第10話 命懸けの挑戦
会社2
兄「脱獄者が脱走したから……」
兄「刑務所の警備の強化に協力してくれ?」
兄「……分かったよ、こっちで色々と頼んでみるよ」
男1「見てほしい物があるのだけど、今良い?」
兄「見ての通り忙しいんだぞ」
男1「話だけでも良いから聞いてよ」
男1「実は未来が描けるという人に会ってきたんだ」
兄「今度は未来が描ける男か」
ため息をつきながら呆れた様子で男を見る
男1「この絵を見てよ」
男1「僕が空を飛んでいるんだよ!」
男1「だから僕は空を飛べるんだよ」
兄「そうか、それは良かったな」
棒読みで言った
男1「兄さん、真面目に聞いてよ」
兄「いいか!空なんか飛べないんだよ!」
兄「妄想ばっかりしてないで医学の勉強したらどうだ」
男1「分かったよ、もういいよ」
男は早歩きで帰っていった
会社1
男4「う~んんんんんんんんんんんん……」
カチッ
針が1秒戻った
男4「また出来た!」
男4「ヤッタうぅぅぅ」
親友が口を抑えた
男5「また大声を出すところだったぞ」
男4「ありがとう……」
男4「ねぇ、また時を1秒戻せたんだよ」
男5「そうか、俺なんていつも1秒以上長く感じるよ」
そう言うと歩き出そうとした
男4「ねぇ、ねぇってば、人の話をちゃんとに聞いてよ」
男5「もう行くよ、じゃあね」
男4「僕の親友は分からずやだな」
男4「まぁ、聞こえてないよね」
男5「聞こえてるよ」
遠くからそう言った
男4「あっ、聞こえたんだ」
ビルの下
ガチャ…
兄「もしもし」
兄「来たぞ、どこにいるんだ」
男1「上だよ」
…ガチャ
兄「上?」
兄は上を見た
男1「ここだよ」
少し大きめの声で呼び掛ける
兄「そこで何をしてるんだ」
男1「これから飛ぶんだよ」
兄「馬鹿な事を言うんじゃない」
男1「夢でも見たし、絵でも見た」
男は強く訴える
兄「夢と絵だけだろ?」
兄「それだけで信じてるのかよ」
男1「ただの偶然だとは思えないんだ」
兄「飛んで何になる」
男1「辛いんだ」
突然弱々しく語り始めた
男1「あの人を死なせてしまった」
兄「コンビニの店員だろ?」
男1「違うんだ」
兄「……あの人か」
兄「でもあれは事故だった」
男1「僕のせいだ、僕があんな事をしなければ……」
男1「とにかく僕は飛ぶ、飛べなくてもそれで良い」
1歩前に出た
兄「おい、やめろ、やめるんだ!」
男1「僕は飛べる!!」
すると男は飛び下りた
男1「……」
どんどん落下していく
男1「早く……早く……早く飛ぶんだ!」
そして地面がもうすぐそこまで近付く
男1「早く…………もう駄目だ……」
フワン
その時、何かが飛んできた
兄「捕まれ!」
ガシッ
兄が男を捕まえた
男1「え!?」
男1「どうなっているの?」
兄「分からない!」
2人は円を書くように回りながら浮遊している
男1「何か回転してるよ!」
兄「コントロール出来ないんだ!」
男1「うわっ!」
男は落ちてしまった
兄「危ない!」
ガシッ
間一髪のところで手首を掴んだ
兄「絶対に手を離すなよ!」
男1「回転していて体が振り払われる……」
男1「兄さん……もう無理だよ……」
兄「何を言ってるんだ」
男1「さようなら……兄さん」
兄「おい……やめろ、手を離すな!!!」
男は手を離し落ちてしまった
次回予告
兄が空を飛んだのか?
そして男は無事なのか?
第11話 希望と絶望




