輸送の仕事 おっさんの畑・9
1番:
「隷属の書のには、3つの時間が表示されています。
1つめは、ここの世界、私が元居た世界の時間です。
2つめは、私が今いる空間での時間です。
3つめは、私の残り時間です」
直樹:
「では、お前は知っているのか?
畑では時間が24倍の速度で進むことを……
お前は、2年半しか生きられないんだぞ?
俺を恨んでいないのか?」
1番:
「はい、領主様。
理解しています。
別に恨んだりしていません
畑では24倍の速度で時間は進みますが……
私の体感では、畑の1分は元の世界の1分となんら変わりありません」
直樹:
「しかし、俺はお前の命を利用するんだぞ!!
恨みぐらいあるはずだ!」
1番:
「ここに来なければ、私は今。
生きておりません。
それに私はもう45歳。
これからまだ、60年も生きられるのです!
これ以上の喜びがありますか!?」
直樹:
「だが……
すまないな……」
1番:
「私は、領主様のために。
何をやればよいのでしょうか?」
直樹:
「あぁ……
ココと畑を使って、食料を増産してほしい。
できた作物を、売って金に換えたり、軍に提供したり。
いろいろと使いたいんだ……」
1番:
「はい、もちろんです
やらせてください」
直樹:
「すまない……
何か望みはあるか?
俺にできる範囲なら、かなえてやりたい」
1番:
「では。
外に出して、いただけますか?」
直樹:
「あぁ。
畑からなら、出られるはずだ。
定期的に出られるかは、約束できない。
だが、努力はしよう」
1番:
「すぐに出られますか?」
直樹:
「どうした?
お前は、脱走兵だろ?
危険すぎる」
1番:
「仲間を助けて、いただけませんか?
どうか、よろしくお願いします。
自分の立場は……わかっています。
頼める立場ではない事も、重々承知しています。
しかし、自分のように。
あと1週間も生きられない者たちが、いるのです。
救ってくださいというのは、虫がいいことも分かっています。
一度でいいんです。
彼らに。
私のように……
機会を、機会を与えてやってください」
直樹:
「何人だ?
食料をそろえる金も、沢山はない!
監視の連中もいる……
時間もあまりない!
それでも大丈夫か?」
1番:
「やって、貰えるんですか?」
直樹:
「あぁ」
1番:
「ありがとうございます!
ありがとうございます!
感謝いたします!」
1番と計画をまとめると宿舎へと戻る。
畑の時間を同期させた。
直樹:
「ユミル、フリスト。
魚を見に行くぞ!」
フリスト:
「はーーい」
ユミル:
「はい、お供します」
扉からでると魔術を使う。
直樹:
「追加、超絶操作マッスルマリオネット。
10分間、3倍に加速、全員撒け!」
一気に加速して姿を隠す。
畑から1番を転送させた。
直樹:
「1番。
1時間だけだぞ!」
1番:
「はい!」
俺が担いで動いた方が早い、街中を動き回った。
目的の人物を見つけると1番が話をする。
自分の体を見せ、説得をした。
希望した者にだけに、隷属の書を与えて本へと取り込む。
これを何回か、繰り返した。
繰り返して分かったのだが、体が回復するタイミングがどうも違うようだ。
完全回復してから消え去るヤツ、中途半端なヤツ。
転送されてから回復するヤツもいるみたいだ。
1時間が経過したので1番を畑へと返して、ユミル達と合流する。
直樹:
「ユミル!
探したぞ!」
ユミル:
「ナオキ様。
今までいったい何処に?」
フリスト:
「ナオキちゃん。
なにやってんの!?」
直樹:
「いや
お前たちを探していた!
自分だけ美味い魚を食べようとしたんだが……
ユミルが、俺の金を持てるだろ!!
だから探し回ったんだ!」
フリスト:
「何それ!
もう!
ナオキちゃんが悪いじゃんか!」
ユミル:
「いえ、ナオキ様。
大きなお金は、持ってますよね?」
直樹:
「そういえ……ば。
すまないな。
みんなで、食事にしよう……
疲れた」
昼食を食べると、海鮮を壺2つ分買う。
氷の魔法をかけてから本へと取り込んだ。
店を回って、野菜の種や種芋、薪、鍋、最低限の日用品を買い込む。
宿舎に戻ると、おっさんの隠れ家に転移する。
1番を呼び出して買ったものを渡すと、すぐに宿舎に戻った。
隷属者への自己紹介は後回だ。
疲労の蓄積が酷い、すぐに昼寝をする。
夜の外食をすると、またすぐに眠りについた。
今日の出費は16万、1日でよくも使ったものだ。
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