輸送の仕事 探り合い
兵士に案内され、テントへとたどり着く。
中には少将と数人の兵士が控えていた。
ノルナゲスト:
「ユミル軍曹。
受け取りの書類を頼む」
ユミル:
「はい」
ユミルは少将の元に行き、書類を渡す。
ノルナゲスト:
「荷物に問題はなかったか?」
ユミル:
「問題はありませんでした」
ユミルが戻ってきて、後ろに控える。
ノルナゲスト:
「ナオキ君。
受け取った荷物をこちらに頂きたい」
直樹:
「いいだろう。
だがその前に。
その前に聞きたいことがある」
ノルナゲスト:
「なんだろう?
私に答えられることだと、良いのだが……」
直樹:
「俺はたしか。
木箱500の輸送にしてほしい、と頼んだはずだ。
結果は木箱820の輸送だったな。
数が違うにも、ほどがあると思うんだが」
ノルナゲスト:
「そうだな。
しかし、警護や竜車を出すにも金がかかる。
同じ経費が掛かるのなら、沢山運びたいと思うのは当然だろ?」
直樹:
「まだこの力は安定していない。
もし荷物に劣化や破損があったらどうするつもりだ?」
ノルナゲスト:
「あぁ、そのことか……
それについては、私が責任を負うつもりだった。
だが結果は成功だ、何の問題もない」
直樹:
「問題はあった」
ノルナゲスト:
「何が問題かな?」
直樹:
「俺との信頼関係だ」
ノルナゲスト:
「ほう……
それは、どういう事かな?」
直樹:
「俺とお前の関係は、上下関係ではない。
あくまで対等、協力関係のはずだ。
なぜ500の輸送が、820になる」
ノルナゲスト:
「しかし、ナオキ君。
君は1万は運べるはずだろ?
報告は受けている。
1万運べるのだから。
320ぐらい増えても、なんの問題ないはずだ」
直樹:
「いや、問題はあるぞ。
俺に嘘を付くのか!
お前、俺を何だと思っているんだ?
俺を使い捨てる気か?」
ノルナゲスト:
「そんなことはない。
君を失えば軍は、大きな損害を被るはずだ。
それに君は……
他に行くところも無いだろう?」
直樹:
「冒険の書」
キンックから受け取った荷物をテントの中へと取り出した。
直樹:
「俺に、行く先がないなんて。
誰が決めたんだ?」
ノルナゲスト:
「あるのか?」
直樹:
「あぁ、あるぞ。
ここには竜の国が、あと2つあるんだろ?
そこの軍なら俺を喜んで受け入れるはずだ。
少将殿……
君は責任を取らされる事になる」
ノルナゲスト:
「君は……
私を脅迫するのか?」
直樹:
「いいや。
俺はただ。
対等な立場で、関係性を築きたいだけだ。
俺に話を通さずに、勝手な事をするな!
俺はお前の部下じゃない!」
ノルナゲスト:
「1万は運べるのに、何故その力を使わない?」
直樹:
「前にいっただろ?
力を回復にまわしているって。
まぁ、全力を出しても1万は運べないがな」
ノルナゲスト:
「それは、どういうことだ。
騙していたのか?」
周りが騒ぎ出し、緊張状態になる。
直樹:
「まぁ、落ち着け」
俺は手を挙げて、静かにさせた。
直樹:
「お前は、俺の話を聞いていないな?
俺は確かに言ったはずだがな」
ノルナゲスト:
「何のことだ?」
直樹:
「冒険の書の力を、強化に回すと言ったはずだ」
ノルナゲスト:
「つまり?」
直樹:
「今は、1万を運ぶことはできない。
お前は冒険の書について。
どこまで知っているんだ?」
ノルナゲスト:
「冒険の書は、この世界の住人は持つことができない。
異世界人だけだ。
後はいくつかのタイプが存在する事。
そもそも、異世界人の存在は重要機密事項だ
だから、私のところまで詳細な情報はこない。
君が従軍してから、多少、情報が入るようになった程度だ。
もっと上の立場の者なら知っているかもしれないが……」
直樹:
「お前達に伝えてあるはずだ。
冒険の書は成長する」
ノルナゲスト:
「それに関しては、こちらも予測はしている」
直樹:
「俺は、強化に力を回している。
あと10日以内に冒険の書の強化は完了する。
能力は向上するだろう」
ノルナゲスト:
「つまり。
10日すれば1万の輸送が、可能になるのか?」
直樹:
「確かにそうだが。
お前の考えとは、だいぶ違うと思うぞ。
まず今の俺の能力だが。
1日に、一度だけしか荷物は持てない。
木箱を500~600を本に取り込む事ができる。
勘違いするなよ。
2日前は400~450だった。
この2日間で冒険の書の強化をしたんだ。
注意点も先に言っておく。
無限に成長するわけではない。
もうすぐ頭打ちになるはずだ」
ノルナゲスト:
「それで木箱を2つに分けたのか。
それにしても、恐ろしい勢いで成長するな……」
直樹:
「そして10日の強化が終われば。
木箱を2000~2200持つことができる。
1日に一度だけだから、1万を持つには5日かかる計算だ」
ノルナゲスト:
「なるほど……
それでも輸送能力としては十分だ」
直樹:
「どうする?
お前は、俺と協力関係を築くつもりがあるのか?」
ノルナゲスト:
「お前の望みは何だ?」
直樹:
「異世界人の探索」
ノルナゲスト:
「しかし、先ほども言った通り……
異世界人の存在は重要機密事項だぞ
私のところにも、必要以上の情報は届かない」
直樹:
「それでも、できる限りの協力が欲しい」
ノルナゲスト:
「お前たち。
一旦、外に出てくれ!」
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