輸送の仕事 本格稼働・5
朝になって荷物を取り込む。
ヤニス(漁師の街)での2回めの積み込みだ。
すぐに出発、行きと反対の順路で3日かけて移動する。
ソケリ(魚と麦を扱う街)はよらず、シエニ(畑と家畜の街)につくが……
ユミルとフリストが爆睡中なため、荷物を取り込むと軟禁された。
昼過ぎに街に出かけるが、壺を買って肉を放り込む。
2人は疲れているらしく、すぐに宿舎へと引きこもりたいようだ。
眠いらしい。
俺だけ元気で申し訳ないが、寄り道をさせてもらう。
ここシエニは、畑と家畜の街。
野菜の種や種芋を購入したかったからだ。
宿舎へ戻ると筋トレを疲れるまでやって寝た。
朝になると例のごとく荷物を積み込み出発し、夜に首都へと着く。
少将殿の呼び出しだ、3人でテントへと赴いた。
朝早くから勤勉なやつだ。
ノルナゲスト:
「ナオキくん、物資を」
直樹:
「金と情報を。
あと、木箱は2500積み込める」
物資をテントへと取り出した。
ノルナゲスト:
「増えたのか?
ありがたいな。
お前達、物資の確認を」
ユミルがお金を確認して、こちらによこす。
物資を確認している兵士達がザワついていた。
少将に耳打ちするものまで現れた。
直樹:
「どうした?
いつもと同じだと思うが。
何か、マズかったのか?」
ノルナゲスト:
「それでは、例のものも?
すぐ運べ!
ナオキくん。
食料品の状態が良かったので、驚いていたところだ」
いくつかの壷を荷台に積むと、慌しく兵士が笑顔で出て行く。
物資を確認している兵士達は笑顔だが、少将の顔は困惑気味だ。
ノルナゲスト:
「君に積み込んでもらう、荷物を用意させている。
もうしばらく待って欲しい。
君に提供する異世界人の情報だ。
名前はローガン、デイヴィッド、ジョン。
それぞれ攻撃、防御、補助を担当している。
パーティーを組んで行動している異世界人なんだが。
少し問題が出ている。
時間が立てば解決するはずだが……」
直樹:
「問題とは何だ?」
ノルナゲスト:
「彼らは、戦闘地域へと向かうらしい。
会談の約束を、取り付けていたんだが。
急遽、予定が変更されたようだ」
直樹:
「戦場……か。
どれくらいの時間がかるんだ?」
ノルナゲスト:
「月単位なのか、年単位になるのか……」
直樹:
「そんなにか!?
他の異世界人とは話せるのか?
どうなんだ?」
ノルナゲスト:
「2つのチームについては、わかっているんだが。
中将や大将の抱える異世界人と会談するには……
それなりの人脈と準備が必要だ。
今回の会談を設定するために、かなりの労力を割いている。
今の段階で、これ以上は難しい。
他の連中に異世界人を狙っている。
との誤解を受けるのは避けたい。
君が来た事すら幸運だったんだ」
直樹:
「チーム?
それは初耳だ。
どういう事だ?
他の連中は複数なのか?
俺は一人なんだが……な」
ノルナゲスト:
「それは当然だ。
そもそも。
君の説得は絶望視されていたし、能力自体が輸送型。
仮に輸送ができても、君は寝たきりのまま、移動する予定だったんだ」
直樹:
「大体、寝てるけど。
お前ら。
ずいぶん酷いことを言っているな」
ノルナゲスト:
「チームが作られるのは、戦闘への投入が予定されるからだ。
異世界人は、一人一人が強いんだが。
その能力は特化型だ。
バランスが悪く、不測の事態に対応できない。
単独では弱点があるため、それを補完するよう人員が集められる。
君は戦闘区域への投入は予定されていない。
物資輸送がすみ次第、速やかに安全地帯へ退避してもらう」
直樹:
「軍から見た、俺の有用性はどうだ?」
ノルナゲスト:
「私は便利だとは思うし。
もっと輸送型の評価を上げるべきだと思うが。
戦闘型のほうが評価は高いんだ。
作戦行動の有効性と考えると、評価は低くなる。
理由は簡単だ、君が物資のすべてを持つとしよう。
行軍はかなり楽だ。
しかし、君に何かあれば物資のすべてを失う。
これはかなり危険な状況だ。
軍というのは2重3重リスクに備える必要性がある。
君だけに頼ることはできない。
だから君には、物資を倉庫に運んでもらうというのが基本だ。
作戦行動の予備物資と考えれば、可能性はある。
君と同じ能力者がもっと沢山いれば。
積極的な通常運用も可能なんだが……」
直樹:
「なるほどな。
俺は、輸送の効率化というわけだ」
ノルナゲスト:
「あぁ、そうなる。
兵站を扱う私の立場では、君の評価は高い」
直樹:
「しかし……
異世界人は戦場行きか!?」
ノルナゲスト:
「そうだな……
特に、大規模なものでは必ず異世界人が出てくる。
従来の戦力でも、対応は可能かもしれないが。
被害が桁違いだ」
直樹:
「そうか……
輸送のだけだとしても、戦う力は欲しいな」
ノルナゲスト:
「あぁ、そのためにも。
君には、彼らに会って欲しかったが」
直樹:
「なんだ?
俺に、協力的じゃないか」
ノルナゲスト:
「当たり前だ。
君自身が強くなれば、積荷はさらに安全になる。
場合によっては、戦地への輸送も可能だ」
直樹:
「そういう事か……」
感想、レビュー、ブクマ、評価、お待ちしております。
おかしい部分や修正点、加筆部分なんかを知りたいです。
よろしくお願いします。




