旅立ち 代償
ナオキちゃんが、まだ起きない。
ぷにぷにっとナオキちゃんのほっぺを突付く。
もう、お昼だというのに……
せっかく用意したご飯が冷めてしまう。
フリスト:
「ナオキちゃん、ご飯食べないと筋肉付かないぞ!」
夜中に一人で興奮して、大声出しているから寝坊する。
ツンツン。
ぷにぷに。
もうすぐ目が覚めそうだ。
ナオキかんが、ウーーーンと声を上げて伸びを始めた。
フリスト:
「ナオキちゃん、おはよう
お昼の準備できてるよ」
直樹:
「あぁ、おはよう。
え!
もう昼?」
ユミル:
「ナオキ様、おはようございます」
直樹:
「ユミル、おはよう
フリスト、お昼にしよう」
ナオキちゃんの手を取るとテーブルへと連れていく。
私に体重をかけて、必死に歩く姿が愛おしい。
ユミル:
「お加減は、いかがですか?」
直樹:
「あぁ、大丈夫だ。
すまない、夜遅くまで冒険の書を読んでいた」
ユミル:
「そうでしたか、この後はどうしますか?」
直樹:
「昨日のことが、夢でなければ。
冒険の書を試してみたい」
ユミル:
「使えるようになったんですか?」
直樹:
「わからない。
それを試してみようと思う」
フリスト:
「ナオキちゃん。
それ、見ていてもいいかな?」
直樹:
「いいけど、別に面白い物じゃないぞ」
フリスト:
「やったね!」
ユミル:
「僕も見てみたいです」
直樹:
「別にいいが。
魔法が、そんなに珍しいのか?
何の変哲もない魔法だと思うぞ」
ユミル:
「冒険の書というものが、どういうものなのか?
興味は尽きませんよ」
直樹:
「そうだな。
昨日作ったのは、俺が歩くのを補助する魔術だ。
俺も早く試したい。
、食事を急ぐとするか」
カチャカチャと無言で、食事が進む
魔法……
魔法ね。
興味はあるかな。
私は魔力はあるんだけど、魔法を使ったことがないから。
確か、ナオキかんは魔力が無かったんじゃ……
どうやって使うんだろう?
私も勇者様の従者になったんだから。
魔法の1つや2つ、配給されても良いのに……
いつかナオキちゃんに、頼んでみようかな。
考え事をしているとアッというまに、食事が終わってしまう。
テーブルの上にある食事の残りを、カゴへと片付けた。
ナオキちゃんがいよいよ、魔法を使うみたいだ。
魔法は何回か見たことはあるけど。
異世界人の魔法は、何が違うのだろうか?
ナオキちゃんが、ゴソゴソし始めた。
直樹:
「冒険の書」
ナオキちゃんの左手から、バシンッという音が聞こえた。
ペラペラと紙をめくる素振りを見せる。
私達には見えないんだよね。
魔導書ってどんものなんだろう。
ペラペラ、ペラペラ。
なんだか様子がおかしい?
直樹:
「これは一体……
魔導書ドラクエ、約束が違う!」
ペラペラ、ペラペラ。
ペラ。
ペラ。
ナオキちゃんの体がしばらく硬直した。
額に汗を掻きながら、こちらを見てくる。
直樹:
「緊急事態だ!
すまないが、30分……
いや10分だけ一人にしてくれないか?」
フリスト:
「どういう事?」
ユミル:
「ナオキ様。
それはいったい」
直樹:
「すまない。
一人にしてほしいんだ……」
真剣な顔で言われると返す言葉もない。
しぶしぶカゴを片付けることにした。
見たかったのに。
2人とも部屋の外へと出る。
廊下を歩きながらユミルと話をした。
フリスト:
「あれ、なんだろうね?」
ユミル:
「さぁ?」
フリスト:
「すっごく真剣な顔だった。
何かあったのかな?
俺様、ちょっぴり心配だから見てくるよ」
ユミル:
「待て、ナオキ様は……」
フリスト:
「ユミルは、ここで待ってろ。
何かあってからでは、遅い」
カゴとユミルを廊下に置き去りにすると、すぐに扉の前に戻ってきた。
耳をそばだてる……
部屋の中から、ナオキの声が小さく聞こえてくる。
直樹:
「なんと、悪質な!!
しかし。
このままでは……な。
一度だけなら……
試してみるか?
超回復ラブリービューティー。
超絶操作マッスルマリオネット」
何それ!?
音が鳴らない様に気を付けながら、部屋の中を覗き込むと。
同時に自分の上に気配が増えた。
ユミルだ。
反対側を向いているナオキちゃんの体が、七色に輝きだす。
いつの間にかピンク色のマントを羽織っていた
はぁ……綺麗。
右手には、ピンクのステッキ、白く輝く小さな羽が付き。
星・丸・ハートが付いたものがあり、クルクルと回っている。
左手にはピンク色の手帳を持っていた。
何あれ!
あれが冒険の書!?
可愛い!
私も、私も……
良く見えない。
ナオキちゃん、こっちを向いて!
ナオキちゃんは、右手のを上に向けるとステッキでクルクルと円を描く。
直樹:
「世界中で悶々としている、オネエのみんな!
わたしに力を貸して!
今日こそ。
彼の心は、私のモノ……」
ナオキちゃんはゆっくりと、両腕で自分を優しく抱きしめる。
しばらくじっとした後、両腕をばっと瞬時に開いた。
あれは、攻撃体勢か!?
ナオキちゃんは、ステッキを早く鋭く。
横に一線し、上から下へと切り裂きながら叫ぶ。
直樹:
「超・回・復! ラブリービューティー☆」
ナオキちゃんの体の周りに、七色の星が舞っていた。
あぁ!
綺麗! 綺麗!
もっと近くで見たい
あぁ、いいなぁ……
ナオキちゃん、可愛いな……
バタバタしていると。
音を立てて扉が開いてしまった。
直樹:
「そこに居るのは、誰だ!」
ナオキちゃんがこちらに向けて、臨戦態勢をとる
胸についているピンク色の大きなリボンが可愛い
前は、こうなっているんだ……
ナオキちゃんが、力を込めて両腕を腰へと引き絞った。
正拳突きでもするのだろうか?
身体が輝くと衣類が消え去り、筋肉ムキムキ、黒くテカった、全裸の姿!
いや股間は、真っ赤なブーメランパンツ!
ピンクのリボン付きマントは、そのままだ!
直樹:
「俺のオイルがテカって光るっ!
身体を見せろと輝き叫ぶ!
超・絶・操・作 マッスル!マリオネーーーーット!!」
おお!
ナオキちゃん、カッコイイ!!
ナオキちゃん……ポージング!
直樹:
「フロント・リラックス!」
ナオキちゃんが輝く。
ナオキちゃん……ポージング!
直樹:
「フロント・ダブル・バイセップス!」
ナオキちゃんが輝く。
ナオキちゃん……ポージング!
直樹:
「サイド・チェスト!」
ナオキちゃんが輝く。
ナオキちゃん……ポージング!
直樹:
「モスト・マスキュラー!」
ナオキちゃんが輝く。
満面の笑みを、私だけに向けてきた!
おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
何これぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
私だけの勇者様……
世界が。
時間が停止した。
誰一人、動くものはいない。
世界は私達、2人だけのモノだ。
どれほどの時間がっ経ったのだろうか。
気が付くとナオキちゃんは、いつもの姿だった。
こちらを指さして、ワナワナと震えていた。
全身びっしょり汗をかいている。
直樹:
「何故だ!?
どうしてお前たちが!」
フリスト:
「え!
誰か居るの?」
後ろを見たが、困った顔のユミルしかいない。
何故か、気まずそうにしている。
フリスト:
「どうしたの?
私とナオキちゃん、だけだよ!」
ここは2人だけの世界。
ユミル?そんな生き物、知らない。
直樹:
「何故だ!?」
脂汗をダラダラと流しながら、
ゆっくりと後ろへと下がっていく。
フリスト:
「ナオキちゃん、落ち着いて!
動いちゃダメ」
混乱しているのか、言葉が届かない。
また、ゆっくりと下がっていく。
ダメだ 危ない……
ナオキちゃんは、まだ自分一人で歩ける体ではない。
フリスト:
「待ってて!!」
全力で走り出し、ナオキちゃんを抱きしめた。
人工知能かなんかで、推敲できないのだろうか?
感想、レビュー、ブクマ、評価、お待ちしております。
おかしい部分や修正点、加筆部分なんかを知りたいです。
よろしくお願いします。




