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ドラゴンの国と深淵へのクエスト ~異世界転移したおっさんが、戦場を彷徨う~  作者: 社畜とキメラ
第三章 異世界転移したおっさんが、戦場を彷徨う。
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貰い火 嘆き・6

ユミル:

「監視塔もありますからね。

 昼間であれば、敵の動きはすぐにわかりますよ」


直樹:

「夜はどうなんだ!?」


ユミル:

「斥候が監視に出るはずですから……

 たぶん、大丈夫だと思います」


直樹:

「宿舎が首都で、本当によかった……

 ここで寝るのは危険だから辞めだ。

 面倒でも戻るとしよう」




何も見なかった事にして、探索を再開する。

正面を端から歩いていくと、救護施設が見つかった。

軽症者ばかりで、それほど混んではいない。


戦死者は、居ないのかな?

しばらく考え込みながら歩いていると、風に乗って声が流れてくる。



声:

「さぁ、飲め。

 飲んでくれ!

 頼む!」


嫌な予感しかしない。

声の行方をたどると、救護施設の隣の隣。

大きなテントだった。

中に入ると血の臭いでむせ返る、あと死臭が酷い。


死体袋が荷物のように置かれていた。

3段に詰まれている場所がある。

3分の1くらいだろうか。


もしかして…あの積まれた中に。

息のある人間も居るんじゃないの……か?

考えたくもない。

整然と死体袋が置かれた場所に、人が居た。



直樹:

「あそこか……」


声:

「頼む!

 飲んでくれ!」


声:

「い…… ま…生…き……」


直樹:

「フリスト!

 あいつを押さえろ」


ガチャン、ガン、ガン。

フリストが鎧を着た兵士を、後ろに回りこんで引き剥がす。



直樹:

「おい。

 お前、まだ息はあるか?」



死体袋から鎧を着た体が、半分くらい出ている。

金属製の鎧に穴が開くのか。

傷がひどい。



瀕死の兵:

「……け……だ…い」


直樹:

「悪魔に魂を売ってでも、生きたいのなら助けてやる。

 いいか?

 冒険の書」


隷属の書を貼り付ける。

首が少しだけ動いたのか?

動かないのか?


隷属しろ!

隷属するんだ!


口元がパクパクと動き、消え去った。



兵士:

「貴様!

 貴様ーーーーーーー!

 レンニを……

 レンニを何処へやった!!

 離せ!

 俺を、離せ!!」


ガチャガチャと動くが、フリストが離さない。



直樹:

「まぁ、待て。

 会いたいなら、今あわせてやる。

 冒険の書」



取り込んだ奴を転送した。

喚く兵士と俺の間に入り込む。



隷属者:

「888番です。

 命をお助けいただき、感謝しています」


兵士:

「レンニ!

 お前、どうして……

 その体は……


 怪我は!

 怪我はどうした!」


888番:

「トイヴォ。

 僕は生まれ変わった」


トイヴォという兵士:

「どういうことだ、レンニ」


888番:

「トイヴォ……

 僕の事は忘れてくれ。

 君の知っているレンニは、毒を飲んで死んだ」


トイヴォという兵士:

「何を言っている?」


888番:

「僕は、どのみちあと10分も持たなかった。

 この方が居なければ、間違いなく死んでいた。

 時間がない。

 この方の、邪魔をしないでくれ!」


トイヴォという兵士:

「レンニ……」


888番:

「中で聞いています!

 みんなを……

 みんなを、助けてくださるのでしょ?」


直樹:

「あぁ。

 やるぞ!」


トイヴォという兵士:

「アンタ……

 いったい何を……」


邪魔な兵士を、888番とフリストが縛り上げていく。

隷属の書をとりだし、888番、ユミル、フリストに配る。

1人ずつ声をかけて、隷属していった。

荷物のように詰まれたところも丁寧に確認していく。



兵士:

「ぁ…………」


直樹:

「悪魔に魂を売るか?

 まだ生きられるぞ。

 自分で選べ!」



隷属した奴を取り出して、次々と参加させる。



直樹:

「みんな急げ!

 他の兵が来るぞ!」



兵が来るまでに1045人を取り込めたが、全員に声をかけられなかった。

隷属者を帰還させる。

超絶操作マッスルマリオネットで2人を抱えて逃げ出した。

首都の宿舎で、翌日を迎える。


お店に商品を届けると、何事も無かったように中将の陣地に戻った。

物資を届け、給水作業に勤しんだ。




兵士:

「商人の方々、中将がお呼びです。

 ご案内しますので、こちらへどうぞ」


直樹:

「なんだろうな?」


フリスト:

「ナオキちゃん。

 本気で言ってるの?」


直樹:

「昨日は……

 人助けだろ?

 感謝状か何かかな?」


フリスト:

「本気?

 行って確かめたら?」


直樹:

「よし。

 行くぞ!」


兵について歩いていくと、騒がしいテントへと案内された。

100人近く居るんだが……

隷属者を呼び出せば、問題ない数か。



兵士:

「中へどうぞ」


中に入ると中将と兵士が20人、将校と思しき者が1人と強そうな護衛兵が居た。

椅子が一つあったので、そこに座る。



直樹:

「中将。

 今日は、なんだろう?」


中将:

「実は昨晩。

 遺体安置所から遺体が盗まれる事件があった。

 君に心当たりは無いか?」


直樹:

「遺体……か。

 それでは、知らないな……」


中将:

「そうか……

 入れてくれ」


兵士:

「はっ」



誰かが入ってきた。

昨日、いた奴だな……

毒を盛ろうとしていた奴だ。



中将:

「彼に心当たりは無いかな?」


直樹:

「知っている。

 昨日テントの中で見た」


中将:

「では、彼の言った事は本当か?」


直樹:

「その男が、何を言ったのか……

 俺は聞いていないからな。

 判断がつかないぞ」


中将:

「遺体が消えた犯人は君だと言う。

 我々の大切な仲間だ。


 遺体を返してほしい。

 今なら、罪は問わない」


直樹:

「そいつが言ってる事を、お前達は誤解している。

 遺体は、持って行かないぞ」



護衛兵が腰の剣に手をかけ、声を荒らげる。



護衛兵:

「貴様!

 いい加減にしろ!

 犯人はお前だ!」

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よろしくお願いします。

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都市名があるのですが地図がないと、把握が難しいので。 地図
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