第2話 壊れた機械が、俺を守った
廃棄惑星ラスト・ナインで目覚めた神代レンは、自律解体機に追い詰められる。
逃げ場を失った彼が触れたのは、胸部を大きく損傷した旧型作業ロボット《WORKER-13》。
その内部に残る淡い光へ手を伸ばした瞬間、レンの中で未知の力が目覚める。
青白い光が、腕の中へ流れ込んできた。
熱い。
いや、冷たい。
どちらとも言えない感覚が、指先から肩を通り、胸の奥まで駆け上がる。
「ぐっ……!」
俺はWORKER-13の胸部へ両手を押し当てたまま、歯を食いしばった。
機械の表面に触れているはずなのに、指先から伝わってくるのは金属の硬さだけではない。
無数の線。
幾重にも折り重なった命令。
古い記録。
停止した回路。
焼き切れた接続。
機械の内部が、目で見るよりも鮮明に頭の中へ浮かび上がる。
何が壊れているのか。
どこまでなら動かせるのか。
どこから先は、もう戻らないのか。
説明されたわけでもないのに、分かった。
WORKER-13の右腕は完全に失われている。
胸部動力炉も大部分が損傷している。
残された電力はわずか。
新しい部品を作り出すことはできない。
失われた腕を戻すこともできない。
それでも、すべてが消えているわけではなかった。
胸部から頭部へ。
頭部から左肩へ。
途切れかけた信号が、まだ細く残っている。
その先にあるのは、単純な作業記録だった。
貨物を持ち上げる。
指定された区域へ運ぶ。
資材を分類する。
警告音を検知する。
危険区域から作業員を遠ざける。
何度も。
何百回も。
何千回も。
同じ命令を繰り返した記録。
だが、最後の部分だけが違っていた。
崩れ落ちる足場。
逃げ遅れた作業員。
指定された作業範囲を越えて伸ばされた左腕。
命令の優先順位を書き換え、自分の機体を盾にして人を押し出した記録。
それは本当に、ただの命令だったのだろうか。
「守ろうとしたのか……?」
返事はない。
それでも、消えかけた光がわずかに揺れた。
俺の頭の中に浮かんだ言葉。
**SOUL REPAIR**
魂を修復する。
そんな大げさな名前を信じていいのか分からない。
目の前にあるのは、壊れた作業機械だ。
魂なんてものが、本当に存在するのかさえ知らない。
けれど、今は確かめている余裕がなかった。
背後で、巨大な切断刃が唸る。
自律解体機が、俺ごとWORKER-13を処理しようとしている。
「動いてくれ!」
俺は光の途切れた箇所へ意識を集中した。
壊れたものを新しく作るのではない。
残っているもの同士を、つなぎ直す。
入口を探す。
出口を探す。
流れが本来向かおうとしていた場所を思い浮かべる。
昔、簡単なプログラムを組んでいたときと似ていた。
処理が途中で止まっている。
信号はある。
命令も残っている。
ただ、次へ渡す道が失われている。
「ここだ……!」
胸部から頭部へ続く細い光。
その途中に、焼き切れた暗い箇所がある。
俺は自分の中から何かが削られていく感覚に耐えながら、そこへ光を流し込んだ。
青白い線が一本、つながる。
続いて、頭部から左肩へ。
そこにも光を通す。
WORKER-13の胸部で、小さな音が鳴った。
カチッ。
完全に停止していた単眼が、弱々しく点滅する。
「動いた……?」
次の瞬間、WORKER-13の左腕が持ち上がった。
同時に背後から切断刃が振り下ろされる。
WORKER-13は横倒しの身体を無理やり起こし、その左腕で俺の胸を押した。
「うわっ!」
俺の身体が数メートル先へ投げ出される。
背中から金属板へ落ち、肺から空気が抜けた。
直後、轟音。
青白く光る切断刃が、WORKER-13のいた場所へ叩き込まれる。
だが、そこに機体はなかった。
WORKER-13は片脚を引きずりながら、わずかに前方へ移動していた。
失われた右腕。
割れた胸部。
火花を散らす左脚。
どう見ても戦える状態ではない。
それでも、WORKER-13は俺と自律解体機の間に立った。
「お前……」
赤いセンサーがWORKER-13を走査する。
自律解体機の表示が切り替わる。
**RECOVERABLE METAL**
再利用可能金属。
俺だけではなく、WORKER-13も処理対象として認識されたらしい。
切断刃が持ち上がる。
「逃げろ!」
思わず叫んだ。
だが、WORKER-13は動かなかった。
単眼を解体機へ向けたまま、左腕を広げている。
俺を後ろへかばうように。
「違う! 戦えって言ってない!」
俺は立ち上がろうとした。
足に力を入れた瞬間、身体の芯が大きく揺れた。
「っ……」
視界が暗くなる。
息が吸えない。
肺が急に小さくなったようだった。
手が震える。
膝から力が抜け、俺は再び床へ手をついた。
何だ、これは。
さっきまで動いていた身体が、急に俺の意思を拒み始めている。
「やめろ……」
病院の記憶がよみがえる。
指が動かない。
足へ力が入らない。
呼吸することさえ誰かに助けてもらわなければならない。
「また……動かなくなるのか……?」
恐怖で胸が締めつけられた。
俺は震える右手を持ち上げる。
動く。
まだ動く。
だが、指先が自分のものではないように重い。
SOUL REPAIRを使った代償。
理由は分からないが、あの光をつなぐために、俺自身の体力を使ったのだ。
自律解体機が前進する。
WORKER-13が左腕を振り上げた。
太い作業用の腕が、解体機の前脚へ叩きつけられる。
金属音。
解体機の身体がわずかに揺れる。
だが、倒れない。
WORKER-13の左腕から、いくつもの部品が飛び散った。
攻撃用の機械ではない。
力の差は明らかだった。
それでもWORKER-13は、もう一度腕を上げる。
「無理だ!」
声を絞り出す。
「正面からじゃ勝てない!」
単眼が、一瞬だけ俺へ向いた。
言葉を理解しているのか。
ただ音声を認識しただけなのか。
分からない。
だが、今はそんなことを考えている場合ではなかった。
俺は必死に周囲を見回した。
自律解体機の左後脚は、他の脚より動きが遅い。
おそらく関節か制御機構が傷んでいる。
正面から押しても倒れない。
なら、重心を崩す。
相手の力が向かう先を変える。
生前、何度も教えられた。
どれほど大きな相手でも、すべての方向へ同時に力を出すことはできない。
支えている一点を外せばいい。
問題は、WORKER-13にどう伝えるか。
自律解体機の背後には、深いスクラップの谷がある。
俺が最初に逃げ込もうとした場所だ。
谷の縁には、積み上がった廃材が斜めに突き出している。
あそこへ誘導できれば。
「サーティーン!」
俺は機体番号を叫んだ。
WORKER-13の単眼が点滅する。
「右へ下がれ!」
反応がない。
「右だ! そいつを谷の方へ向かせろ!」
WORKER-13が一歩、右へ動く。
俺は息を呑んだ。
理解した。
少なくとも、音声命令を認識できる。
自律解体機が切断刃を横へ振るう。
WORKER-13は避けきれず、胸部装甲の一部を削られた。
激しい火花が散る。
「もう少し右だ!」
WORKER-13は左脚を引きずりながら移動する。
解体機は処理対象を追い、進行方向を変えた。
谷の縁まで、あと十数メートル。
しかしWORKER-13の動きが止まった。
胸部の光が弱くなっている。
残された動力が尽きかけている。
「止まるな!」
俺は震える膝へ力を込めた。
立て。
立つんだ。
せっかく動く身体をもらったのに、ここで座り込んでいる場合じゃない。
片膝を立てる。
視界が揺れる。
それでも金属板をつかみ、どうにか身体を起こす。
一歩。
足が前へ出た。
二歩。
身体がふらつく。
俺は近くに落ちていた長い金属棒を拾った。
武器として使うためではない。
谷の縁に積み上がった廃材。
その一番下に、全体を支えている細い板がある。
あれを外せば、斜面が崩れる。
自律解体機を押し込めるかもしれない。
「サーティーン! 左へ回れ!」
WORKER-13が動く。
解体機も追う。
切断刃が振り下ろされる。
WORKER-13の左肩が大きく裂けた。
それでも倒れず、機械の前へ回り込む。
「あと少し……!」
俺は金属棒の先端を、廃材の隙間へ差し込んだ。
腕へ力を込める。
動く身体を得たとはいえ、筋力はほとんどない。
棒はびくともしなかった。
「動け……!」
歯を食いしばる。
腕だけではなく、腰と脚を使う。
体重を棒へ乗せる。
昔習った、相手の力を利用する動き。
今の相手は人間ではなく、金属板だ。
それでも、支点と重心はある。
板が少し動いた。
「もう一度……!」
自律解体機が谷の縁へ近づく。
WORKER-13がその正面に立つ。
逃げればいい。
あとは機械が前へ出れば、勝手に崩れるかもしれない。
「サーティーン、下がれ!」
WORKER-13は動かなかった。
代わりに、残された左腕を自律解体機の胴体へ押し当てる。
「何してる!」
WORKER-13の脚部から、黒い煙が上がる。
解体機の六本脚が踏ん張る。
片腕の作業ロボットでは押し切れない。
俺は金属棒をさらに倒した。
ギギッ。
支えていた板が外れる。
積み上がった廃材が、一斉に崩れ始めた。
「サーティーン、離れろ!」
WORKER-13の単眼が、俺を見た。
一瞬だけ。
その光が、以前より強くなったように見えた。
次の瞬間、WORKER-13は残された全出力を左脚へ送り込んだ。
機体ごと前方へ突進する。
自律解体機の左後脚が谷の縁から外れた。
六本の脚がばらばらに動く。
重心が崩れる。
解体機の胴体が大きく傾いた。
WORKER-13は左腕を押しつけたまま離れない。
「やめろ!」
崩れた廃材が、二体の機械を巻き込む。
巨大な切断刃が空を切る。
WORKER-13と自律解体機は、絡み合うようにしてスクラップの谷へ落ちていった。
轟音。
金属が砕ける音。
火花が谷底で弾ける。
その後に残ったのは、風の音だけだった。
「サーティーン……」
俺は金属棒を放り出し、谷の縁へ向かった。
足元がふらつく。
何度も転びそうになりながら、斜面を下る。
谷底では、自律解体機が横倒しになっていた。
六本脚のうち三本が折れ、切断刃は岩のような金属塊へ突き刺さっている。
赤いセンサーは消えていた。
その下敷きになるように、WORKER-13が倒れている。
「サーティーン!」
俺は機体のそばへ膝をついた。
胸部は先ほどよりも大きく潰れている。
残っていた左腕も肘から先がない。
左脚は完全に折れていた。
単眼だけが、かすかに点滅している。
「待ってろ」
俺は胸部へ手を伸ばした。
「もう一度つなげばいい」
さっきできた。
なら、今度もできる。
今度はもっと深く。
もっと多く。
失われた流れを探せばいい。
指先が金属へ触れる。
視界に光が浮かんだ。
だが、先ほどとは違った。
胸部から頭部へ続いていた光は、ほとんど消えている。
細い線が一本だけ残っている。
その線も、先へ進むほど薄くなっていた。
「まだ残ってる」
俺は意識を集中した。
入口を探す。
出口を探す。
だが、流れをつなごうとしても、その先がない。
動力炉が壊れている。
回路が焼けている。
記憶領域も、衝撃で大部分が失われている。
さっきのように、残ったもの同士をつなぐことはできない。
つなぐ相手そのものが、もう存在していなかった。
「そんなはずない」
俺はさらに力を込めた。
身体の奥から、青白い光を絞り出す。
胸が苦しい。
喉が狭くなる。
指先の震えが腕全体へ広がる。
それでも手を離さなかった。
「動いたんだろ」
声が掠れる。
「さっき動けたんだから、もう一度……」
光を流す。
だが、WORKER-13の中へ入った光は行き場を失い、そのまま消えていく。
失われた部品は戻らない。
消えた記録も戻らない。
SOUL REPAIRは、何もない場所へ新しい魂を作る力ではない。
残されたものをつなぐだけ。
俺はその事実を、説明ではなく感覚で理解した。
「嫌だ……」
サーティーンの単眼が点滅する。
一度。
二度。
胸部の奥から、短い通信音が鳴った。
音声ではない。
だが、頭の中へ意味が伝わってくる。
**PROTECT COMPLETE.**
保護完了。
「完了してない」
俺は首を振った。
「俺は生きてる。でも、お前が……」
言葉が続かない。
機械に向かって何を言っているのかと、少し前の俺なら思ったかもしれない。
ただの作業ロボット。
命令を実行しただけ。
そう説明することもできる。
けれど、サーティーンは俺を押し出した。
命令されていないのに、俺と解体機の間に立った。
最後には自分の身体ごと相手を谷へ落とした。
それが魂なのか。
学習の結果なのか。
高度な命令処理なのか。
今の俺には分からない。
それでも、俺を守ったという事実だけは変わらなかった。
「ありがとう」
俺はWORKER-13の壊れた胸部へ手を置いた。
「助けてくれて、ありがとう」
単眼の光が、最後に一度だけ明るくなった。
そして、消えた。
今度は何度触れても、光は見えなかった。
俺はその場でしばらく動けなかった。
SOUL REPAIRの反動だけではない。
自分が初めてこの世界で言葉を交わした存在が、目の前で停止した。
助けられたのに、助け返せなかった。
力を得た直後だったからこそ、その事実が重かった。
何でも直せると思っていたわけではない。
だが、能力の名前があまりにも大きかった。
魂を修復する。
そんな力なら、失われるものを引き戻せるような気がしていた。
現実は違った。
修復は蘇生ではない。
壊れたものをすべて元へ戻せるわけではない。
時間を巻き戻すこともできない。
「覚えておく」
俺は静かに言った。
「俺を守ったのが、ただの命令だったとしても」
返事はない。
「俺は、お前のことを覚えておく」
胸部装甲の割れた隙間に、小さな記録媒体が見えた。
手のひらに収まるほどの黒い部品。
表面には、WORKER-13の機体番号が刻まれている。
取り外していいのか迷った。
だが、このまま放置すれば、別の解体機に処理されるだけだ。
俺は慎重に記録媒体を引き抜いた。
軽い。
こんな小さなものの中に、サーティーンが見てきたものが残っているのだろうか。
あるいは、もう何も残っていないのかもしれない。
それでも捨てる気にはなれなかった。
俺は記録媒体を保護服の内側へ入れた。
周囲の小さな残骸を動かし、WORKER-13の機体へかぶせる。
墓を作るつもりだった。
だが、土はない。
花もない。
名前を刻む石もない。
だからせめて、別の機械から見えないように覆った。
「サーティーン」
機体番号ではなく、名前のように呼ぶ。
「行ってくる」
何をしに行くのか、自分でも分からない。
人を探す。
水を探す。
この世界が何なのかを知る。
そして、できるなら。
もう二度と、何も分からないまま誰かを失わないために、この力のことを知りたい。
俺は立ち上がった。
膝が震えている。
息もまだ苦しい。
SOUL REPAIRを一度使っただけで、全身の力を大きく奪われた。
深く使えば、病院にいた頃のように、本当に身体が動かなくなるかもしれない。
その可能性を考えるだけで、指先が冷たくなった。
だが、ここへ座り込んでいるわけにはいかない。
俺は谷を登った。
一歩ごとに呼吸を整える。
急がない。
自分の身体がどこまで動くか確かめながら進む。
谷の上へ戻ると、灰色の空の下に、機械の墓場がどこまでも広がっていた。
サーティーンと戦った自律解体機以外にも、同じ機械がいるかもしれない。
次に襲われたとき、助けてくれる存在がいる保証はない。
俺はなるべく音を立てないよう、残骸の陰を選んで歩いた。
どれほど進んだか分からない。
身体が限界に近づき、何度目かの休憩を取ろうとしたときだった。
積み重なった宇宙船の残骸の向こうで、何かが光った。
赤ではない。
解体機のセンサーとも違う。
金色。
弱々しいが、確かに一定の間隔で点滅している。
「救難信号……?」
そう思った。
もし誰かがいるなら、助けを求められるかもしれない。
逆に危険な存在かもしれない。
だが、このまま一人で歩き続けても、水さえ見つからない。
俺は金色の光へ近づいた。
谷のように落ち込んだ場所に、細長い船体が突き刺さっている。
船の外壁は黒く焼け、片側が大きく裂けていた。
事故で墜落したように見える。
金色の光は、船体の陰から漏れていた。
俺は慎重に斜面を下る。
そこで、人の姿を見つけた。
女性だった。
長い黒髪が、金属板の上へ広がっている。
黒と白を基調とした服。
金色の装飾。
片腕と片脚には、壊れた装甲のような部品が見える。
胸部にも深い損傷がある。
人間。
そう思ったが、傷口から血は流れていなかった。
代わりに、細い光と人工的な繊維が露出している。
「アンドロイド……?」
俺が近づいた瞬間、女性の金色の瞳が開いた。
右手が動く。
青白い電撃をまとった短い剣が展開され、その切っ先が俺へ向けられた。
「そこで止まりなさい」
声は弱っていた。
それでも、その言葉には命令することに慣れた者の強さがあった。
俺は両手を見える位置へ上げる。
「分かった。近づかない」
女性は俺をにらんだまま、身体を起こそうとする。
しかし右脚が動かず、すぐに肩が崩れた。
「無理するな。かなり壊れて――」
金色の瞳が鋭く細められる。
「私を、廃棄機械と同じように扱わないでください」
声には明確な怒りがあった。
俺は一瞬、言葉に詰まる。
そして、サーティーンの記録媒体が胸元にあることを思い出した。
「悪かった」
俺は言い直した。
「かなり怪我をしているように見えた」
女性の瞳が、わずかに揺れた。
アンドロイドへ怪我という言葉を使ったことが、意外だったらしい。
しかし、すぐに再び警戒の色が戻る。
「所属と認証番号を答えなさい」
「所属はない。認証番号も分からない」
「分からない?」
「俺も、ここで目を覚ましたばかりなんだ」
女性は明らかに信じていなかった。
短剣の切っ先が、俺の胸から外れない。
その身体の奥に、サーティーンとは比べものにならないほど複雑な光が見えた。
赤。
青。
金。
幾重にも重なった流れ。
その中央へ、黒い鎖のようなものが食い込んでいる。
彼女は壊れている。
いや。
怪我をしているだけではない。
何かに、内側から縛られている。
「あなたは何者ですか」
女性が改めて問う。
俺は少し迷った後、自分の名前を答えた。
「神代レン」
「神代……レン」
女性は確認するように繰り返す。
そして剣を向けたまま、名乗った。
「レナ・アークライトです」
その名前が、この世界でどれほど大きな意味を持つのか。
このときの俺は、まだ何も知らなかった。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
第2話では、レンの《SOUL REPAIR》によって旧型作業ロボット《WORKER-13》が一時的に再起動しました。
しかし、失われた部品や消滅した記録まで作り直すことはできず、サーティーンはレンを守った後に停止します。
レンにとってサーティーンは、この未来世界で初めて自分を守ってくれた存在であり、《SOUL REPAIR》が万能ではないことを教えた存在でもあります。
次回、レンは黒髪と金色の瞳を持つアンドロイド、レナ・アークライトと出会います。
しかし彼女は、身元も認証番号も持たないレンをまったく信用していません。
第3話「黒髪の令嬢は、俺を信用しない」へ続きます。




