貰い火 嘆き・4
少尉:
「大佐殿。
これはいったい?」
大佐:
「見たままじゃないか。
店だよ店!
食べ物屋だ。
値段も安い、良心的だ。
20倍だって金を払う。
ゆで卵が食えるとはありがたい。
君も早く、買うといい」
少尉:
「しかし、これが敵の罠なら!」
大佐:
「それは無いな。
はじめに食べた奴は、今もピンピンしてる。
もし侵入されているのなら、ここは終わりだ。
それに……
店を手伝っている奴らの中に、見覚えがあるのが居る。
ここの兵士のだったはずだ。
だが、おかしい。
生きているはずは、無いんだが」
少尉:
「もうすぐ、中将が参ります」
大佐:
「それはいかん!
私の事は内緒だぞ。
買ったら、すぐ逃げるとしよう」
少尉が兵士を連れて戻ってきた。
少尉:
「これは……
どういうことでしょうか?」
直樹:
「すまない。
店になってしまった」
少尉:
「しかし、何処から食料が……
それよりもメグスラシル中将が、参ります」
兵士の集団が向かってくる。
並んでいる兵士たちが、見つめていた。
中には殺意をぶつけている奴もいる。
おいおい、大丈夫か?
上官じゃないのか?
問題になったりしないか?
将校?:
「この店の責任者は、誰だ?」
ユミル:
「ナオキ様。
こちらの方が中将です」
年齢は30歳後半か?
ノルナゲストよりは、顔が凛々しい感じがする。
スパイキーショートというヤツかな?
直樹:
「あぁ……。
多分、俺が責任者だ。
ノルナゲスト少将から手紙を預かっている。
中将か?」
中将:
「そうだ」
手紙を少将に渡すと、中将が手紙に目を走らせた。
【1枚目】
メグスラシル中将へ
軍本部からの結論を伝える
現在、補給路の再構築を行っているが、かなりの時間を要する
回復のめどは立っていない
貴殿の手腕に期待する
【2枚目】
私から君にプレゼントを贈る
この書面を託した人物だ
彼は異世界人で協力関係にある
命令は出来ないが、君の生命線となるだろう
態度が悪いが、上手にあしらってくれ
彼の能力は輸送型で、木箱3000の輸送が可能だ
長距離でさえ一瞬に移動できる
必要な物資を記載した書面を、彼に持たせて欲しい
期待にこたえられるように努力しよう
彼には、私が把握できていない未知の能力があるようだ
役に立つかもしれない
相談すると良いだろう
幸運を祈る
中将は、手紙を読むと魔法で燃やしてしまう。
直樹:
「なっ!?
燃やしやがったぞ!」
中将:
「すまない。
君は、初めてか?
機密保持のため、軍では燃やす事が多いんだ。
他意はない」
直樹:
「そうなのか?」
中将:
「別の場所で話がしたいんだが。
移動してもらえるか?」
直樹:
「それは無理だ。
店の食料は、俺が持ってくるからな……」
中将:
「分かった。
では、ここで話をしよう。
準備してくれ」
兵士達が、テントの中の水瓶を移動させた。
机と椅子を運んでくる。
周りを囲んで壁を作った。
直樹:
「作業をしながらでも、いいか?」
中将:
「あぁ。
かまわない」
直樹:
「すまない。
ちょっと水を持ってくる」
中将を待たせて、水を持ってきた。
直樹:
「じつは、中将に頼みがある。
俺は少将への返事がほしいんだ」
中将:
「いきなりだな……
君は」
直樹:
「返事を届けると、報酬をもらえる約束なんだよ」
中将:
「返事は、すぐに書くことを約束しよう。
渡す前にいくつか聞きたいことがある。
時間は取らせない。
良いだろうか?」
直樹:
「いいぞ」
中将:
「聞きたいことは山ほどあるんだが……
まず君達は、水や芋を何処から運んでくるんだ?」
直樹:
「企業秘密だな」
中将:
「では、話し方を変えよう。
水や芋をこちらで買うことは可能か?」
直樹:
「水は時間をかければ、いくらでも供給できるが。
芋には限度がある」
周りを囲う兵士たちの雰囲気が、少し穏やかになり。
目配せしたり、小声で話を始めた。
中将:
「では、水の供給を頼みたい。
芋もあるだけ買いたい」
直樹:
「おぉ!
買ってくれるのか。
ついでだ、野菜も買ってくれ」
中将:
「他にもあるのか?」
直樹:
「多分、あると思うが。
確実ではない。
ある分だけ買ってほしい」
中将:
「よし、全部買おう。
金がある分はすぐに払う。
足りない分は後日でもいいか?」
直樹:
「うーん。
キチンと払ってくれるのなら問題ない」
中将:
「ありがたい。
すぐに少将への返事を書く。
待ってくれ」
少将への返事を受けとった。
中将:
「水の供給をお願いしたい。
すぐに可能だろうか?」
直樹:
「俺は少将のところへ行ってきたい。
その後でもいいか?」
中将:
「時間はどれくらい必要だろうか?」
直樹:
「1時間以内に」
周りの兵士達が騒ぎ始める。
兵士達:
「馬鹿な!」
「どれほどの距離があると思っている!」
「ここは戦闘地域だぞ!」
「不可能だ!」
中将の目が鋭くなる。
中将:
「1時間……
待たしてもらおう。
少将に返事をお願いしてもいいかな?」
直樹:
「いいぞ。
ユミル、フリスト。
ちょっと、少将のところへ行ってくる。
あと中将に物資を販売する事になった。
俺が戻り次第、水の供給を開始する!
準備をしてくれ」
フリスト:
「ナオキちゃん。
お店、どうするの?」
直樹:
「そうだな……
水の価値は無くなるな。
今のうちに野菜や葡萄、林檎も販売しろ。
浮浪者の店の分は、とって置けよ」
フリスト:
「わかった」
少将の元へ返事を渡し20万もらってきた。
返事を中将へと渡す。
受け取ると、真剣な表情で手紙を読んでいた。
中将:
「ワハハハハ。
アーーーハハ、ハァハァ。
クックックックッ。
クッ、アーーーハハハ」
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