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ドラゴンの国と深淵へのクエスト ~異世界転移したおっさんが、戦場を彷徨う~  作者: 社畜とキメラ
第二章 異世界転移したおっさんが、おっさん達と戯れる。
75/124

輸送の仕事 おっさんの畑・18

直樹:

「おっさん達が幸せだと……

 何故、お前が決意するんだ?」


フリスト:

「おじさん達が、増えてた事には驚いたけど。

 この人たち多分……

 みんな脱走兵で。


 この人たちが、笑顔で居るなんて。

 こんな事、ありえない」


直樹:

「腕が生えたり。

 歩けるようになれば嬉しいだろ?」


フリスト:

「違うの!

 脱走兵が……あんな顔!

 ありえないの!」


直樹:

「嫌になれば、脱走ぐらい……」


フリスト:

「兵士は他の職業よりも。

 待遇が良くて、生活が保障されているの。

 多くの兵はここ以外で生きていけないから、兵士になる」


直樹:

「大怪我をして、嫌になるぐらいあるだろ?」


フリスト:

「この国の兵士は、普通なら脱走なんて考えられない!

 すべての兵士は魔法で、居場所が把握されているの。

 

 怪我をしているような人間は、そもそも脱走できない。

 それでも脱走するような人間は。

 この国の未来を知って絶望した人がほとんど。

 希望がある兵士は、家族のため友人の未来を守るため。

 戦いに出るの。


 この国の兵士が、訓練課程をおえて一番初めにやる、任務は。

 脱走兵の狩り。

 どんな目にあうか、脱走した人間がどういう末路を辿るのか。

 自らが生き証人になる。

 体が治った程度じゃ、あんな顔はできないよ。


 脱走兵の顔は、恐怖と不安、猜疑心に支配され。

 その目は虚ろで、濁っている。


 でも、あの人たちは。

 あれは未来を、希望をもった人たちの顔!

 あと数年で滅びる国の兵士の顔じゃない

 私も、そんな顔になれるのなら……」


直樹:

「大切な命を。

 そんな、馬鹿な理由で!

 命があれば、何とでもなる。

 命を失ったら後悔すらできないんだぞ!

 お前には、未来がある」


フリスト:

「無いよ。

 ナオキちゃん。

 無いの」


直樹:

「でも。

 自分をもっと……」


フリスト:

「苦しいのは、嫌。

 悲しいのも、つらいのも、嫌。

 お腹が空いて、我慢するのも、嫌。

 寒い外で寝て、不安なのも、嫌。

 殴られて、殴られて、犯されたくない。

 体だって、売りたくない!


 助けて……

 助けてよ!!

 

 おじさん達を、助けられるのなら。

 私を助けてよ!


 私は、可愛いよ?

 私も、頑張るよ!?

 だから、助けて!!


 私だって、幸せになりたい……」



俺は、この世界の住人ではない。

ここで育ったわけでもない……


命よりも一時の幸福。

浅はかなことだと断罪できるか?

俺に、彼女の何がわかる……

かつて死を願ったこの俺に。

彼女を否定する権利などあるのか……?


しかし、命を預けられる……

俺の責任、気持ちはどうなる?


感情的な思いと同時に、打算的な思考が首をもたげた。

能力、性格はともかく。

この信用できない世界で、嘘をつかない存在に喜ぶ自分。

俺を守る盾の存在。

俺の命令で動く駒が手に入ったと判断する論理思考。

気持ち悪い。


自分自身の考えに、恐怖を覚える。

俺にとって、命とはこんなにも軽いものだったのだろうか?

打算と倫理、思考は回り続ける。



直樹:

「泣くな、フリスト。

 泣かないでくれ……」


彼女は、俺に対して、嘘は付けないと言うのに。

俺は嘘を吐く。



直樹:

「大丈夫だ。

 きっと上手くいく。

 フリスト。

 俺が助けよう」


クソだ、クソだ、クソだ!

無力な自分に腹が立つ。

安堵している、自分が許せない。


しばらくすると、泣き止んでくれた。

だが、ここで止まっている暇はない。

竜の国はあと何年、存続できるんだ?

確認する必要がある。

おっさん達がいる、いつもの隅を目指す。



直樹:

「おーーーい。

 1番、ほかのみんなも元気か?」



声を掛けるが、いつもの元気がない。

フリストとの口論を見ていたのか……?



1番:

「はい。

 色々と購入していただき。

 ありがとうございます」


結局11万4千、お金がかかった。



直樹:

「あぁ。

 いきなりで悪いんだが。

 ちょっと教えて欲しい。

 ここ竜の国……

 あと何年、もちそうだ?」



話を聞いていて、ざわつく場面もあったが。

16人+2の予想をまとめると……



ここ竜の国は、3~8年程で滅亡するらしい。

勝てると予想するものは、誰もいなかった。


8年前の戦いで、アスガルドの戦力の4割以上を失ったらしい。

その後、再編成をしてはいるがこの損害は埋めきれない。

純粋な竜を失ったことが絶望的だそうだ。


純粋な竜って、なんだろう?



また、征服されたヨトゥンヘイムは、当時のアスガルドの食料の6割を生産していた。

ミッドガルドへの進軍も間違いないらしく。

詳しい戦況は不明。

意見としては劣勢だろうと……

噂の類では、半部以上が征服されているらしい。


現在、俺たちがいるスヴァルトアルフヘイム。

穀倉地帯であるスオラが、戦闘地域となり食糧事情が問題になりつつある。


おっさん達が、幸せそうにしていたのは。

体の完全回復、60年の寿命、軍からの追跡と戦争からの脱却。

自分たちが生きるための食料の見込みが立った事によるもの。


畑の広さは、推測ではあるが……

一辺が1kmの正方形で、面積は1000000平方メートル。

1人が1年に必要な食料を自給するのに、必要な面積は500平方メートル。


つまり2000人の自給自足が可能である事。

あと1000人くらいが、こちらに来ても余裕。

1000人といえば大きな村だ。



隷属者の増加、本への取り込みを進言したい、と彼らは思っていたようだ。

自分の知人をこちらに招きたいらしい。


それに、隠れ家と畑の時間の流れの関係だ。

畑は、24倍の速度で時が流れる。

これをうまく使えば、竜の国が滅びる前に天寿をまっとうできる。

戦争のない時間を過ごせるというのは、彼らにとって想像するだけで幸福だ。

感想、レビュー、ブクマ、評価、お待ちしております。

おかしい部分や修正点、加筆部分なんかを知りたいです。

よろしくお願いします。

地図はランキング?の所に、リンクを貼ってあります。

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都市名があるのですが地図がないと、把握が難しいので。 地図
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