第9話 描く未来
画家の家の前
男1「家は、ここかな?」
ガチャ…
女1「あっ、こっちです」
女の人が扉を開けながら声をかけた
男1「今、行きます」
女1「あそこです」
指さす所には苦しそうにする男がいた
男1「大丈夫ですか?」
男9「頭痛がすごいんだ」
男1「それはいつからですか?」
女1「1週間前からみたいです」
男1「少しの間動かないで下さいね」
男の人は色々と作業し始めた
男9「これは治るのか?」
男1「う~ん……」
まだ分からないと言わんばかりに作業を黙々と進める
男1「……これは極度の疲労からの物ですね」
男1「でもこのまま安静にしていれば大丈夫ですよ」
男9「疲労だったのか……」
男1「夜はしっかり寝ていますか?」
男9「寝てるつもりだけど……」
男1「けど?」
男1「何かあるのですか?」
男9「夜に絵を描いているみたいなんだ」
男1「どういう事ですか?」
女1「私にはよく分からないですけど……」
女1「未来を描けるとか言うんですよ」
男1「未来?」
謎の部屋1
男2「んっ、んんっ、ここは?」
男7「やっと起きたか」
男2「僕に何をしているんだ」
大学生の頭に何かの装置が付いている
体も拘束されているようだ
男7「君の脳がどうなっているのかを調べているんだよ」
男2「それが終わったら僕をどうするつもりなんだ」
男7「君を解放するよ」
男2「ここから出たら、必ずあなたを見つけて捕まえてみせる」
男7「それはどうかな」
男7「やれ」
男8「了解」
男が大学生に近付いて何かをし始めた
男2「何をするんだ……」
男2「うぅ、あぁ、うあぁぁぁぁぁ!!!」
叫び声だけが部屋中に響きわたる
画家の家1
男1「そうなのですか……」
女1「でもそんなことがあるはずが無いですよね?」
男1「少し絵を見ても良いですか?」
男9「どうぞ」
女1「あっ、信じるのね」
小さな声で呟いた
男1「この絵は……男の子がかばんを持った男の足を蹴っているみたいだ」
男1「こっちは……女の子が男を突き飛ばしている」
男1「これ全部寝ている間に描いたっていう絵ですか?」
女1「そうみたいです」
男1「こんな上手な絵、描いた記憶がないなんて……」
男9「褒めてもらって嬉しいけど、どれも全く記憶に覚えが無いんだ」
女1「記憶……無い……」
何か引っ掛かったように呟いた
男1「どうしました?」
女1「いや、何でも無いです」
男1「そうですか」
不安げに言う
男1「ちなみにあのノートは何ですか?」
男9「それは漫画の下書きに使ったりするノートだ」
男9「後半はほとんど記憶に無い物ばかりだけどね」
男1「これも見ても良いですか?」
男9「どうぞ」
男は興味深そうにノートのページをめくる
男1「そんなまさか……」
男1「これは……」
男はそのノートに描かれてあった絵に驚いた
次回予告
学生は無事に帰れるのか?
画家のノートの絵には何が描いてあったのか?
第10話 命懸けの挑戦