貰い火 嘆き
次の日、朝から店の商品を届けあとは竜車の中でゴロゴロと過ごした。
夜になって基地に到着する。
ガシャン、ガシャン。
声:
「死神様!!」
ガシャン、ガシャン。
声:
「死神様は、居られますか?」
直樹:
「やはり来たか。
ユミル、フリスト。
行くぞ!」
ユミル、フリスト:
「はい」
軍医と一緒に建物へと全力で駆け込んだ。
何人かこちらに転送し、瀕死の連中を隷属させていく。
278人を隷属。
死者68人、拒否27人、計373人。
直樹:
「軍医。
前回よりも、損傷が激しいと思うんだが?」
軍医:
「はい。
死者が多いんです。
私にもっと力があれば……
本当に、不甲斐ない。
本当に、悔しいんです」
直樹:
「運ぶ死体の数も多いのか?」
軍医:
「残念ですが……」
直樹:
「お前は良くやっている。
明日、少将に聞いてみよう」
翌朝、物資と死体の積み下ろしをし、俺たちは自力で帰ると竜車の連中に伝えたが。
竜車の護衛兵たちに拒否される。
当然だ。
俺達を無事、届けるのが任務だからな。
ユミルが少将宛に手紙を書き、それを持ち帰る事で話がついた。
軍医に頼み、部屋の隅を貸してもらう。
絨毯を敷く。
兵士を10人出して警護させると、首都へと向かった。
直樹:
「ユミル。
少将に会いに行くぞ!」
俺は、勢いよく歩き出したんだが。
直樹:
「……
ユミル。
あいつ何処にいるんだ?」
ユミル:
「陸軍棟です。
ご案内します」
直樹:
「あぁ、頼む」
ユミルに案内されて、扉の前に来た。
本来は受付で連絡をしてから来るのべきなんだが。
ユミルを急かし、連れてきてもらった。
コンコンコンコン。
コンコンコンコン。
返事はない。
中から音はするようなので、無人ではないのだろう。
直樹:
「それ!
突入だ」
扉を勝手に開ける。
アレ?
簡単に開いたぞ、警備は大丈夫なのか?
兵士:
「誰だ!
お前は!」
兵士が襲ってくるが、フリストが簡単に捻ってしまう。
ユミルが、諦めた顔でため息をついている。
可哀想に。
苦痛に顔を歪めた兵士は、俺たちの盾にされていた。
指示を出したのは俺なんだが。
コレは、良いのかな?
直樹:
「なんだ少将!
居るじゃないか!」
ノルナゲスト:
「ナオキくん。
君は礼儀も知らないのかね?」
直樹:
「急ぎでね。
基地に死体が多いんだが、何とかならないか?」
ノルナゲスト:
「まったく、君は……
下がれ」
少将が兵士たちに指示を出す。
直樹:
「フリスト。
兵士を開放してやれ」
フリスト:
「はい」
ノルナゲスト:
「フリスト上等兵。
君は完全に、ナオキくんの部下なんだね」
フリスト:
「いいえ!
勘違いです!
俺様は、軍属です。
給料ください」
頭をおさえている、可哀想に。
少将は、頭痛持ちだろうか?
ノルナゲスト:
「はぁ……
わかった、わかった。
話を聞こう」
直樹:
「死体が多いと、軍医が悲しんでいた。
どうなっている?
戦地の様子を見たいんだが。
少将、どうだろう?」
ノルナゲスト:
「ナオキくん。
観光も良いとは思う。
我々も、君の話を聞いてあげたいのは山々なんだがね。
そもそも、軍医は怪我人を見るのが仕事だ。
死ぬ事ぐらいあるだろう。
君が行った基地から先。
戦闘地域への補給線が、立て込んでいてね」
直樹:
「戦地の場所を教えてもらえるか?
自分たちで、行きたいんだが……」
ノルナゲスト:
「だから……
戦線が攻撃を受けていて、危険だ。
物資の輸送すら思うようにならない。
我々は現在。
補給線の見直しに向けて、物資と兵の手配、偵察、情報整理にと忙しい。
早期に補給再開をしないと、多くの兵士が飢えて死ぬ。
中将からも至急の支援要請が再三再三にわたり来ているんだが。
軍の上層部、あの連中は無能揃いだ!!
補給路の確保は、戦争継続の絶対条件だと言うのに!
正直、絶望的だ。
計算上では、もう食料がない。
死人が多いのはそのせいだろう。
君は、突然現れる事が出来るんだから、補給物資を……
ナオキくん。
今、なんて言ったかな?」
直樹:
「だから、戦地の見学をしたいんだ」
ノルナゲスト:
「君が、物資をどけた基地の先か?」
直樹:
「多分そうだと思うが。
そこから怪我人が、来るんじゃないのか?」
ノルナゲスト:
「そうだ、その通りだ!
君は、戦地に行きたいのか?」
直樹:
「そうなんだが……見学だぞ!
ヤバイのか?」
ノルナゲスト:
「非常に危険だ。
無事たどり着けるかわからない」
直樹:
「うーん。
唐突なんだがな、少将。
絨毯を届けられないか?」
ノルナゲスト:
「はぁ?
突然だな君は。
訳の分からないことを。
絨毯程度なら、問題ないと思うが……
何のために?」
直樹:
「俺が移動する」
ノルナゲスト:
「移動?
何処に?」
直樹:
「絨毯の上。
置いてある所に」
ノルナゲスト:
「それは、どういう意味だ?
移動……
移動?
ヴァンランディ!!」
ヴァンランディ:
「はい、少将」
ノルナゲスト:
「隣の部屋は、空いているか?」
ヴァンランディ:
「空いてます」
ノルナゲスト:
「少し、ナオキくんと話をしてくる。
仕事を継続してくれ。
迷惑をかける」
ヴァンランディ:
「はい、少将」
隣の部屋へと連行された。
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