旅立ち 出立に向けて・2
ついに朝が来てしまった。
今日は公開羞恥プレイの日……
できれば人前で、あんなことはやりたくないが。
超回復ラブリービューティー、超絶操作マッスルマリオネット。
この2つを街の皆様に楽しんでいただく!
だが、使用ポイントには限界がある。
皆さんに見ていただくために、3日に分けて行う計画だ。
初日は街の真ん中で、2つの超絶魔法を解放。
追加機能の確認作業を行う。
2日目ローラ街道で超回復ラブリービューティーを披露。
分岐するキンック、シエニ方面の道で超絶操作マッスルマリオネット。
3日目はこの反対だ。
正直、胃が痛くなる。
警備兵の動きも気になるし。
間違いなく変質者として追われるだろう……
その為にも初日は、追加機能での逃げ方を調べル必要がある。
超絶操作マッスルマリオネットがカギになるはずだ。
フリスト:
「ナオキちゃん、おはよう」
ユミル:
「ナオキ様、おはようございます」
直樹:
「あぁ、おはよう。
フリスト。
今日は少し出かけるから携帯食、肉を準備してくれ」
フリスト:
「はーい、準備しとく」
ユミル:
「どちらへ行かれるのですか?」
直樹:
「街をフラフラと……かな?
筋力の強化と、この世界の情報収集だ。
ユミル。
上司とは、いつ会えそうだ?」
ユミル:
「3日以内には、会えると思います」
直樹:
「そうか、ありがとう」
食事が終わると、身体を念入りにストレッチをしてから監視塔へと向かった。
掛かった時間は、1時間30分。
魔術の補助がなければ、かなり時間が必要だ。
それでも、自力でこの距離を歩けたのは非常にうれしい。
直樹:
「どっこい、正一。
疲れた」
周りの迷惑にならないように隅で休む。
そよ風が気持ちいい。
30分ほど休憩をした。
ユミルとフリストが、暇そうにしているが……気にしない。
俺も奴らも、もうすぐ大変なことに巻き込まれるのだから。
今はこの静かな時間を、味わって欲しいな。
そろそろ。
やるかな……
どうせやるなら、派手にやるべきなのか?
イベントを待つんじゃなくて、自分で起こそうか……
気は乗らないが……
家族の事を思えば、大したことではない。
直樹:
「よっこらしょ!」
道のの中心、監視塔へと移動し深呼吸をして心を落ち着ける。
直樹:
「冒険の書!」
さて。
ここは、日本人の魂を見せてやるか!
直樹:
「遠からんものは音に聞けい、近くに寄って目にも見よ!!」
フリスト:
「ナオキちゃん。
急にどうしたの?」
ユミル:
「ナオキ様。
どうされましたか?」
ユミルとフリストが、心配しているが……無視だ、無視!
周りの人たちの視線が痛い。
自分の心が激しく痛む。
直樹:
「我が名は、ナオキ!
大道芸人であり、世界を救う力を持つ男。
この神のごときこの大魔術を見よ!!
俺は。
俺の名は、超絶勇者ナオキだ!!」
もう少し……
俺の羞恥心よ!
もう少しだけ耐えてくれ!
直樹:
「超回復ラブリービューティー。
超絶操作マッスルマリオネット」
詠唱は一瞬で完了した!
フリスト:
「ナオキちゃん。
ここでやるの!!」
ユミル:
「ナオキ様。
正気ですか!!」
俺を止めようとしたユミルを、フリストが抑え込む。
フリスト、グッジョブだ!
ハハハ。
ママン、終わったよ。
俺もいい歳なのに、終わった……
色んなものが無くなったよママン。
自動でスキルは発動していく。
ナオキの身体が、大きく、そして力ずよく輝いた……
モスト・マスキュラーが終わる。
辺りがザワザワと、どよめく声を認識できた。
直樹:
「ユミル、フリスト。
逃げるぞ!」
宿舎に向けて全力で走り出す。
頼むぞ、超スキルたち!
直樹:
「冒険の書。
追加、超絶操作マッスルマリオネット。
5分、走る速度を3倍に加速。
追加、超回復ラブリービューティー。
5分、痛みを軽減、肉体の破損個所を再生」
脱兎のごとく、その場を後にする。
ユミルとフリストを振り切ってしまったが、いずれ追いつくだろう。
速攻で人混みへと紛れ込み、後ろを振り返ることなく宿舎へと帰った。
ハァハァ。
ハァハァ、ハァハァ、ハァハァ。
死ぬかと思ったぞ……
ベッドの上で悶絶する、3倍加速は、キツイ。
酸欠なのか、ボーーーとしている。
疲れた……
俺が宿舎に戻ってから10分ぐらいすると。
必死の形相のユミルと、満面の笑顔のフリストが帰ってきた。
ユミル:
「ナオキ様。
こちらですか!?」
フリスト:
「ナオキちゃん。
戻ってる?」
直樹:
「おう。
ここにいるぞ」
フリスト:
「モウーー!
ナオキちゃん。
凄く面白かったー」
ユミル:
「面白くない!
監視塔が騒然となってましたよ!」
直樹:
「それは、良かった
フリスト。
肉をくれ」
フリスト:
「はーい」
フリストから干し肉を貰った。
モグモグ、美味い。
ユミル:
「ナオキ様。
急にどうしたんですか?」
直樹:
「俺もやりたくないが……
力をつけるためには仕方がない」
ユミル:
「力ですか?」
直樹:
「たぶんな。
冒険の書」
<ポイント>
使用ポイント 221
購入ポイント 410
増えてる!
直樹:
「迷惑をかけた、すまない
疲れた寝かしてくれ……」
仮眠から目が覚めると、遅めの昼食をとった。
直樹:
「冒険の書」
<ポイント>
使用ポイント 226
購入ポイント 423
ん?
使用ポイントは理解できるが。
購入ポイントは何故増えた?
寝ていただけだぞ。
明日から、本番か……
よく考えたら。
今から見せびらかしても……良いんじゃないか?
使用ポイント残っているし。
直樹:
「散歩に行ってくるよ」
ユミル:
「はい、我々も同行します」
直樹:
「あぁ。
よろしく頼む」
キンック方面の門付近まで、やってきた。
そこそこの人通りだ、この辺でいいだろう。
直樹:
「冒険の書。
遠からんものは音に聞けい、近くに寄って目にも見よ!!」
ユミル:
「ナオキ様。
やめてください!」
直樹:
「フリスト!
ユミルを抑え込め!」
フリスト:
「はい、はーい」
フリストがユミルを抑えにかかる。
超回復ラブリービューティーを使うと、走って監視塔まで逃げた。
ユミルの小言がうるさいが、無視!
シエニ方面の門へと向かう道中、超絶操作マッスルマリオネットを3回発動。
門の付近に来ると、超回復ラブリービューティー使い、走って監視塔まで。
ここからは5分間、速度を3倍に加速し宿舎へと逃げ帰る。
<ポイント>
使用ポイント 78
購入ポイント 799
オオ!
すごいぞ!
これなら、いけるんじゃないか?
しかし、疲れた。
いつの間にか寝てしまったようだ。
もう夕食の時間だ。
ユミル:
「ナオキ様……
本当にどうしたんですか?
訳があるなら教えてください」
直樹:
「筋力の強化と情報収集かな?
沢山、走っただろ?」
ユミル:
「それなら、あんなことしなくても!」
直樹:
「うーーん。
思い出作り?」
ブッボォッ!
フリストが飲み物を口と鼻から噴き出した。
食事中だというのに……汚い奴だ。
ユミル:
「真剣に、聞いてください!」
直樹:
「ユミル。
何というかな……
必要なことなんだよ!
残念ながら」
ユミル:
「何のために!」
直樹:
「冒険の書の強化だ」
ユミル:
「どういう理屈ですか?」
直樹:
「それは、俺が知りたい。
間違いなく今日の件で、俺の冒険の書は強くなった。
何事も経験だな!」
ユミル:
「経験なら他にも、あるでしょ!?」
直樹:
「え!
あるの!?
例えば?」
ユミル:
「例えば……
軍での戦闘訓練などは、如何でしょうか?」
直樹:
「いや、無理だろ……
見ろこの細い腕を.
女よりも細いじゃないか!?」
ユミル:
「いや、いや!
ナオキ様。
何を言っておられるんですか?
何ですか?
あの逃げ足の速さは!!
恐ろしい速度で逃げましたよね?
あれなら戦闘もできるんじゃないですか?」
ユミル:
「え!
本当に?
そうなのか……」
喋りながらも食事を終える。
ユミルの手を握ると、うんうんと頷きながら感謝を示しておく。
直樹:
「戦闘か……
いい、助言を得た。
ユミル、ありがとう。
ありがとう」
隙をついてベッドへと逃げ込んだ。
目が覚めると、真夜中になっている。
良い子は寝る時間なんだが、おっさんの時間はこれからだ。
小声で呟いた。
直樹:
「冒険の書。
追加、超絶操作マッスルマリオネット。
この部屋を見つからずに抜け出したい」
別段、ブーーーと音は聞こえなかったので、能力は発現しているのだろう。
静かに部屋を抜け出せた。
ユミルとフリストが爆睡しているのか、それともスキルの威力が絶大なのか?
軍施設だけあって、真夜中でも明るい。
直樹:
「さて、思い出作りだ」
施設内で、3回超絶操作マッスルマリオネットを披露して帰ってきた。
超絶操作マッスルマリオネットの追加機能、恐るべし。
翌日もまた……
スヴァルトアルフヘイムの首都ピュハに、変質者が現れたらしい。
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