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教育者×フライパンスキルで、ゆるっと領地再生します!?  作者: 宙子
研鑽

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晩秋~冬の風景



お屋敷に戻ってこられたの、久々な気がする。

やっぱホームって落ち着く~!


……取りあえず、真っ先にシャワーを浴びて泥を落とした。


「最近、冒険してばっかだったし、たまにはらしさを思い出そう!」


とアイリーが言い出す。いいアイデア。


この間、街でのお買い物で見繕みつくろっていたナイトウェアを引っ張り出す。

厨房からお菓子やジャーキーを調達してきて、ベッドでおしゃべりをした。

ハートや星形のジャムクッキーが、幸せな気分を演出してくれる。



そこへ訪ねてきたのは2人のメイドさんだ。

先日、フェルナにジャーキーをあげて、嬉しそうにしていた子たちだっけ。


「どした?」


「湿地帯で、魔物を倒してこられたんですよね。お疲れさまです。

私たち、装備品の修理がないか、確認するようリネンさんに言われました」


「お、いいの?」

「もちろんです、お見せいただけますか?」


装備品の汚れや破損が想像以上だったのか、メイドさん2人はだいぶ引きながら確認していた。


ちなみに私のマントは、もうこれ以上破れるところなくない?というほどで、マントというよりはボロきれ状態だったので、処分済み。靴……も、もうパッと見ダメかもしれないと思ったけど一応は洗って干している。


「では、お預かりしますね」

「ありがとう、皆で分けて。リネンさんにはナイショ!」

「ええ~っ!こんなに……いいんでしょうか」

「もちろん」


銀貨を20枚と、おやつを渡した。

衣装の修繕は、元いた世界でも相当な手間と時間を要する大変な作業だ。

これでも少なめのハズ。


仕上がりを見せてもらって、また追加で渡そうと思ってる。


アイリーも、ひと抱えありそうな顔はしてたけど、銀貨を10枚以上は差し出していた。


修繕しゅうぜんの手間と、費用が浮いた!ただ、冒険はしばらくお預けになりそう。願ったりだけど。


 _____________


この世界のキノコは、ぴょこぴょこと動く種類や身の丈以上に大きいものもある。サイズやレア度を大人げなく競うキノコ狩り。スケッチブックとお弁当持参の山歩き、ついでの魔物パトロール。そして、新メニューの開発。


だいぶ寒くなってきたので部屋の模様替もようがえをしていたら、雪までチラついている。

窓辺で見ていると、大きな結晶が綺麗だけど。


「はぁぁー、見て、息が白いよ~、思ってたより寒いね……!」


「今年の寒さは格別かくべつかもな」


暖炉のそばでも冷気を感じるので、厚手の靴下や大きなひざ掛けが手放せない。


メイドさんに教えてもらった、毛糸やフェルト、ガラスビーズで飾った派手なセーターを自慢したら、アイリーが腹を抱えて笑い『今まで見た中で1番ひどい出来』とからかわれた。


近いうち、ほぼ同じ出来のマフラーをアイリーにプレゼントしようと用意してるんだけど……。このままだと確実に、笑いの種にされる。



夏場は暑すぎて人気のないスープの調理、そして石窯の火の番が超人気だ。


ギルド登録以来、厨房にいられないことが増えたので、忘れられないようにと点数稼ぎのため、なるべく洗い物に入る。


冬場の洗い物ほど人気のない作業はないかも。


新作メニューは、バラエティキノコ+チーズ鍋。

色とりどりで見た目も綺麗だし、アンガーボアの出汁とよく合う。


ただ……毒のあるキノコも紛れ込んでいて、鑑定してからしか食べられない。

たしか、7回くらいは作ったけれど、3回はダメ判定されお預けに。


毒性の判定には、かなりのスキルを要するみたい。


はじめ、試作を厨房で食べようとした時は、知らせを受けたらしいリッドさんが顔面蒼白(そうはく)で飛び込んできた。


鑑定の結果はアウトもアウト。……彼は、私たちの命の恩人になった。

しばらーくの間、彼はそれまでより5割増しの尊敬を集め、『お母さん』的な眼差しで見られていた。


 ____________



なぜ!なぜこうも、厨房が気になって仕方ないのか。


あの人たち、また。性懲しょうこりもなく、キノコという憎々しいヤツを大量に取ってきやがったと報告があったのよ。


実際、見てたし。ネタはあがっているんだからね?


ほーら、赤髪ショートのアイリーって子、袋からデカいのだしちゃって!

勘だけどね?色と、見た目からして?あーれはアカンやつよ。


くッ……。疲れたわ。何度目?どうしてアタシが……。

いいえ、アタシが何とかするしかないでしょ!(他にいないんだから!)


はぁ……あの人たち、疑うってことをまるで知りやがらないわ。

治癒魔法があるから大丈夫とか?ぬかしていたけれどね。


ゴメン間違えたー、で済むならケーサツいらないのよ!

だいたいこの世には、未病って言葉があるの。ぁ、病気じゃなく、事故……?


どうだっていいわ!もう……もうったらもう!



「来年はさぁ、フリクトンが森の奥地に連れてってくれるって。

もっとスッッッゴいのいれてやろうぜ!」


……は?幻聴?何だか、目の前がサーッと暗く……。


フリクトン。森の狩人。マジメ腐った顔だから信用しすぎていたわ。マジで余計なことを!!


フッ、幸い、来年まではまだ時間があるわね。少々、釘をさしておく必要がありそうだわ……。


はぁ……。もたないわ、ちょっとだけお休みしましょ。熱々のダージリン、いれましょうね。


ナゾの心の声は、その場を後にしようとしたが……。


「リッド」

「カ、カカカカカイ様!」

「……大丈夫か?キャパオーバーって顔してるけど」

「もももちろんでございます」


「やっぱり、変だ」



厨房メンバーにも、気づかれたようだ。


「あれぇ、リッドさんだー」

「ちょうどいいところに!新入りキノコの鑑定、お願いしたいです~」

「ふ、もちろんですわ」

「!?(なんか言葉おかしくない?聞き間違い?)」



度重なるストレスや行き過ぎた労働は、高潔な人をもちょっとおかしなキャラに変えてしまうことが、あるとかないとか。


そんなこんなで、冬は過ぎた。



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