旅立ち 固有・空間支配・4
いつの間にか寝てしまったらしい。
まだ日は、落ちていないようだ。
直樹:
「冒険の書」
できることは、もうないのか?
時間がたって使用ポイントが回復した…のか。
<おっさんの倉庫>
使用可
濡れたパンを取り出した。
使用ポイント 残り192。
直樹:
「ウヮッ」
濡れたパンを取り出したはずだが……
白、緑、黒色のカビが生え、異臭を放っていた。
何だこれは……
どうなっている?
もうひとつのパンを取り出す。
使用ポイント 残り191。
特に変わりないと思っていたが、よく見てみると少しカビが生えている。
触ってみると石のように固い。
オイオイ。
本当にどうなっているんだ?
1週間以上たっているみたいだ……
早めに、気づけて良かった。
もし、食料を運ばされていた時に気づいたら。
目も当てられなかったぞ。
しかし、どうなっている?
そうだ!
時間だ、時間の流れが違ったはずだ。
<固有・空間支配>
さぁ! おいでよ おっさんの農園?
説明を確認してみた。
現実とは違ったリズムが流れる時間の中で。
これだ!
この文面だ。
こんな現象は、これ以外にない。
こちらの1時間と、向こう側では時間が違うんだ。
確認をする必要がある。
<質問と回答>
質問の○ボタンを押す。
即回答が基本だ。
直樹:
「おっさんの倉庫 時間の進み方は違うのか?」
A:違います
直樹:
「おっさんの倉庫 こちらの1時間で、向こうは何時間進む?」
A:設定で確認してください
購入ポイント 残り242。
<おっさんの倉庫>
使用可
設定
設定の文字……が?
こんなものなかったはずだ。
『設定』を押すと。
時間の流れ 1時間ー>1日経過
と下に表示された。
パンを入れてから何時間経過した?
フリストと出かける前だから12時間以上たっている
つまり12日以上後の状態。
もしこれを反対に遅くできれば……
俺の価値は、今よりも上がるんじゃないのか?
輸送先で新鮮なものを提供できる。
まだ、俺には価値が……ある!
<質問と回答>
質問の○ボタンを押す。
「おっさんの倉庫 時間の流れの設定法は?」
A:時間の流れを長押し
購入ポイント 残り241。
<おっさんの倉庫>
使用可
設定
『設定』を押し時間の流れを長押しする。
下に設定が現れた。
『同調 1時間ー>1時間 即時反映 購入ポイント 1』
『ゆっくり 24時間ー>1時間 即時反映 購入ポイント 5』
『早く 1時間ー>1日 即時反映 購入ポイント 2』
ゆっくりはポイント高いな……
劣化速度が減るのはありがたい。
『ゆっくり』を購入する。
購入ポイント 残り236
購入後、念のために時間の流れを確認しておいた。
変わったか……
しかし……
この魔導書には、俺の知らないことが多すぎる。
だが一体、誰に相談すればいい?
ユミルもフリストも知らないだろう。
軍の上層部なら?
いや、ユミルは俺に……
俺自身が知っている、と言っていたはずだ。
他に誰だ?
俺と同じ異世界人なら、知っている可能性は高い。
でも、自分以外の異世界人は、会ったことがない。
手詰まりか……
いや…いたな?
1人だけ、いや1冊だけ。
魔導書ドラクエ。
あいつなら、この状況を打破できる!
<質問と回答>
質問の○ボタンを押す。
直樹:
「魔導書ドラクエ。返事をくれ」
直樹:
「魔導書ドラクエ。早く返事を!」
直樹:
「魔導書ドラクエ。頼む!」
直樹:
「魔導書ドラクエ。助けてくれ!」
直樹:
「魔導書ドラクエ。お前しかいないんだ!」
何度も何度も、呼び掛けた。
1時間……経っただろうか?
質問の○ボタンを押す。
直樹:
「魔導書ドラクエ。頼む!」
A:オナキ! シツコイゾ!
直樹:
「あぁ、良かった!!
会いたかった。助けてくれ!」
A:僕に何の用だ、僕はこれでも忙しい! 魔導書が治らないと君も困るだろ!?
直樹:
「助けてくれ! 緊急事態だ!」
A何があった?、簡潔に話せ!
今までの事を手短に話した。
A:ナオキ!!、お前……本当に馬鹿だな?
A:ユミルって奴?、何故、自分の能力を話した!!
A:そんなことを、しなければこんな状況にはなっていない
A:いくらでも言いようはある、逃げ切れたはずだ!!
質問の○ボタンを押す。
直樹:
「すまない…… その通りだ 俺が馬鹿なんだ」
A:お前はすぐに信用しすぎる。だから危険な目に合うんだ、考えが足りない
A:よく考えればわかるだろ?、ユミル、フリストこの2人は軍の人間だ
A:お前の仲間じゃない。それに僕だって、君の味方とは限らない!!
A:お前は、この世界でどんな目にあった?、自分以外は信用するな!
直樹:
「すまない。
でも、俺は……
俺ひとりの力では……」
A:アーー、五月蠅い、五月蠅い、貸だぞ!、超貸だ!!!
直樹:
「ありがとう。
俺にできる事なら、どんな事でもやる。
ありがとう。
心から感謝する」
A:バーーーカ、すぐそれだ
A:僕だって、何でも君に教えられるわけではない。制限が掛かっている
A:僕が、君に教えられることは、君が知っていることだけだ
A:だから、よく考えろ!、君は解決策を知っている。自力で解決できるはずなんだ!
直樹:
「馬鹿ですまない」
A:この魔導書には、ルールがある!、答えろ!、ナオキ!
直樹:
「どれのことだ?」
A:そうだな……、では、機能のことだ。お前はすべて使いこなせるのか?
直樹:
「いや……
無理だ。
後から急に、使えるようになった事もある」
A:そうだ。なぜ使えるようになった?
直樹:
「何故だろう……?
質問と回答で、聞いたからか?」
A:それもある。質問と回答だけで、すべての機能が使えると思っているのか?
直樹:
「フラグ……?
条件だ!
何かの条件を満たした!?」
A:そうだ、条件だ!、質問と回答はその条件の一つだった
直樹:
「条件か……
しかし、それだけでは……」
A:ナオキ!、よく覚えておけ!、すべては条件だ!、これに収束する
直樹:
「他には……
他には?、もっと無いのか?」
A:そうだな。魔術の条件はどうだ?
直樹:
「あぁ。確かに条件を付けることで、消費する使用ポイントが変わったな……」
A:つまり、どういう条件だ
直樹:
「時間を短くしたり、範囲を設定したりとかだな」
A:そうなんだが。もっと根源的というか。ナオキから見た場合というか
直樹:
「自分に視点で……
あぁ、あれか?
回復魔法の痛みの件か?」
A:そうだな。それ、どうなった?
直樹:
「痛みの軽減を無しとしていたら、使用ポイントは減ったぞ」
A:だから……、どういう条件だ。お前にとって有利なのか?
直樹:
「いや、本当は痛みがないほうがいいぞ
でも、使用ポイントがなぁ……」
A:バーーーカ。馬鹿!、条件について聞いてんだよ!!
直樹:
「自分から見ると、不利な条件だ」
A:アッ、疲れる。条件には、どんなのがあるんだ?
直樹:
「自分から見ると、有利な条件と、不利な条件だ」
A:それだ!、それ!、それ!、条件ごとにポイントはどうなった?
直樹:
「自分から見て、有利だと使用ポイントが増えて、不利だと減る」
A:じゃあ もうわかったろ?
直樹:
「いや、特に何も。
これは、全部俺が知ってる事じゃないか?」
A:馬鹿だな……、ナオキ
直樹:
「すまない」
A:貸だ!、貸の追加だ!、魔導書強化について、話せ!
直樹:
「強化と設定のページで、ポチると強化する」
A:うーーん。その前からな……
直樹:
「質問と回答で質問したら、強化できるようになったので、購入した」
Aそうだ。強化と購入の関係について話せ
直樹:
「購入ポイントを支払って、魔導書を強化した……という事?」
A:お前にとって、有利か不利か?
直樹:
「有利にならないなら、購入しないでしょ?」
A:不利な条件はなかったか?
直樹:
「先生!
強化には自分にとって有利な条件、しかありませんでした!」
A:では、今までのスキル構築条件には、どんなのがあった?
直樹:
「はい、先生!
条件には、有利なものと不利なものがありました」
A:つまり強化には、どんな条件がありえるんだ?
直樹:
「先生!
有利な強化と不利な強化です。
え!?
不利な強化なんてしないだろ?」
A:やっとたどり着いたか、馬鹿……、不利な場合どうなると思う?
直樹:
「購入ポイントが減る?」
A:他にもにもあるだろ!、魔術の事を思い出せ!
直樹:
「何か……
威力が増える、便利になる?」
A:そうだ。その可能性がある
直樹:
「でも、そんな選択肢はなかったぞ!!」
A:どうやったら、強化ができた!
直樹:
「質問と回答ですが……」
A:それだ!、それ!、よく考えろ!
直樹:
「いやだなぁ先生。
まさか…質問と回答で。
強化の交渉を、できるわけないでしょ?」
A:お前、今、何処で、誰と、話しているんだ!!
直樹:
「テントの中で。
冒険の書の質問と回答で。
魔導書ドラクエ様と、お話ししています」
A:つまり、どういうことだ!
直樹:
「もしかして、魔導書強化の条件を、交渉……できる?」
A:バーーーカ!、サッサと本を開き直して交渉しろ、交渉材料をよく探せ!!
直樹:
「使用ポイントを、一気に増やせるんですか?」
A:無理に決まってるだろ!、本全体が強くなるだろ!
直樹:
「じゃあ何を?」
A:お前は今、何に困っていたんだ? バーーーカ!!
直樹:
「おっさんの倉庫?」
A:僕もしばらく待っているから!、サッサとやれ!
直樹:
「ありがとうございます」
A:オウ!!
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