輸送の仕事 おっさんの畑・19
2000人分の食料が自給可能だが。
1年間に24年分の食料が取れる。
計算上では、4万8千人分の食料が手に入る。
初めは、お通夜のような感じだったが、『お前たちの願いは極力かなえる』
と言ったところ……自分たちの夢まで語りだす。
揚げ句の果てに、畑専用の農奴や戦闘用兵士の調達を進言する始末だ。
この世界の住人は、物騒な奴らが多い。
直樹:
「お前たちの意見は、わかった。
こちらでも、ゆっくり考えたい。
俺は、明日から輸送の仕事がある。
顔を出すことが、出来ないかもしれないが。
燃料は大切にな!
フリスト、帰るぞ!」
フリスト:
「はーい」
宿舎に戻るために……考えながら歩きだした。
フリスト:
「ナオキちゃん、どうしたの?」
直樹:
「いや……
あのさぁ。
ユミルって、どちらかというと。
頭が回る方だろ?」
フリスト:
「うん」
直樹:
「畑の現状や。
おっさん達の話は、伏せておきたいんだよね……
どうするかな」
フリスト:
「ねぇねぇ!
見て!」
落ちていた木片を、もって素振りをする。
ビュンビュン。
隠れ家をものすごい速度で走り回った。
直樹:
「早いな!」
フリスト:
「ねぇねぇ!
ユミル、始末してこようか?」
直樹:
「はぁ?」
フリスト:
「じゃあ。
行ってくるね!」
とんでもない事を言うと笑顔で走り出す。
直樹:
「待て!!!!」
フリスト:
「なんで?
すぐ、ばれるよ?」
コイツ!
ネジ飛んでんのか!?
それとも、契約の影響なのか?
必死に頭をめぐらせた。
フリスト:
「妹から、殺してこようか?」
直樹:
「もっと! 待て!!!!」
フリスト:
「食料は自給できるんでしょ?」
直樹:
「よし!
ユミルも従者にする!」
フリスト:
「どのあたり?」
直樹:
「え!?
どの?
一時……従者?」
フリストの顔がピクピクする。
直樹:
「ではなくって……
初級……」
ピクピク。
直樹:
「中級……
中級従者……
以上だよな!!」
フリスト:
「そうだ、ね」
コイツ。
俺に尽くす気が、本当にあるのか?
頭と性格が悪い……
フリスト:
「でも。
できなかったら?」
直樹:
「お前、物騒だな!
仮にも仲間だぞ!」
フリスト:
「でも、騙しきれない。
私もユミルも。
ノルナゲスト少将と繋がってる」
直樹:
「しかし、な……
少し穏やかにな。
頼むぞ」
フリスト:
「はーーい」
不安な気持ちで、宿舎に戻った。
ユミル:
「ナオキ様。
時間が掛かりましたね。
もう少しで就寝の時間です」
直樹:
「あぁ。
すまないな。
テーブルの方で少し、いいか?」
フリスト:
「はい、大丈夫です」
俺とユミルが対面に座った。
フリストは俺の背後に立っている。
ユミル:
「ナオキ様。
どうかなされましたか?」
俺の額から汗が流れでる。
手も冷や汗でビッショリだ。
なんだか、後ろ暗い。
小声で話しかけた。
直樹:
「実は……
冒険の書に、新たな力が出てきて。
ちょっとな」
ユミルは笑顔だが、口を開く気配がない。
直樹:
「俺と、ちょっとした約束なんだが。
契約を結んでもらいたいんだ……」
ユミルが無言なので、話を続けた。
直樹:
「ユミル。
フリストと契約をしてしまって」
喉が異常に乾く。
直樹:
「すまない!」
俺がユミルに謝ると同時に、ユミルが席を立った。
しかし、遅い。
俺の背後にいたフリストが、いつの間にかユミルの背後にいる。
席を立とうとした、ユミルの肩を抑えた。
フリスト:
「ユミル、どうしたの?
息が乱れている。
まだ、話は終わってないよ。
さぁ、席に座って……」
ユミル:
「あぁ。
すまないな」
ユミルが汗をかきながら、フリストに答えた。
直樹:
「冒険の書」
<従者登録>
中級従者を購入する。
購入ポイント 4782。
出てきた紙をユミルに読んでもらった。
ユミル:
「ナオキ様。
これは……」
直樹:
「従者の契約。
内容は書いてある通りだ。
フリストは……
これより2ランク上の契約をしてしまった。
俺の不注意だ、すまない」
ユミル:
「この契約で。
軍を裏切ることになりませんか?」
直樹:
「現在の俺は、軍と事を構える気はない。
協力関係は継続する。
軍務の継続も可能なはずだ」
ユミル:
「うーーん」
直樹:
「お前の妹は、いずれ。
こちらでも保護できるようにしたい」
ユミル:
「しかし……」
直樹:
「俺がもっと注意すべきだった。
すまない。
こんな事態になるとは思わなかった。
拒否するな。
フリストは、お前も。
お前の妹も、殺るつもりだぞ!
冒険の書の力で、かなり強化されている。
お前では勝てない。
並の人間では不可能だ。
ユミル。
お前は、頭が回る。
騙しきれないと。
フリストが判断してしまった。
お前はノルナゲストと繋がっている。
どういう訳か、俺の制止も聞かない。
俺を守るために必要だと考えている。
フリストは。
俺のために自身にできる最善を、尽くすはずだ。
この国はそれほど持たない、という意見もある。
俺に付け」
ユミル:
「ナオキ様。
それはどちらで?」
直樹:
「この国と事を構えたくはない……が。
仮に、この国と戦闘状態になったとしても。
俺たちは、生存できるはずだ。
おそらくだがな」
ユミル:
「本当ですか!?」
直樹:
「だから、この力は。
お前には隠しきれない。
決断してくれ」
ユミル:
「わかりました……」
紙が輝き、従者の契約が完了した
いつの間にか、フリストが背後に戻っている
フリスト:
「ナオキちゃん
ページを見せて……」
『中級従者ユミル』の名前を確認する。
直樹:
「お前
こんなに用心深かったっけ?」
フリスト:
「ん?
必要なことだから」
監視の兵から報告は行くはずだが……
ユミルなら適当にやるだろう。
ユミル自身が報告しても、一向にかまわないしな。
直樹:
「疲れた、寝る」
逃げるようにベッドへと潜り込んだ。
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