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ドラゴンの国と深淵へのクエスト ~異世界転移したおっさんが、戦場を彷徨う~  作者: 社畜とキメラ
第三章 異世界転移したおっさんが、戦場を彷徨う。
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輸送の仕事 戦場への輸送・5

いつものように、大きなテントへと向かう。

戦地の基地だろうが、やる事は変わりがないはずだ。

物資を置くと、積み込む物資の場所へと案内される。


でもそこは。

いつもの積み込み場所とは、大きく違っていた。

一見するとテントの中なのだが。

地面を大きく掘ってある。

1mほどの深さだろうか?


嫌な臭いがする。

間違いない、これは血の臭い。

そして、多分、この異臭は死体の臭いだ。

人間が納まる大きさの袋が。

中身が入って、積み上げられている。


ユミルもフリストも見慣れているのか。

変わった様子は無みたいだ。


俺は、まったく落ち着かない。

さっきから、心拍数が上がりっぱなしだ。



近くの兵士に、話しかけられる。



警備兵:

「申し訳ありませんが。

 もうしばらくお待ちください。

 あと少しで、積荷が増えますので……」


どういう意味だ……

嫌な予感しかしない。

脈がさらに速くなり、頭に血が上る。



声:

「死に…たく……な 助……」



風に乗って小さな声が届く。

コイツラは、何をしている!



声:

「君のためだ!

 飲むんだ!」


声:

「ま…だ…… た……す…」


声:

「苦しみが伸びるばかりだ!

 頼む!」



駄目だ。

聞いてられない。



直樹:

「ユミル、フリスト。

 行くぞ!」


ユミル、フリスト:

「はい」


二人が、答える。


俺達は止める兵士を無視して、テントの奥へと進んでいく。

仕切りに囲まれた大きな場所があり。

何人もの兵士が横たわっていた。



直樹:

「ここか!?」


その他:

「なんですか!?

 あなた達は!」


白い服を着た、男が驚いている。

この服は見た事がある、軍医だ。



直樹:

「追加の荷物とは……これか?

 こいつらは、何だ?

 全員、殺すのか!」



息も途切れ途切れで、呼吸が荒い。



軍医:

「殺すとは、人聞きの悪い!

 私だって手を尽くしたんだ!

 このままでは、死は避けられない。


 これ以上、苦しませたくない!

 助けられるなら。

 私だって……」


直樹:

「他の医療施設には、運べないのか?」


軍医:

「無理だ……

 移動に耐えられない」


直樹:

「回復魔法は?」


軍医:

「君は、何を言っている?

 死にかけた人間を回復する魔法なんて。

 一兵士に使える訳が、無いだろ!?

 いったい、いくらかかると思っているんだ。

 成功率だって低いんだぞ!」


直樹:

「そうか……」


回復魔法ができていないのが、悔やまれる。



軍医:

「さっきから、お前は!

 一体、何なんだ。

 ここから出て行け!!」


直樹:

「通りすがりの死神だ。

 冒険の書」



1番と連絡を取る。



直樹:

「1番聞こえるか?

 そちらの食糧事情を、おしえてくれ」


1番:

”はい。

 現在、食べ物は潤沢です。

 かなり余っています”


軍医:

「警備兵!

 こいつらを連れ出してくれ!」


直樹:

「何人か放り込んでも。

 大丈夫か?」


1番:

”来るんですか?

 こちらは、大丈夫です。

 助けてあげてください”


直樹:

「ありがとう。

 隷属の書を使う。

 初めの畑に転移した奴に、状況だけ説明してくれ。

 外の連中を説得させるかもしれない」


1番:

”わかりました”


兵士が数人集まってきた。


兵士:

「なんだ!?

 お前達は?

 邪魔だ、下がれ!!」



ユミルとフリストに、兵士の相手をさせる。

瀕死の奴に話しかけた。



直樹:

「このままでは、お前は死ぬ。

 俺なら生かしてやれるが、条件がある。

 生きるか死ぬか、自分で決めろ!」



隷属の書を取り出すと顔に貼り付ける。

頭に文字の幻影が飛び込んでいく。


周りの兵士達が、剣を抜いた。

隷属の言葉を言うと、体が消え去った。

向こう側では、完治して居るはずだ。




兵士:

「仲間を!

 仲間を、何処へやった!」



一人の兵士が叫ぶと、襲い掛かってきた。



直樹:

「何を言っているんだ?

 俺も。

 お前の仲間のはずだが!?」



フリストが、一人の兵士を素手で吹き飛ばした。

一気に険悪になる。

武器と盾を構え、2列に並ぶ。

兵士達は、すでに戦闘姿勢へと移行していた。



直樹:

「まぁ。

 誤解もあるだろう……

 少し待て」


<おっさんの畑>を開くと。

さっきの奴を転送した。



隷属者:

「我が主よ。

 17番です。

 よろしくお願いします」



剣を抜くと。

すぐに俺たちと、兵士たちの間に割り込んだ。



兵士:

「アクセリ!

 生きていたのか!

 それに、その体は……」


17番:

「すまないな、ヘンリック。

 俺自身。

 生きているか死んでいるかは、わからない。

 だが、主に。

 命は救ってもらったと思っている!」



周りに居る兵士たちが、混乱している。



直樹:

「おい、そこの軍医!

 手遅れの連中は、俺がもらっていく。

 案内しろ!」


軍医:

「しかし……

 これは、どうして!?


 だが……

 彼は、助かったのか?

 私はいったい……

 何を見ている?」


直樹:

「俺は、死神だと言っただろ?

 お前は、どうしたい?


 仲間の死体を、もっと増やしたいのか?

 それとも、助かる確率に掛けるのか?


 軍医。

 お前も、今、見た通りだ。

 さっきの奴は、死神の力で治した。

 ただし、俺の所有物としてだが……


 詳しく知りたいのなら。

 統括王に聞くといい」


軍医:

「本当に?

 助かるんです……か?」



フラフラと歩くと。

17番に近づき、話をしている。

こちらに戻って来た。



軍医:

「わかり……ました。

 案内します。

 意味が分かりませんが。

 助かる可能性があるのであれば。


 助けてあげてください」


直樹:

「全員が、助かるわけではない。

 本人の意思が優先される」


軍医:

「それでも。

 お願いします」

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よろしくお願いします。

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都市名があるのですが地図がないと、把握が難しいので。 地図
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