貰い火 内政・2
首都に戻って魔術を披露する。
昼食まで時間があったためだ。
折角なので、ノルナゲスト少将の悪口も叫んでおく。
気分がいい。
昼食を済ませて、隠れ家へと戻る。
1番、17番、316番、554番と他7人と子供が1人、集まっていた。
瀕死の子供を取り込んだのか?
直樹:
「全員で行くのか?」
1番:
「私と554番は、居残りで。
残り9人が場所取りを行います
17番は、領主様の護衛です」
直樹:
「浮浪者の集まっている場所だが、首都には大きく4カ所ある。
俺的には、山の麓の方にしたい。
あそこなら、隠れられる場所が多いからな。
転移させるにも都合がいいと思うが。
問題ないか?」
316番:
「はい。
何処でも大丈夫です」
直樹:
「よし、お前たちは畑で待機。
俺たちは山の麓の浮浪者たちの元へ向かう」
超絶操作マッスルマリオネットで、ユミルとフリストを抱えて目的地に着く。
顔を赤らめモジモジするフリストは、無視しておいた。
木の陰に隠れて10人を転移させる。
全員が食べ物を背負っていた。
直樹:
「それでは316番。
頼むぞ」
316番:
「はい。
それでは、みなさん。
よろしくお願いします」
3人一組になって散っていく。
俺たちは挙動不審の17番と共についていった。
1時間ほどウロウロしていると、全員が集合し話し合いを始める。
俺には良くわからないので、10分ほど放置された。
316番:
「領主様、行きましょう」
直樹:
「あぁ、ついていく」
ついていくと、爺さんが大の字で寝ている場所に着いた。
前は広めの道で、山にも近いく人通りも多いようだ。
薪や山水を汲みに行く道、のひとつという事らしい。
聞くところによると。
ここを中心に場所を確保するそうだ。
すでに交渉も済んでいるとは、優秀な部下だな。
と感心していたんだが……
直樹:
「え!?
マジか!!」
驚きを隠せない。
問答無用で、爺さんや子供、女、男たちに剣を突きつけると。
10軒潰し、大きなスペースを確保しやがった。
押しのけた連中を隅へと追いやり、寝るスペースだけ残してあるようだ。
潰したといっても、地面に縄で区切ってあっただけだが……
俺たちが大きく縄で囲んで、真ん中小さな布を引く。
爺さん:
「お前たち、何をするんだ!
ここは俺の場所だぞ!!」
316番:
「何を言っている?
勝手に、住み着いてるだけだろ?
ここは今から、我々が店を開くために使う」
場所をとられた他の連中は、剣にびびって口を出さない。
爺さん:
「他の連中だって生活があるんだ!
家を返せ!」
316番:
「寝るスペースも確保してあるんだ。
文句はないだろ?」
剣をちらつかせる。
爺さん:
「貴様ら!
ヨトゥンヘイムの鬼中尉といえば俺のことだ!
死にたくなければ、家を返せ!」
爺さん左ひじから下がなく。
だいぶヨタヨタしながらも316番へ掴みかかった。
316番:
「ハハハハハ。
中尉殿がこんな所に、居るわけないだろ?
おーい」
爺さんは数人に捕まり放り投げられ。
空いたスペースに全員が荷物を降ろした。
芋と卵だ。
316番:
「よし、みんな。
すまなかったな。
報酬だ、受け取ってくれ」
爺さん:
「馬鹿な!
これでは3日しか生きれないぞ!
寝床があるから、少ない食べ物でも生きていけるんだ!
新しい家はどうするんだ!」
316番:
「諦めろ。
ここはそういう場所だ」
顔を真っ赤にして、歯をプルプルと食いしばっている。
鬼だな、コイツラ。
これを許可する、俺もだが……
直樹:
「爺さん、話をしよう
新しい土地。
家を探すには、どれぐらいかかる?
食料と物々交換はできるのか?」
爺さん:
「最低でも1月はかかる。
食料と交換も出来るが探すのが大変だ」
直樹:
「俺には、この場所が必要だ。
ここはもらう。
店を開くんだ」
爺さん:
「そんなのお前たちの勝手だろ!
俺には関係ない!」
直樹:
「わかっている。
まずここに居た連中の食料。
主に芋と卵、水、薪これについては俺が保障する。
安心して次の家を探してくれ。
家を買うのに必要であれば、芋、卵、水、薪であれば必要なだけ提供する。
またここの店で買う時は大きく値引きしよう。
どうだ?」
爺さん:
「しかし、若い連中はそれで良いかも知れないが……
俺の体では……」
直樹:
「なんだ、体か?
それなら再生できるぞ。
条件はあるが……」
爺さん:
「そんな馬鹿なこと、ある訳ないだろ!?
年寄りだと思って。
馬鹿にしてんのか!」
直樹:
「ちなみにここに居る連中は、みんな死に掛けていた連中だぞ。
ここで暮らしていた奴もいる。
俺たちの仲間に居ただろ?
元々はボロボロだった奴らだ。
今の奴らは体の状態だって、健康そのものだろ?」
爺さん:
「お前は、何を言っているんだ……」
直樹:
「316番、兵士は置いていく。
場所を確保して、芋と卵の販売をやってくれ。
基本、金が欲しいが……
俺たちが必要そうな物なら。
物々交換でもかまわない」
316番:
「はい。
わかりました」
直樹:
「ここの連中の水瓶を、もらっていくぞ。
水を汲んだら戻ってくる。
何人か付いてこい。
ユミルは、念のため残っておけ」
ユミル:
「はい。
わかりました」
水瓶の中の汚れた水をぶちまけると、布で背負って持っていく。
これでは、まるで強盗だな……
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