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教育者×フライパンスキルで、ゆるっと領地再生します!?  作者: 宙子
招かれざる客 - 光と影 -

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21/65

襲い来る魔人、共闘

煮えたかな~?って、屋敷が何者かに襲われてる?!

食べてる場合じゃない。

 

 夕刻。何やら、屋敷が騒がしい。

 _____イヤな予感がする。

 騒ぎがどこで起きているか、確かめようと私は屋敷内を駆け足で見て回った。


 原因はすぐに分かった。広間に、小規模だけど人だかりができている。


 カイ様が、戦っているのだ。その相手は__魔物?

 角のようなものが2本、頭にあり、目が赤く光っている。


 しかも2体。1体は長身で、180㎝を超えているだろう。もう1体は、小柄だけどスピードが速い。

 どちらもコウモリのような黒っぽい大きな羽を持っていて、全身黒いオーラ。さらに、仮面をつけていて、だいぶ不気味だ。


 カイ様の、細身の剣攻撃をかわすのに広間の柱に飛び上がって、ベッタリと取り付く。

 かと思えば、攻撃を仕掛けようと滑空(かっくう)をしている。


 カイ様は氷魔法と雷魔法を使い分け、攻撃している。

 魔法を使うところも、闘うところも初めて目にする。緊張が伝わってきて、頬を汗が流れた。


 私のイメージだと、魔法は発動の時に何か(とな)えると思ってたけど、すごく()()()()()だ。

 よくみると、短く何かつぶやいている。いつものような温和な空気感がまるでない。それだけ、真剣なのだろう。


挿絵(By みてみん)


 しかし、大柄の魔物は飛びぬけて戦い慣れているようだ。長い槍状の武器でほとんどの魔法を弾いている。カイ様が押され気味にも見える。


「ヒャー ハッハハァ!」


 何か、腹立つ笑い声。黒槍の魔人は、完全に遊んでいる。


 ……そうだ、今日は確か執事長とリッドさんが街へでていて不在だ。魔法が使えるというリネンさんは多分、メイドたちを安全な部屋に避難させるのに手一杯なのだろう。


 この状況、思う以上にマズそう。


 でも、実戦の経験がない私が出て行って、役に立てる?かえってジャマにならないか不安。


「どした??」


 ちょっとのん気な声が、背後から。アイリーだ。人ごみの後ろからひょい、と顔を出して確認した。


「はぁ?どうなってるんだ?まま、魔人?」

「魔人か!……ね、どうしたらいいと思う?」


 と、私が言った時だった。


「アイアーーーン・エッージ!」


 野太(のぶと)い声が響き渡ると同時に、銀色の刃のようなものとボリュームのある身体が宙を舞った。


 ルーヴァンさんだ。いつもの様子、豊満な身体からは想像もつかない素早さで、一気に間合いを詰める。

 その勢いで、小柄な魔人に向かって大きな包丁を振りまわした。ただ、素早くかわされ、かすり傷をつけることもできない。


「目的はいったいなんだ!白状しなさぁーい!」


 次第に息が上がりながらも、圧をかけていく。

 こんなときも圧をかけるスタイルは健在(けんざい)だ。


 それに引き換え、魔人達には余裕が見られる。ルーヴァンさんの問いかけに応える様子もない。


 と、そこでアイリー乱入。あいさつ代わりに、小刀を投げた。

 しかも、連投。初めて見るワザだ。あたりはしないけど、かすめさせている。


 さっきから、軽く準備運動みたいなことをしてたから、行きそうだとは思っていた。


 唐突(とうとつ)に、ルーヴァンさんがバテた。日頃が運動不足……食べ過……いやいや、あれだけ激しい運動をしたのだから、当然だ。


 小柄な魔人が、その(すき)につけこみ、滑空からの、吹き飛ばしを仕掛けてきた!


「ぐううっっ!!」


 苦しそうなうめき声。ルーヴァンさんが、壁に勢いよく吹き飛び、身体を強打した。さらに続けて__


「ダァーク・ピン」


 こざかしい呪文とともに、黒いオーラをまとった無数の何かが、ルーヴァンさんめがけて放たれる。


 ……?効いてないっぽい。と思ったら、ルーヴァンさんの周囲をグレーの障壁(しょうへき)のようなものが(おお)っていた。


「アッシュ・ドーム」


 灰色のローブにマスク。ザリウスさんだ!彼の足元には、フェルナもいる。


「ヴァンッ!!ウウ~~~」


 小さな体で、懸命(けんめい)()えている。……こんな時だけどちょっと可愛い。



 そこで、ザリウスさんは意外にも、魔人を()()()()()


「フッ……。いまのは闇魔法?つねられた程度の威力だ。俺の結界に(あたい)しないなあ!」


 結界を張った術者には、そんなことも分かるらしい。


(あぁ~、ピンって聞いて、洗濯物に使うピンチを連想しちゃったんだよね)


 しかも、ザリウスさんは詠唱が腹話術(ふくわじゅつ)みたいに『ちょっと、遅い』

 わざとやっているのか分からないけど。あれって、やられるほうにとっては地味にイヤなやつ……。ザリウスさん、味方でホントによかった。


「……ッ!ダァク!ギフォォッ!」


 よほど悔しかったようだ。魔人がすごい形相で再び、仕掛けてくる。あたりにギフォの濃い版みたいなものが立ち込める。

 倒れこんでいるルーヴァンさんが、


「エッーホ、エッホエホ!」


 とちょっとむせだした。むせかたちょっと可愛いっていう。



「アッシュ・スラッシュ」


 ザリウスさんが唱え終わる前に、あっさりとギフォは払われた。


「ふーん、なんだこれは?ちょっと湿っぽかったけど」


 またしても(あお)るザリウスさん。

 魔人の顔がめちゃくちゃ悔しそうにゆがんだ。



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