貰い火 内政
朝になると物資のやり取りをして、竜車はソケリへ旅立つ。
俺たちも隠れ家へと移動した。
直樹:
「増えたな……」
1番:
「増えましたね」
17番:
「609人です」
直樹:
「食料、燃料はどうだ?」
1番:
「問題はありません」
直樹:
「何人が生活できそうだ?」
1番:
「全体で、2000人ぐらいです」
直樹:
「食料をもっと増やしたい」
1番:
「どれぐらいでしょうか?」
直樹:
「最終目標は、5万人分だ」
17番:
「そんなに、どうするんですか?」
直樹:
「軍に売りつける。
金を稼ぎたいんだよな。
有れば在るほど良い」
1番:
「活動資金ですか……
少し席を外していいですか?」
直樹:
「あぁ、かまわない。
17番、何か金儲けの方法を知らないか?」
17番:
「申し訳ありません」
直樹:
「適材適所だな。
気を落とすな17番。
お前の責任ではない。
609人の中に、将校はいるか?」
17番:
「将校はいませんでした。
曹長が最高位です」
直樹:
「17番の階級は何だ?」
17番:
「上等兵です」
直樹:
「そうか……
17番。
お前、今日から護衛隊長な!」
17番:
「え!?」
直樹:
「まとめ役が上等兵では、やりづらいだろ?」
17番:
「えっと……
階級ではどの辺りに、なるのでしょうか?」
直樹:
「知らん」
17番「えーーー!」
直樹:
「おーい!
ここに居る連中。
全員聞いてくれ!
17番は、今から護衛隊長の階級につく。
曹長を、17番の下につける。
17番は俺の盾にするから。
丁重に扱え。
みんな、頼んだぞ!」
同意の返事が、全員から返ってきた。
17番:
「盾ですか……」
直樹:
「しかたないだろ?
まとめ役が上等兵では不満が出る。
階級が低くても、俺の盾なら問題ない。
例えばだ。
王の近衛兵なら階級が低くても敬意は払うはずだ。
まぁ、俺は領主だけどな!」
17番:
「わかりました。
訓練を頑張りますので。
よろしくお願いします」
直樹:
「護衛隊も編成してくれ」
17番:
「はい」
1番:
「戻りました。
316番、554番を連れてきました」
直樹:
「彼らは、なんだろう……か?」
1番:
「はい、浮浪者の水売りたちです。
領主様の資金獲得に、役立つと思い。
連れてまいりました」
直樹:
「1番、説明を頼む」
1番:
「浮浪者といえども生活を営んでおり。
そのためには小額ですが、金を使います。
市場の店と比べれば金額は小規模ですが。
この2人は商売を営んでいました」
直樹:
「そうか……
では。
この2人を使えば。
浮浪者の区域で商売が出来るのか?」
1番:
「はい。
可能だと思います」
直樹:
「では、説明を頼む。
まず、316番」
316番:
「はい、よろしくお願いします。
私が販売していたのは、飲み水です。
汚れた水を綺麗にし、煮沸して販売してました。
また店にも卸していました」
直樹:
「店に販売していたのか。
いくらぐらいになる?」
316番:
「大きな瓶3つで。
2千です」
直樹:
「まだ、販売は可能か?」
316番:
「怪我で商売出来なくなったのが、1年前なので……
もしかしたら、出来るかもしれません。
私は、売り込みも出来ます」
直樹:
「よし。
つぎ554番、頼む」
554番:
「僕は、浮浪者相手に水を販売していました。
初めはお金でのやり取りのつもりでしたが、物々交換をするようになり。
雑貨、食料も扱うようになりました。
軌道に乗ってしばらくした頃。
突如襲われ、命からがら逃げ出しました」
直樹:
「1日どれくらいの稼ぎだ?」
554番:
「一番いいときは、1日5千でした」
直樹:
「2人あわせて7千か。
水も食料も大量に提供できる。
うまくいけば2万くらいは余裕じゃないか?
1番、市場で店をもてないか?」
1番:
「市場に店を持つのは、ほぼ不可能です。
先祖から脈々と受け継がれていますので……」
直樹:
「潰れる事もあるだろ?」
1番:
「いえ、潰れる事はありません。
市場の店は全員、組合に参加しているはずです。
売上の一部を納めています。
潰れそうな店には、補助金が出るらしいです。
それでも駄目な場合。
組合の中で会議が行われ支店になったり。
商売を替えさせられ、指導官が派遣されるようです。
駄目な場合。
組合の中から新たな店主が選ばれます」
直樹:
「すげぇな。
組合は、相当儲けてるな。
その情報はどこから?」
1番:
「軍も組合に噛んでますから。
軍人であれば、周知の事実です」
直樹:
「浮浪者の地区で、店を開く場合はどうだ?」
1番:
「問題は特にないと思います。
良い場所さえ確保できれば……」
直樹:
「316番、554番。
いい場所は在るか?」
316番:
「そういう場所は、すでに誰か居ますので」
直樹:
「土地の権利書みたいな物はあるのか?」
554番:
「いえ、勝手に使ってます」
直樹:
「そうか。
交渉とか。
食料で場所をもらったりできないか?」
316番:
「それは可能だと思います」
直樹:
「316番、554番を中心に部隊を編制しろ。
警護の兵士も必要だ。
日中の警備は1人。
交代要員が必要だから2人つける。
3日毎に、隠れ家の人員と交代だ。
販売部隊の編成が完了したら。
17番に言って、警護兵を用意させろ。
俺は一度戻る。
昼食後また来るからな。
店の場所を探しに行こう。
1番、17番、あとは任せたぞ」
1番、17番:
「はい」
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