↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結保証】姉を追い出して当主になった悪女ですが、何か?  作者: 堀多 ボルダ
第二章 悪女と夜会

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
6/18

02-1

 とある日の昼下がり、ダリアはいつものように執務室で仕事に追われていた。


その横ではランダルが届いた手紙をチェックしている。その中から白い封筒を見つけると、「届きましたよ」とそっとダリアの前に置いた。

招待状と書かれたそれを見てダリアは思わず固まる。


「とうとう来てしまった」招待状を指先だけで嫌そうに持ち上げ、大きく溜め息をついた。

「王家主催の夜会なら断ることなんてできないわよねえ」


 姉を追い出した悪女なので、夜会やら茶会やらの社交の類は一切断ってきた。そもそも、貴族女性たちが集まる茶会には悪評が広まりすぎて呼ばれることすらなくなったわけだが。


「エスコートはどうされます?」

「どうもこうもないわよ。エスコートしてくれる人なんていないんだから、ひとりで行くわ」

「クライド様にお願いしてみては?」

「ダメよ。私とは関わりがないと思わせないと。彼にまで迷惑がかかるわ」


「エスコートしてもいいよ」突然声が聞こえた。

執務室のドアが開いていて、紅茶を運ぶメイドに続き、その後ろからクライドが入ってきた。


「ちょうどいいところに来たみたいだね。エスコートしてくれる相手がいないなら俺がやるよ」

「結構よ。ひとりで行くと最初から決めていたし。挨拶だけしてさっさと帰ってくるわ」

「当主になってから初めての公の場だろ。ひとりで出るのはきついぜ。針の筵だ」

「それでも一人で行くわ。当主になったときに覚悟したもの」

「ノーバック子爵家(うち)は君に借りがあるんだから、エスコートさせてよ。親にも君を助けるように言われてるしさ」

「私のエスコートなんてしたらあなたの信用ガタ落ちになるわよ。婿に来てほしい男ナンバーワンから陥落するわよ。そもそもあなたは他のご令嬢からエスコート頼まれてないの?」

「周囲には稀代の悪女にも優しい俺としてアピールするから大丈夫。むしろ株があがるよ」


それにね、と続ける。

「君が夜会にどう出るか、賭けの対象になってるんだよ。一番人気が欠席で、次が一人で出席。誰かにエスコートしてもらうってのは大穴なんだよね」

ダリアを見てにやりと笑う。

「ほら、うち貧乏だから」

ダリアは思わず吹き出した。


そんな賭けが本当にあるのかどうかはダリアにはわからないが、それは言い訳に過ぎず、ただダリアを思いやってのことなのはわかっている。


結局、クライドに頼ってしまう。そんな自分に嫌気が差しつつも、気にかけてくれることを嬉しいと感じてしまう。


「私にはまだまだ覚悟が足りないわ」

誰にも聞こえないように小さな小さな声でつぶやいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。