさせるようなスイーツ、そして携帯食……地味に、山積みなのだった。



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